体表面積(BSA)の計算式はどれを使う?
DuBois式・藤本式・新谷式
の違いと使い分けを解説
体表面積の計算機を使うと複数の結果が出て迷うことはありませんか?
式の違いや実務での選び方をわかりやすく解説します。
体表面積(BSA)の計算式は、用途によって使い分けます。体表面積あたりの投与量(mg/m²)で用量が設定されている薬剤では DuBois 式が参照されることが多く、栄養・代謝の評価では日本人向けに作られた藤本式が用いられてきました。新谷式は DuBois 式と同じ構造で日本人データから係数を求めた式です。




式を作る対象集団や設計思想が違うから、結果に少し差が出るんじゃよ。今日は代表的な3つの式の違いをマスターしよう!
体表面積の代表的な3つの計算式
01|DuBois式(デュボア式)



一方で、もともとはごく少数の対象者データから導かれた古典的な式であるがゆえに、後年になって妥当性の再検討も行われておるんじゃ[3]。日本人データをもとに作られた式と比較すると、推定値に差が出ることがあるのもうなずけるじゃろ。
02|藤本式



DuBois式とは「身長と体重のべき乗(指数)」そのものが違うから、単なるおまけではなく、日本人独自の式と言えるぞ[1][2]。栄養や代謝の文脈では、この藤本式が参照されてきた経緯があるんじゃ。
03|新谷式



だからDuBois式の形を保ったまま日本人向けに調整した式と理解しやすい。ちなみに同じ身長・体重で計算すると、DuBois式より少し大きめの値になりやすい傾向があるのう。
その他の計算式(Mosteller式・Haycock式など)


Mosteller式は「√(身長 × 体重 ÷ 3600)」という非常にシンプルな式で、暗算しやすいことから海外の臨床現場で広く使われておるんじゃ。Haycock式は小児を対象としたデータから作られた式として知られておる[5]。


簡単な比較と、実際の計算結果の違い

- DuBois式: 一番古典的で薬の用量計算によく使われる
- 藤本式: 日本人の実測データで、栄養・代謝によく使われる
- 新谷式: DuBois式と同じ指数で係数だけ調整したもの

| 体格 | DuBois式 | 藤本式 | 新谷式 |
|---|---|---|---|
| 小柄 150cm / 45kg | 1.370 m² | 1.335 m² | 1.403 m² |
| 標準 170cm / 65kg | 1.754 m² | 1.707 m² | 1.796 m² |
| 大柄 180cm / 90kg | 2.099 m² | 2.049 m² | 2.150 m² |
| 肥満 165cm / 100kg | 2.061 m² | 2.027 m² | 2.111 m² |


じゃが、高度な肥満、るい痩(極端に痩せている)、小児などの場合は差が大きく出やすいから、「どの式で計算しているか」を把握しておくことが大切なんじゃよ。
場面別の使い分け。結局どう選べばいい?


薬の用量計算では「DuBois式」を第一候補に

まずはDuBois式を第一候補とするのが実務的じゃ。


基本はDuBoisじゃが、必ず添付文書、適正使用ガイド、院内レジメンや施設のルールを確認することが鉄則じゃぞ!
栄養・代謝の文脈では「藤本式」を検討



肥満患者の場合の注意点


そのため、施設によっては理想体重(IBW)や補正体重(AdjBW)を用いて用量を調整するルールが設けられていることがある。


大切なのは、肥満患者の体表面積計算では「実体重をそのまま使ってよいか」を必ず確認するということじゃ。添付文書や施設のプロトコルに従うのが鉄則じゃよ。
よくある質問
Q. DuBois式と藤本式で結果が違うのですが、どちらが正しいですか?
A. どちらが「正しい」というものではなく、対象とした集団や用途が異なります。DuBois式は世界的に広く使われ、薬の用量計算で基準となることが多い式です。藤本式は日本人の実測データから作られており、栄養・代謝の評価で参照されてきました。標準体格の成人では差は2〜3%程度ですが、施設や添付文書の指定がある場合はそれに従いましょう。
Q. 新谷式はどんな場面で使われますか?
A. 新谷式はDuBois式と同じ指数構造を持ちながら、日本人向けに係数を調整した式です。DuBois式の枠組みを保ちつつ日本人データに合わせたい場合に参照されることがあります。ただし、DuBois式や藤本式と比べると使用される場面は限定的です。
Q. 肥満患者の体表面積はどの計算式で求めればよいですか?
A. いずれの計算式でも計算は可能ですが、高度な肥満の場合は実際の体重をそのまま使うと体表面積が過大評価される可能性があります。施設によっては理想体重(IBW)や補正体重(AdjBW)を用いて用量を調整するルールがあるため、必ず施設の取り決めを確認してください。
まとめ

- 薬の用量計算: DuBois式を第一候補にする
- 栄養・代謝の文脈: 藤本式が参照されてきた経緯があるため検討する
- 施設のルールや資料の指定: それを最優先する
- 肥満患者: 実体重をそのまま使ってよいか確認し、必要に応じて補正体重を使用する
- 標準体格では差は少ないが、肥満・小児などでは差が広がるため「どの式を使ったか」を意識する


参考文献
- Du Bois D, Du Bois EF. A formula to estimate the approximate surface area if height and weight be known. Arch Intern Med. 1916;17:863-871.
- 藤本薫喜 ほか. 日本人の体表面積に関する研究 第18篇 三期にまとめた算出式. 日本衛生学雑誌. 1968;23(5):443-450.
- Shuter B, Aslani A. Body surface area: Du Bois and Du Bois revisited. Eur J Appl Physiol. 2000;82(3):250-254.
- Kouno T, Katsumata N, Mukai H, Ando M, Watanabe T. Standardization of the body surface area (BSA) formula to calculate the dose of anticancer agents in Japan. Jpn J Clin Oncol. 2003;33(6):309-313.
- Mosteller RD. Simplified calculation of body-surface area. N Engl J Med. 1987;317(17):1098.
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