薬剤師に向いてないかも、薬剤師になりたくないかも。薬学生・薬学部の学生が進路相談・キャリア相談できる場所を、大学内(キャリアセンター・研究室)と大学外(就活エージェント・キャリアカウンセラー)に分けて比較。相談先の選び方と活用法を解説します。
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読者からの相談 薬学部5年生です。実務実習を終えてから、薬剤師に向いてないかもと感じています。進路について誰かに相談したいのですが、こんな悩みをどこに相談すればいいのかわかりません。薬学生の進路相談ってどこにすればいいんでしょうか。「薬剤師になりたくない」なんて相談しても大丈夫なんでしょうか。
📌 この記事のポイント
薬学生の進路相談は「まだ決まっていない」状態でもOKで、大学内・大学外に複数の相談先がある 相談先ごとに得意な領域と注意点が異なるため、「実習の悩みを整理したい」「具体的な求人を探したい」など目的に合わせて使い分けるのが効果的 「薬剤師になりたくない」という相談も問題なく、5年生のうちに方向性を整理しておくことで6年生の就活・国試対策に余裕が生まれる 1 薬学生の進路相談は「まだ決まっていない」状態でもOK 2 薬学生が大学内で進路相談できる場所 3 薬学生が大学外で進路相談できる場所 4 薬学生の進路相談先の選び方 5 進路相談の前に整理しておくとよいこと 6 まとめ:薬学生の進路相談は「迷っている段階」からでOK 薬学生の進路相談は「まだ決まっていない」状態でもOK まず最初に伝えておきたいことがある。「薬剤師になりたくないなんて相談していいのだろうか」「まだ何も決まっていないのに相談するのは申し訳ない」と感じている方がおるかもしれんが、まったく問題ないぞ。
えっ、何も決まっていない状態で相談に行ってもいいんですか? 「周りはもう就活を進めているのに、自分だけ取り残されている」と感じている薬学生は多そうですよね。
その焦りはよくわかる。薬学教育協議会の就職動向調査(2025年3月卒)を見てみよう。6年制学科の卒業生は9,233人。多いのは保険薬局の2,549人(27.6%)と、ドラッグストアの調剤部門の1,672人(18.1%)じゃ。病院では私立大学付属病院・一般病院の薬剤部が1,247人(13.5%)と最も多い。
やっぱり薬局と病院が中心なんですね。学生のうちは、その2つ以外の進路がなかなか見えてこない気もします。
ところが同じ調査には、その先も並んでおってな。医薬品関連企業の開発・学術に295人、研究・試験・製造に184人、医薬情報担当者(MR)に164人。大学院への進学も212人じゃ。薬局・病院以外の道を選ぶ人も、毎年これだけおるということじゃな。迷っているのは、むしろ自分の将来を真剣に考えている証拠じゃよ。
そんなに人数がいるんですね。それを聞くと少し安心します。
進路相談は「こうしたい」が決まっている人だけのものではない。「何がしたいかわからない」「選択肢を知りたい」「考えを整理したい」。そういった相談の方がむしろ多い。ワシも薬学部を卒業するとき、薬局に行くか病院に行くか最後まで迷った。当時は相談先が限られていたが、もっと早く誰かに話していれば、視野が広がったと思うことがあるよ。
先生でも迷ったことがあるんですね。話すだけでも意味はありそうですか?
大いにあるぞ。一人で考えて堂々巡りになっているなら、誰かに話してみることで自分では気づかなかった気持ちや選択肢が見えてくる。5年生の今なら、まだ動き方を修正する時間は十分あるからの。
薬学生が大学内で進路相談できる場所 実務実習が終わって「このまま薬剤師になるのか?」とモヤモヤしている状態、ワシのところにもそういう相談がよく来る。まずは身近にある大学内の相談先から見ていこう。ハードルが低いところから始めるのがおすすめじゃよ。
キャリアセンター — 薬学生の進路相談の第一歩 まず1つ目は、大学のキャリアセンターじゃ。就職課とも呼ばれるな。予約なしで行ける大学も多く、最もアクセスしやすい相談先じゃ。
キャリアセンターでは、どんなことを相談できるんですか?
就活全般の相談に対応してくれる。求人情報の紹介、エントリーシートの添削、面接対策など、就活の実務的なサポートが得意なところじゃ。費用は無料で、在学中なら何度でも利用できる。
薬剤師以外の就職先についても情報を持っていますか?
「薬局・病院以外に興味がある」と伝えれば、一般企業向けの就活情報を提供してもらえることがある。ただし注意点もあるぞ。総合大学であれば多様な業界の情報があるが、薬科大学の場合は薬局・病院・製薬企業の求人が中心で、異業種の情報は限られることがあるんじゃ。
なるほど。大学の規模によっても、対応できる範囲が変わるわけですね。
ゼミの教授・研究室の先生 — 業界のリアルを知る相談先 教授に進路の悩みを相談するのは、ちょっとハードルが高い気もしますが…。「薬剤師になりたくない」なんて言ったら怒られそう、と感じる学生もいるのでは?
