経験が浅いのに管理薬剤師を任された|不安の正体と着任時に確認すること
公開日:
経験が浅いのに管理薬剤師を任され、引き継ぎもなく不安な方へ。「実務経験5年」の位置づけを厚生労働省の資料と条文から整理し、着任時に会社へ確認すること、引き継ぎがないときに前任者や会社へ確認することをまとめました。
登場キャラクター

薬剤師じいさん
薬剤師歴70年の大ベテラン。病院・薬局・ドラッグストアすべてを経験してきた生き字引。豊富な経験と公的データに基づいて、若手薬剤師の悩みにズバッと答えます。

みさ
新卒2年目の若手薬剤師。病院で働いているけど、年収やキャリアに不安を感じている。全国の悩める若手薬剤師を代表して、気になることをどんどん質問していきます!
💬
読者からの相談
調剤薬局に勤めて3年目の薬剤師です。来月から今の職場の管理薬剤師をやってほしいと上司に言われ、その場で断れずに引き受けました。やる気がないわけではないのですが、調べてみたら「管理薬剤師は実務経験5年以上」と書いてあるサイトばかりで、自分が務まるとは思えません。前任者はもう退職していて引き継ぎもなく、何から手をつければいいのかもわからないままです。
📌この記事のポイント
- 管理薬剤師の「実務経験5年」は一律の資格要件ではなく、会社が人選するときの基準
- 管理薬剤師には書面で意見を述べる義務があり、会社には尊重・措置・記録の義務がある
- 着任してまずやるのは覚えることではなく、権限の範囲と未処理事項を確認すること
まず結論:経験年数だけで違法になるわけではない。そして一人で背負う役職でもない

今日は、管理薬剤師を任されたばかりの若手からの相談じゃ。3年目で、引き継ぎもないまま来月から管理薬剤師じゃそうな。

3年目で管理薬剤師…! しかも前任者がもういないんですね。何から手をつければいいかわからない、というのはそのとおりだと思います。

先に3つ伝えておきたい。1つ目は、実務経験が5年に満たないというだけで、直ちに法律違反になるわけではないということじゃ。

でも、調べると「実務経験5年以上」って必ず出てきますよね? 相談者さんもそこで不安になったみたいですけど。

ここは誤解されやすいところじゃ。あの5年は、管理薬剤師になるための一律の資格要件ではない。会社が人選をするときの基準として、国が示しておるものなんじゃ。

……ということは、5年に届いていないこと自体を、相談者さんが気に病む必要はないんですね。

少なくとも「5年未満の本人が資格要件に違反しておる」と読むのは正確ではない。ただし本人に求められるものが何もないわけでもないので、そこは後で条文を見よう。2つ目は、管理薬剤師は一人で背負う前提の役職ではないということ。薬機法は、管理薬剤師が会社に意見を述べる仕組みを用意しておる。しかもそれは権利ではなく、義務じゃ。

義務…! 「言ってもいい」ではなくて「言わなければいけない」ということですか。それは知りませんでした。

そして3つ目。だからこそ、着任してまずやるべきなのは「全部を一人でできるようになる」ことではない。自分にどこまでの権限があって困ったときに誰へ相談するのかを会社に確認し、前任者が残した未処理の事項を洗い出すことじゃ。

覚えることを増やすんじゃなくて、確認することから始めるんですね。不安が大きいのは、責任の重さに加えて、権限も引き継ぎも見えていないからなのかもしれません。

そのとおりじゃ。不安そのものは無理に消さんでよい。ただ、その重さは抱え方を変えられる。ここから順に見ていこう。
「実務経験5年」は、あなたではなく会社に向けられた基準

まずは、その「5年」がどこから来ておるのかをはっきりさせておこう。なお法令では、この役割を「薬局の管理者」と呼ぶ。一般に管理薬剤師と呼ばれておるものと同じじゃ。
ガイドラインが求めているのは、会社側の「選任の判断」

出どころは、厚生労働省の「薬局開設者及び医薬品の販売業者の法令遵守に関するガイドライン」じゃ。令和3年6月25日付、薬生発0625第13号という通知で示されておる。

ガイドラインというのは、法律の条文とは別のものですよね?

別じゃ。法律の条文そのものではなく、会社が法令を守る体制をどう整えるかを国が示した文書じゃな。管理者の選任については、こう書かれておる。「薬局開設者においては、こうした管理者の選任義務を適切に果たすため、原則として、管理者は薬局における実務経験が少なくとも5年あり、(中略)認定された薬剤師であることが重要である」

……あ、主語が「薬局開設者においては」から始まっている。薬剤師本人に向けた文章じゃないんですね。

よい着眼じゃ。これは会社が管理者を選ぶときに満たすことが重要とされておる水準であって、「5年に満たない薬剤師は管理者になれない」という資格要件ではない。薬機法にも、管理薬剤師になるための一律の経験年数は定められておらん。

じゃあ、3年目で管理薬剤師になったこと自体が法律違反になるわけではないんですね。冒頭の相談者さんが見ていた「5年以上」は、そもそも相談者さんに向けられた基準ではなかった、と。

