CrCl計算機

Cockcroft-Gault式でクレアチニンクリアランス(CrCl)を計算できるツールです。腎機能区分の自動判定付きで、腎排泄型薬剤の投与量調整に活用できます。
1患者情報の入力

性別

年齢

体重

kg

血清クレアチニン

mg/dL
2計算結果

必須項目を入力すると
Cockcroft-Gault式による結果が表示されます

新人
先生、CrCl(クレアチニンクリアランス)って、腎機能の指標としてよく使いますけど、eGFRとの違いがいまいちよくわからなくて…。計算式の意味や注意点を教えてもらえますか?
先生
うむ、CrClは薬剤師にとって非常に重要な指標じゃ。腎排泄型の薬剤の投与量調整に直結するからのう。
今日はCockcroft-Gault式の基本から、酵素法の補正、eGFRとの使い分けまでしっかり解説するぞ。

クレアチニンクリアランス(CrCl)とは

先生
クレアチニンクリアランス(CrCl)とは、腎臓が血液中のクレアチニンをどれだけ除去できるかを示す指標じゃ。糸球体濾過量(GFR)の近似指標として、腎機能の評価に使われるぞ。
新人
薬剤師の実務では、どういう場面で使うんですか?
先生
主に腎排泄型薬剤の投与量調整じゃな。抗菌薬やDOACなど、腎機能に応じて用量を変える薬は多いじゃろ?その判断基準としてCrClが使われるんじゃよ。

Cockcroft-Gault式とは

先生
CrClを推算する代表的な式がCockcroft-Gault式じゃ。1976年にCockcroftとGaultが報告した式で、血清クレアチニン値・年齢・体重・性別からCrClを簡易的に算出できるんじゃ[1]

Cockcroft-Gault式
CrCl(mL/min)=(140 − 年齢)× 体重(kg)÷(72 × 血清Cr(mg/dL))
※ 女性の場合は算出値に × 0.85

新人
蓄尿しなくても計算できるのは便利ですね!
先生
そうじゃ。蓄尿が不要なため、日常の臨床業務で最も広く使われている推算式なんじゃよ。多くの薬剤の添付文書でも、この式による腎機能評価が基準として採用されておる。

酵素法で測定された血清Crの補正について

新人
先生、Cockcroft-Gault式に入れる血清Crの値って、そのまま使っていいんですか?「+0.2の補正が必要」って聞いたことがあるんですけど…。
先生
よい質問じゃ。Cockcroft-Gault式はもともとJaffe法で測定された血清Cr値をもとに作られた式なんじゃ[1]
新人
今の日本の病院って、ほとんど酵素法ですよね?
先生
その通り。酵素法はJaffe法よりも約0.2 mg/dL低い値を示す傾向があるんじゃ。そのため、酵素法で測定された血清Cr値には「+0.2 mg/dL」の補正を加えてからCockcroft-Gault式に代入する方法が提唱されておる。
新人
じゃあ常に+0.2すればいいんですか?
先生
いや、そう単純ではないぞ。補正の要否は施設や添付文書の記載によって異なるんじゃ。例えば、添付文書に「酵素法の値をそのまま使用」と明記されている薬剤もある。投与量調整の判断には、必ず各薬剤の添付文書やガイドラインの推奨を確認することが大切じゃ。

eGFRとCrClの違い・使い分け

新人
先生、eGFRとCrClって何が違うんですか?検査レポートにはeGFRしか載っていないことも多いですよね。
先生
うむ、ここは非常に大事なポイントじゃ。両方とも腎機能の指標じゃが、単位と用途が違うんじゃよ。
  • eGFR — 体表面積で補正された値(mL/min/1.73m²)。CKDの診断・ステージ分類に使用
  • CrCl(Cockcroft-Gault式) — 体表面積補正なしの値(mL/min)。多くの薬剤の添付文書で投与量調整の基準として採用
新人
なるほど、eGFRは病気の診断用で、CrClは薬の用量調整用ということですね。
先生
そういうことじゃ。特に腎排泄型の抗菌薬やDOACなどでは、CrCl(Cockcroft-Gault式)が指定されていることが多い[2]。添付文書がどちらの指標を基準にしているかを確認するのが鉄則じゃぞ。

腎機能区分の基準値

新人
CrClの値が出たあと、腎機能がどのレベルかを判断する目安はありますか?
先生
CrClの値に基づく腎機能区分の目安を表にまとめておこう。ただし、薬剤の添付文書による用量調整の基準と必ずしも一致しない場合があるから、個別の薬剤については添付文書を確認するんじゃぞ。
区分CrCl臨床上の留意点
正常90 mL/min 以上通常用量で投与可。腎毒性薬に注意
軽度低下60〜89 mL/min通常用量で投与可。腎毒性薬に注意
中等度低下30〜59 mL/min多くの薬剤で減量・投与間隔延長が必要
高度低下15〜29 mL/min禁忌薬の確認必須。透析導入を視野に入れた設計を
腎不全15 mL/min 未満透析患者に準じた投与設計。禁忌薬多数
新人
こうやって表で見ると、CrCl 30を境に対応が大きく変わるんですね。
先生
そうじゃ。特にCrCl 30 mL/min未満では禁忌になる薬剤が増えてくるから、処方監査の際は十分注意するんじゃぞ。