気持ちはわかるが、意外と受け入れてくれる先生も多いぞ。特に、製薬企業やCROに卒業生を送り出している研究室であれば、就職先の雰囲気やキャリアパスについてリアルな情報を聞ける可能性がある。推薦を出してもらえるケースもあるんじゃ。
ただ、先生によっては「せっかく6年間学んだのに」と否定的な反応をされる可能性もありますよね。
そのリスクはあるな。教授の考え方や専門分野によって、提供できる情報の範囲も反応も異なる。事前に研究室の先輩にその教授の雰囲気を聞いておくのも手じゃ。研究職や開発職のキャリアパス、業界の動向を知りたい場合に向いておるが、「進路の迷いを整理する」には向かないこともあるぞ。
先輩にその先生の人柄を確かめてから行く、というのは思いつかなかったです。ちなみに、実習先の指導体制や雰囲気そのものが合わなかった、という話も研究室の先生に持っていっていいんでしょうか。
そこは相手を変えたほうがよい。実務実習のガイドラインでは、実習中の各学生の指導・評価を担当する大学教員(学生担当教員)を配置するとされておる。実習先そのものが気になるときは、この学生担当教員が相談相手じゃ。もちろん費用はかからん。
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薬学生が大学外で進路相談できる場所 「大学の中だけだと、なんとなく視野が狭くなる気がする」と感じたことはないかの? 大学内の相談先では得られない外部の視点がほしい場合、大学外にも頼れる相談先があるぞ。
就活エージェント — 具体的な求人を見ながら進路を考えたい薬学生向け まず1つ目は、就活エージェントじゃ。求人の紹介から選考対策まで一貫してサポートしてくれるサービスで、費用は無料じゃ。オンライン面談に対応しているところも多いぞ。
あるぞ。一般的な就活エージェントに加え、理系向けや医療系に特化したエージェントもある。自分の希望を伝えると、それに合った企業を紹介してもらえるんじゃ。
「薬剤師以外の仕事を具体的に探したい」「どんな求人があるか見ながら考えたい」という段階の人に向いていそうですね。
その通りじゃ。ただし注意点もある。エージェントは企業から紹介手数料を受け取るビジネスモデルなので、紹介先が偏る可能性がある。「なぜこの企業を勧めるのか」を確認し、複数のエージェントを比較するのがよいぞ。また、まだ方向性が定まっていない段階では、エージェントよりもキャリアカウンセラーの方が合っている場合があるんじゃ。
キャリアカウンセラー・キャリア相談サービス — 進路の方向性から一緒に考えてくれる相談先 2つ目は、キャリアカウンセラーじゃ。進路の方向性を一緒に整理してくれる専門家じゃ。
よい質問じゃ。就活エージェントは特定の求人を紹介することが目的じゃが、キャリアカウンセラーは「自分が何を大切にしたいのか」「どの方向に進むのが合っているのか」を整理することに重きを置く。求人紹介ではなく、考えの整理が目的じゃ。
「薬剤師になるべきか、別の道を選ぶべきか」という根本的な問いに向き合いたい人には、カウンセラーの方が合っているかもしれないですね。費用はかかるんですか?
民間のキャリアカウンセラーは有料のところが多い。費用はサービスによって異なるので、事前に確認するとよいぞ。一方、厚生労働省の「新卒応援ハローワーク」は全国56か所にあり、無料で利用できる。就職支援ナビゲーターが担当者制で相談に応じてくれる窓口じゃ。進路について第三者と話してみたい場合は、キャリア相談を活用する方法がある。実習で感じた違和感や、薬剤師以外の選択肢についても相談できるぞ。
💬 オンライン・45分 キャリア相談で方向性を整理する
薬剤師→異業種を経験した相談員が、考えの整理をお手伝いします
先輩薬剤師・OB/OG — 現場のリアルを知りたい薬学生向け 3つ目は、先輩薬剤師やOB/OGじゃ。実際に薬学部を卒業して働いている先輩の話は、何よりリアルで参考になるぞ。
薬剤師として働いている先輩だけでなく、薬剤師以外の道を選んだ先輩の話も聞けるといいですよね。
そうじゃな。大学のOB/OG名簿やゼミのつながり、SNSなどを活用して、話を聞ける人を探してみてほしい。ただし、先輩の話はあくまでその人個人の経験じゃ。「先輩がこう言ったから」で決めるのではなく、あくまで判断材料の一つとして活用するのがよいぞ。
薬学生の進路相談先の選び方 相談先がたくさんあると、逆にどこに行けばいいか迷ってしまいそうですよね。
気持ちはわかる。選び方のポイントは、「今の自分が何を求めているか」で決めることじゃ。整理するとこうなる。
今の状態 おすすめの相談先 費用 そもそもどの方向に進むか決められない キャリアカウンセラー 無料〜有料 就活の進め方を知りたい キャリアセンター、就活エージェント 無料 具体的な求人を見ながら考えたい 就活エージェント 無料 現場のリアルを知りたい 先輩薬剤師・OB/OG 無料 業界の知見や推薦がほしい ゼミの教授 無料 実習先の環境そのものに問題がある 大学の実務実習担当教員(学生担当教員) 無料
うむ。むしろ、段階的に使い分けるのがおすすめじゃ。まずキャリアセンターで情報収集し、方向性が見えてきたら就活エージェントで具体的に動く。こういうステップを踏むと、焦らずに進められるぞ。
5年生の段階で相談を始めるのは、スケジュール的に間に合うんでしょうか?
