ブランクのある薬剤師が薬局へ復職する前に読むべきおすすめの本
私の友達の薬剤師が今度、育休を終えて薬局に復職するらしいんです。けど、ブランクがあるから復帰するのが不安らしくて・・・。ブランクのある薬剤師が薬局へ復職する前に読んでおいた方が良いおすすめの本ってありますか?
ブランクがあると職場復帰するのに不安を感じてしまう気持ちはとても分かるぞい。じゃが、本を紹介する前にその不安がどこから来ているのか考えることが大切じゃ。
それは、どういうことですか?
ブランクのある薬剤師が職場復帰する前に不安を感じてしまうのは、「いま現場でよく使われている薬」、「服薬指導で話すこと」、「薬歴の書き方」、「保険調剤の調剤報酬」などを忘れてしまっていることが理由なんじゃよ。
たしかに、それはありそうですね。
そうじゃろう。それじゃあ、ブランクのある薬剤師向けにそれぞれの不安を解消できるような本を紹介するぞい。
いま現場で使われている薬をキャッチアップするのにおすすめの書籍
まず、いま現場でよく使われている薬をキャッチアップするのにおすすめの書籍を紹介するぞい。
お願いします!
今日の治療薬
お前さん、『今日の治療薬』って知っとるかの?これは臨床で使われる薬を薬効別にまとめた頼れる一冊じゃよ。ワシも毎年お世話になっとるんじゃ。
聞いたことはありますが、具体的にどんな内容が載っているんでしょうか?
ほう、いい質問じゃ。『今日の治療薬』には最新の医薬品情報がぎっしり詰まっておるんじゃ。さらに2024年版から新しく「同種薬比較」という項目が加わって、同じ薬効を持つ薬の使い分けが一目でわかるようになっとる。
それは便利ですね!同種薬でも、場合によって使い分けることがありますもんね。
そうじゃろう。さらに、オーソライズド・ジェネリック(AG)と呼ばれる後発医薬品についての情報も充実しとる。これも現場での服薬指導で役立つ知識じゃな。
なるほど。最近、ジェネリック医薬品について質問されることが増えてきたので、詳しく知っておくと安心です。
ただし、1000ページ以上もある本じゃから、復帰先の薬局のメインの科目を中心に読むことをおすすめするぞい。最初から読むと大変じゃからな。
そうですね。必要な箇所をつまみ食いしていくのが良さそうです。
いま使われている薬をキャッチアップするなら、なんといっても『今日の治療薬』がおすすめじゃ。ぜひ読んでみると良いぞい。
服薬指導を学び直すのにおすすめの本
次は服薬指導を学び直すのにおすすめの本を紹介するぞい。
とても気になります!
薬効別服薬指導マニュアル
服薬指導を学び直すんだったら、『薬効別服薬指導マニュアル』がおすすめじゃ。これは服薬指導の最新情報がぎっしり詰まった便利な本じゃ。特に患者さんにわかりやすく伝えるための工夫がされておる。
そうなんですか!服薬指導の本ってたくさんありますけど、何が特別なんですか?