そういうことじゃ。もっとも、「5年に意味がない」とか「本人には何も求められておらん」という話ではないぞ。ここは正確に見ておこう。
本人にも「必要な能力及び経験」は求められている(薬機法第7条第3項)

薬機法第7条第3項は、薬局の管理者について、第8条の義務や省令で定める業務を遂行し、遵守事項を守るために「必要な能力及び経験を有する者でなければならない」と定めておる。

本人側にも要件はあるんですね……。年数の話ばかり見ていたので、そこは知りませんでした。

そこが大事な線引きでな。固定された年数が要件なのではなく、業務を行える能力と経験が要件なんじゃ。そして、それを備えた人を選ぶ責任は会社の側にある。

「5年ないから自分は違反している」ではなくて、「務まる人を選ぶ責任は会社にある」ということですね。安心していい部分と、そうでない部分がはっきりしました。
判断の軸は年数だけではなく「その権限の業務を行える人か」

同じガイドラインは、会社が管理者を選ぶときの判断について、もう少し踏み込んだことも書いておる。「当該権限に係る業務を行うことができる知識、経験、理解力及び判断力を有する者かどうかを客観的に判断しなければならない」とな。

年数ではなくて、「その仕事ができる人かどうか」を会社が判断しなさい、ということですか。

そうじゃ。しかも、その前提として「管理者にどこまでの権限を与えるか」を決めておけ、とも書かれておる。さらに「責任役員に対して忌憚なく意見を述べることができる職務上の位置付けを有するかどうかについても、十分に考慮しなければならない」と続くんじゃ。

忌憚なく意見を述べられる立場かどうか、まで会社が考えなきゃいけないんですね……。経験年数だけで判断するのではなく、権限が与えられているかと意見を言える立場にあるかまで見るということですね。

そこじゃ。そしてこの2つは、相談者さんが一人で解決できることではない。会社と確認していくことじゃ。
あなたが引き受けたのは「管理」という役割

不安を整理するために、次は「自分が何を引き受けたのか」を見ておこう。

恥ずかしながら、私は病院にいるので、薬局の管理薬剤師が具体的に何を負っているのかは国家試験で習った範囲しか知りません。

薬機法第8条第1項が定めておる。保健衛生上支障を生ずるおそれがないように、その薬局に勤務する薬剤師その他の従業者を監督すること。薬局の構造設備及び医薬品その他の物品を管理すること。そして、その薬局の業務につき必要な注意をすること。大きく3つじゃな。

一緒に働く人を監督すること、設備と医薬品を管理すること、業務全体に必要な注意を払うこと……ですか。

そのとおりじゃ。麻薬や向精神薬の帳簿、行政の立入検査への対応も、この「管理」の中に入ってくる。

どれも重たいですね。ただ、こうして並べてみると……調剤の正確さや服薬指導の上手さとは、種類が違う仕事のような気がします。

よう気づいた。処方監査の精度や服薬指導の引き出しは、経験年数とともに伸びていく。じゃが管理という役割は、年数が長ければ自動的にできるようになるものではないんじゃ。

「経験が浅いから管理薬剤師に向いていない」と考えてしまいがちですけど、経験年数の長さと、管理という仕事のうまさは、そのまま比例するわけではないんですね。

そうじゃ。わしが調剤薬局におった頃も、管理の仕事に苦労しておったのは年数の長い者とは限らんかった。ただし、経験が浅ければ判断に迷う場面が増えるのは確かでな。

そこは正直に見ておいたほうがいいですよね。迷う場面が増えるとわかっているなら……。

だからこそ、相談先と支援体制を先に確認しておくことが効いてくる。迷ったときに聞ける相手が決まっていれば、経験の浅さはそこで埋められるんじゃ。
あわせて読みたい
管理薬剤師の責任が重すぎてしんどい・辞めたいときの対処法
管理薬剤師の責任を「法律で避けられない分」と「仕組みの不備で過剰に背負った分」に分けて整理。責任の中身をもっと詳しく知っておきたい方向け
管理薬剤師が一人で抱えないための仕組みは、法令の側にある

さて、ここがこの記事でいちばん伝えたいところじゃ。

管理薬剤師になったばかりだと、「何かあったら全部自分の責任になる」と思ってしまいそうです。

その思い込みを、制度の側から崩していこう。法令は、管理薬剤師が一人で抱え込まないための仕組みを用意しておるんじゃ。
意見を述べるのは、権利ではなく義務

薬機法第8条には、さっきの第1項に続いて第2項がある。「薬局の管理者は、保健衛生上支障を生ずるおそれがないように、その薬局の業務につき、薬局開設者に対し、必要な意見を書面により述べなければならない」という条文じゃ。

「述べることができる」じゃなくて、「述べなければならない」なんですね。語尾が全然違う……。

そこが肝じゃ。人が足りない、この体制では確認が甘くなる、判断に迷う場面がある。そう感じたときに会社へ伝えるのは、経験の浅い自分が出過ぎた真似をすることではない。管理薬剤師の職務そのものじゃ。