間に合うぞ。薬学部の就活は、5年生の後半からインターンや自己分析を始めて、エントリーや説明会は5年生の3月頃から。面接や内々定は6年生の夏〜秋にかけてというのが大まかな流れじゃ。5年生の今のうちに方向性を整理しておけば、6年生で国試の勉強と就活を両立する際にも余裕が生まれるぞ。
進路相談の前に整理しておくとよいこと 最後に、相談前に整理しておくとよいことを伝えておこう。事前に少し準備しておくと、話がスムーズに進むんじゃ。
でも、「気持ちがうまく言葉にならない」という人もいると思うんですが、完璧に整理できていなくても大丈夫ですか?
もちろんじゃ。メモ程度で構わん。「うまく話せなかったらどうしよう」と思う必要はないぞ。相談のプロは、まとまっていない話から本質を引き出すことに慣れておるからの。
! 相談前に整理しておくとよいこと
今感じていること — 「薬剤師になりたくない」「向いてないと思う」など、率直な気持ち
きっかけ — 何がきっかけでそう感じるようになったか(実習での経験、授業、就活など)
聞きたいこと — 選択肢を知りたいのか、気持ちを整理したいのか、就活の進め方を知りたいのか
現在の状況 — 学年、就活の進捗、国試の勉強状況
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これくらいならメモできそうです。話しているうちに考えがまとまることもありそうですよね。
ひとつ補足しておくと、迷っておる理由が「お金」の場合は、相談の前にやっておくとよいことがある。留年や休学で学費が増えそうなときは、実際にいくら増えるのかを大学の窓口で先に確定させておくんじゃ。
たしかに、金額がわからないままだと「続けられるかどうか」自体が判断できないですもんね。数字が出ていれば、相談する側も具体的に話せそうです。
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そういうことじゃ。ワシの経験でも、「話しているうちに自分が本当に気にしていることに気づいた」という方は多い。最初の一歩を踏み出すことが一番大変じゃが、それさえできれば、あとは自然と動き出すものじゃよ。
まとめ:薬学生の進路相談は「迷っている段階」からでOK 薬学生の進路相談先と選び方
1 薬学生の進路相談は「まだ決まっていない」状態で相談してまったく問題ない。6年制学科の卒業生9,233人のうち、医薬品関連企業の開発・学術に295人、大学院への進学に212人など、薬局・病院以外へ進む人も毎年おり、迷うのは自然なこと 2 大学内(キャリアセンター・ゼミの教授)と大学外(就活エージェント・キャリアカウンセラー・OB/OG)の5つの相談先があり、目的に応じて使い分ける 3 5年生のうちに方向性を整理しておけば、6年生で国試と就活を両立しやすくなる。まずはキャリアセンターの予約を取るところから始めてみる 最後に整理しよう。薬学生が進路を相談できる場所は、大学内にも大学外にも複数あるんじゃ。どの相談先にも得意な領域と注意点がある。
「まだ何も決まっていない」「こんなことを相談していいのかわからない」と感じていても、相談して問題ないんですよね。
その通りじゃ。むしろ、決まっていないからこそ、第三者に話すことで自分では気づかなかった選択肢が見えてくる。
まずはハードルの低いところから始めるのがよさそうですね。読者の方も、大学のキャリアセンターの予約あたりから動いてみるといいかもしれないですね。
よい判断じゃ。キャリアセンターで情報収集しつつ、もっと根本的な方向性を整理したくなったらキャリアカウンセラーも検討してみてほしい。一人で考え続けて堂々巡りになっているなら、誰かに話してみることが大事じゃ。キャリア相談を活用してみるのも一つの手じゃよ。
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