よい質問じゃな。このマニュアルは、「患者向け」と「薬剤師向け」に情報が分かれていて、患者さんには必要な情報だけを簡潔に伝え、薬剤師には詳しい治療ガイドラインや日常生活のアドバイスがまとめられておるんじゃ。まさに服薬指導のプロの味方じゃよ。
患者さんに説明しやすくなってるのは助かりますね。それだけじゃなく、薬剤師向けの情報もあるならとても実用的ですね。
そうじゃろう。それに、最新版では「薬物治療の確認と指導のポイント」という新しい項目が追加されて、疾患の全体像と治療ポイントがひと目でわかるようになっとる。これで薬の効果や指導すべきポイントがしっかり頭に入るようになるんじゃ。
それはいいですね!全体像をつかむのって難しいですし、すぐに確認できるのはありがたいです。
さらに、この本には、重大な副作用や妊婦・授乳婦に対する危険度、フィジカルアセスメントのチェックポイントも詳しく載っておるんじゃ。患者さんに確認すべき症状や対策も書かれていて、現場ですぐ役立つ内容じゃよ。
それはすごく便利ですね!患者さんにどう対応すべきか迷ったときも安心ですね。
そうなんじゃ。特に副作用のリスクがある薬の服薬指導やフォローアップにも役立つ。継続的な服薬指導やフォローの方法が載っておるから、患者さんの安心にもつながるんじゃ。
服薬指導にこれだけ網羅された情報があれば、自信を持って対応できそうです。
うむ。『薬効別服薬指導マニュアル』は、服薬指導を学び直す上で欠かせない一冊じゃ。これがあれば、どんな状況でも的確な指導ができるようになるぞい。買っておいて損はない本じゃな。
実践薬学
『実践薬学』という本もおすすめじゃぞ。この本はただの知識ではなく、日常の薬局業務で実際にどう活かすかに特化した内容なんじゃ。薬の「考え方」を鍛えるための本と言えるのう。
薬の「考え方」ですか?具体的にはどういう内容が載っているんでしょうか?
そうじゃのう、たとえば「半減期が長い睡眠薬ユーロジンを飲んだら、なぜ1日中眠くなるのか?」とか、「なぜ高齢女性にはセレコックスが要注意なのか?」など、現場でよく遭遇する疑問に答えてくれる内容がたくさん載っておるんじゃ。DI Onlineで人気の連載『薬局にソクラテスがやってきた』の著者が、実践的なノウハウを教えてくれるんじゃよ。
面白そうですね!現場で役立つ具体例があると、確かに学びが深まりそうです。
そうじゃろう。この本は添付文書の情報だけでなく、薬物動態や薬理学の基礎を理解して、患者さんに的確に説明できるようになるための考え方を教えてくれるんじゃ。レビューでも「ただ知識を詰め込むだけではなく、実際に役立つ」と評判じゃよ。
実際のケースで学べるなら、添付文書だけじゃわからない細かな疑問にも答えられるようになれそうですね!
うむ。この本では「CYPが関与する相互作用」や「腎機能チェックの重要性」など、薬局業務で押さえておきたい重要な知識が解説されておる。勉強会形式で若手薬剤師と一緒に学んでいくような構成になっているから、頭に入りやすいぞい。
勉強会形式なら読みやすそうですね。現場での疑問も解決できそうです。
そうじゃ、これでブランクのある薬剤師であっても患者さんの疑問に自信を持って答えられるようになる。『実践薬学』は、現場で「なぜ?」と感じる疑問を解決するための力をつけてくれる、頼もしい味方じゃよ。
それは魅力的ですね!私も購入して、考え方を鍛えてみたいです。
薬歴の書き方を学び直すのにおすすめの本
次は薬歴の書き方を学び直すのにおすすめの本を紹介するぞい。
とても気になります!
実践薬歴
薬歴の書き方と言ったら『実践薬歴』じゃ。この本は「薬歴」を通して、薬剤師としての考え方を鍛えられる本なんじゃ。薬歴はただの記録じゃなく、患者さんの安全を守るための大切なツールじゃよ。
薬歴って、ただ書くものじゃなくて、考え方を表すものなんですね!でも、どうしてそこまで重要なんでしょうか?