肥満患者・高齢者のCrCl計算の注意点

肥満患者の場合

新人
先生、肥満患者さんのCrClを計算するときは何か気をつけることはありますか?
先生
よい質問じゃ。肥満患者では実体重を用いるとCrClが過大評価されることがあるんじゃ。Cockcroft-Gault式には体重が含まれるから、体重が大きいほど値が高く出てしまう。
新人
じゃあどうすればいいんですか?
先生
BMI 30以上の患者では、理想体重(IBW)補正体重(ABW)を用いた計算が推奨される場合があるぞ。

補正体重(ABW)の計算式
ABW = IBW + 0.4 ×(実体重 − IBW)

先生
ただし、この補正の要否や係数は薬剤・施設によって異なるから、必ず添付文書やガイドラインの推奨に従うことが大切じゃ。

高齢者の場合

新人
高齢者のCrCl計算でも注意点はありますか?
先生
あるぞ。高齢者は筋肉量が少ないため、血清Cr値が低く出やすいんじゃ。すると、実際の腎機能よりもCrClが高く算出されてしまう。
新人
つまり、見かけ上は腎機能が良く見えてしまうということですね。
先生
その通り。特に痩せ型の高齢者ではCrClの過大評価に要注意じゃ。必要に応じて補正体重を使用するなど、臨床状態を総合的に判断することが大切じゃよ。

まとめ

新人
先生、ありがとうございます!CrClについてよくわかりました。
薬剤師のための CrCl計算のポイント
  • Cockcroft-Gault式が薬剤の投与量調整で最も広く使われる推算式
  • 酵素法のCr値には+0.2 mg/dLの補正が必要な場合がある(施設・添付文書により異なる)
  • eGFRはCKD診断用、CrClは薬の用量調整用。添付文書の基準を確認する
  • 肥満患者では実体重によるCrClの過大評価に注意し、補正体重の使用を検討する
  • 高齢者では筋肉量低下による血清Cr低値でCrClが過大評価されやすい
先生
うむ、完璧じゃな。CrClの値だけに頼るのではなく、患者の体格や年齢、臨床状態を総合的に判断するのが薬剤師の腕の見せどころじゃぞ。
新人
はい!処方監査のときにしっかり活かします!

参考文献

  1. Cockcroft DW, Gault MH. Prediction of creatinine clearance from serum creatinine. Nephron. 1976;16(1):31-41.
  2. 日本腎臓学会. エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023.
  3. 日本腎臓病薬物療法学会. 腎機能別薬剤投与量POCKET BOOK.
※ 本ツールの計算結果は参考値です。実際の投与量調整は、添付文書・ガイドライン・患者の臨床状態を総合的に判断して行ってください。本ツールの使用によって生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いかねます。

よくある質問

Q. CrClとeGFRの違いは何ですか?

A. CrCl(Cockcroft-Gault式)は体表面積補正なしの値(mL/min)で、多くの薬剤の添付文書で投与量調整の基準に使われています。一方、eGFRは体表面積で補正された値(mL/min/1.73m²)で、CKDの診断・ステージ分類に用いられます。薬剤の用量調整では、添付文書がどちらの指標を基準にしているか確認することが重要です。

Q. 酵素法で測定された血清Crに補正は必要ですか?

A. Cockcroft-Gault式はJaffe法の測定値を前提に作成されています。酵素法はJaffe法より約0.2 mg/dL低い値を示す傾向があるため、酵素法の測定値に+0.2 mg/dLの補正を加える方法が提唱されています。ただし、補正の要否は施設の方針や添付文書の記載によって異なります。

Q. 肥満患者のCrClはどう計算すればよいですか?

A. 肥満患者では実体重を用いるとCrClが過大評価されることがあります。BMI 30以上の患者では、理想体重(IBW)や補正体重(ABW = IBW + 0.4 ×(実体重 − IBW))を用いた計算が推奨される場合があります。対象薬剤の添付文書やガイドラインの推奨に従ってください。

Q. 高齢者のCrClで注意すべき点はありますか?

A. 高齢者は筋肉量が少ないため、血清Cr値が低く出やすく、実際の腎機能よりも高くCrClが算出されることがあります。特に痩せ型の高齢者では、CrClの過大評価に注意が必要です。必要に応じて補正体重を使用するなど、臨床状態を総合的に判断してください。

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