うむ、いい質問じゃ。薬歴には、薬剤師としての「仕事の質」が現れると言われておる。患者さんに合わせて薬をどう選び、どんな指導をするのか、その考え方をしっかりと反映できるのが薬歴なんじゃよ。この本では、薬歴の書き方だけでなく、薬学管理としての実践的な考え方を症例ごとに学べるんじゃ。
なるほど、現場でのケーススタディが載っているんですね!それなら実際の場面でも役立ちそうです。
そうじゃ。例えば「高齢者への糖尿病治療」や「薬物動態学に基づいた服薬指導」のような、よくある症例を通して、どうやって患者さんごとに適切なアセスメントやアドバイスをするかが解説されておる。これで「薬歴をどう書けば良いか」がよくわかるようになるぞい。
それは安心です!特に高齢の患者さんには、しっかり考えた上で指導したいので参考になります。
さらに、この本はただ点数を取るための薬歴ではなく、「患者さんのために薬歴を書く」ということを教えてくれるんじゃ。患者の個人データをどう薬歴に反映させるか、添付文書やガイドラインをどう落とし込むかも詳しく載っておる。
まさに患者さんを守るための薬歴ですね!大学で学ばなかったことが具体的に書かれているのは助かります。
その通りじゃ。薬歴は患者さんの命を守る大切な記録。若手からベテランまで学べる内容で、薬学管理の自信を深めるために大変役立つ一冊じゃ。薬剤師としての誇りを持って薬歴を書けるようになるぞい。
薬歴を書く意味がわかった気がします!私もこの本で学んで、もっと患者さんに信頼される薬剤師になりたいです。
保険調剤の調剤報酬を学び直すのにおすすめの本
次は保険調剤の調剤報酬を学び直すのにおすすめの本を紹介するぞい。
お願いします!
保険調剤Q&A 令和6年版 調剤報酬点数のポイント
お前さん、保険調剤の報酬算定で困ったことはないかの?『保険調剤Q&A 令和6年版』は、そんな時に頼れる1冊じゃよ。この本には、日常業務で生じる疑問点や報酬算定の仕方が詳しくQ&A形式でまとめられておるんじゃ。
確かに、報酬の計算や基準がわからなくて戸惑うことが多いです…。でも、どの項目にどう注意すればいいのかわからなくて。
それなら、この本が役立つじゃろう。令和6年度の調剤報酬改定にも対応しており、基本料や管理料、かかりつけ薬剤師指導料など、改定内容を網羅して解説しておるから、最新の情報もバッチリだぞい。
それは安心ですね。最新の報酬制度に対応しているなら現場でもすぐに使えそうです。
うむ、加えて、この本には疑義解釈通知が年度別に整理されている「資料」も付いておる。これで、なぜその算定が必要なのか、その根拠もわかりやすく確認できるんじゃよ。
疑義解釈通知も載っているんですね!それなら、調剤報酬の根拠も理解できて、ただ計算するだけじゃなく、なぜそうなるのかを説明できそうです。
そうじゃろう。この本は長年、保険薬局で愛読されてきた定番じゃから、実務に直結する情報が満載じゃ。現場での疑問を一気に解決してくれる強い味方になるぞい。
現場で困った時にすぐ確認できるのは心強いですね!これがあれば日々の業務も安心して進められそうです。
そうじゃな。『保険調剤Q&A』は、まさに保険調剤を行う薬剤師のバイブルとも言える存在じゃよ。算定の疑問が出た時に役立つだけでなく、正確で効率的な業務に繋がるはずじゃ。
終わりに
これまで紹介した本はどれも、薬剤師として成長するための強力な味方じゃったろう?『今日の治療薬』で最新の医薬品情報をキャッチアップし、『薬効別服薬指導マニュアル』で服薬指導の実践力を磨き、『実践薬学』で薬の考え方を深め、『実践薬歴』で薬歴の重要性を再確認する。そして最後に、『保険調剤Q&A』で調剤報酬の疑問をスッキリ解決じゃ。
どの本も、現場での悩みに応えてくれる内容ばかりですね。ブランクのある薬剤師にとって、これらの本はとても役に立ちそうです。
そうじゃろう。これらの本は単なる情報の集まりではなく、薬剤師としてのスキルを磨き、患者さんに寄り添うための心強い支えじゃ。いずれもベテラン薬剤師が愛用する実用書であり、薬剤師としてのキャリアに必ず役立つはずじゃよ。
ブランクのある薬剤師さんは、ぜひ購入して、日々の業務に活かしてほしいですね!
そうじゃな。知識を深め、患者さんに信頼される薬剤師を目指して、これらの本をぜひ手に取ってみおくれ。きっと、役に立つはずじゃよ。