遠慮しなきゃいけないことだと思っていたけれど、むしろやらないといけない仕事のほうだったんですね。それがわかるだけで、だいぶ気持ちが違う気がします。
意見は書面で。会社側には措置と記録の義務がある

伝え方も条文に書かれておったのに気づいたかの。「書面により述べなければならない」——記録に残る形にすることが、法律のほうで求められておるんじゃ。

本当だ、条文にそう入っていますね。急ぎのときも書面じゃないとだめなんでしょうか。

厚生労働省のガイドラインは、緊急を要する事項の報告が一次的に口頭で行われることまでは否定しておらん。急ぐことはまず口頭で伝え、あとから書面で残せばよい。そして、意見を受け取った会社の側にも義務があるぞ。

会社側にも……?

薬機法第9条第2項じゃ。開設者は、管理者が述べた意見を尊重し、法令遵守のために措置を講ずる必要があるときは措置を講じ、講じた措置の内容を記録して適切に保存しなければならん。

意見を出したら、会社は「検討して、記録に残す」ところまでやらないといけないんですね。

しかもこの条文には括弧書きがあってな。「措置を講じない場合にあつては、その旨及びその理由」も記録して保存せよ、と書かれておる。対応しなかったこと自体を、理由つきで記録に残さねばならんのじゃ。

対応しないなら、対応しない理由を残す。それは……かなり重いですね。

じゃから、休憩室で「人、足りないですよね」と口にするのと、書面で意見として出すのとでは、会社側に求められる検討や記録の扱いが変わってくる。

同じことを言っているようで、届き方が別物なんですね。書面といっても、メールでいいんでしょうか。

そこは会社に確認するのが確実じゃ。社内に意見書や報告書の様式、ワークフローの指定があるならそれに従う。指定がなければ、内容と提出日が後から確認できる形で出す。大事なのは「言った・言わない」にならんことじゃ。

提出したあと、自分の手元には何も残らなくても大丈夫なんでしょうか。

よい心配じゃ。実は、薬機法施行規則第11条第2項第2号が、管理者の遵守事項として「開設者に対して述べる意見を記載した書面の写しを3年間保存すること」を定めておる。写しを持っておくのは、あなた自身の職務なんじゃ。

自分で保存することまで決まっているんですね……! 会社任せにしなくていいというのは、心強いです。

わしが見てきた中でも、口頭で何度も言うておった話が、書面にして初めて本部が動いた例はあった。これは会社と対立するための道具ではない。現場の状況を、記録が残る形で経営側に届けるための正規のルートじゃ。
権限の範囲を明確にするのは、会社の仕事

会社側の義務はもうひとつある。薬機法第9条の2第1項第1号は、薬局開設者が講じる措置として「薬局の管理に関する業務について、薬局の管理者が有する権限を明らかにすること」を挙げておるんじゃ。

管理薬剤師の権限をはっきりさせるのは、会社の努力目標じゃなくて法律上の義務なんですね。

そうじゃ。ガイドラインは中身も示しておってな。従業者への業務の指示および監督、帳簿の記載など薬局の管理、設備や医薬品などの物品の管理に関する権限じゃ。これらの範囲を明確にして社内に周知することが必要とされておる。もうひとつ、実務でよく問題になる点も書かれておるぞ。薬局には薬機法上の管理者とは別に「店長」「薬局長」といった肩書きの人が置かれていることがあるが、そうした場合でも薬機法上の管理に関する権限は管理者にある、という点じゃ。

肩書きが上の人がいると、管理薬剤師のほうが遠慮してしまいそうですね。だからこそ、権限と指揮命令系統をはっきりさせておく必要があるということですか。

そういうことじゃ。これは、年上のスタッフや先輩に指示を出すことへの不安にもつながる。「自分より経験のある人に指示なんて出せない」と感じるのは自然じゃが、権限の範囲が社内で共有されていれば、その指示は個人的なお願いではなく職務になる。

人間関係の力でどうにかする話ではなくて、会社に権限を明確にしてもらう話なんですね。そう聞くと、少し肩の力が抜けます。
着任したら、まず会社に確認したい5つのこと

ここまでを踏まえて、着任時に会社へ確認したいことを整理しておこう。すでに着任しておるなら、今からで構わん。どれもメール1通から始められる。
!着任したら会社に確認する5つのこと
- 自分に与えられた権限の範囲はどこまでか(発注・在庫・人員配置・業務指示のどこまでを決めてよいか)
- 「店長」など別の肩書きの人がいる場合、その人と管理薬剤師の指揮命令系統はどうなっているか
- 会社へ意見を上げるときの相手と方法(誰宛てに、どの形式で出すのか)
- 判断に迷ったときの相談先(エリアマネージャー、本部の薬事担当など、名前と連絡先まで)
- 正式な意見申述として扱われる提出方法と、提出した書面の写しの保存場所

相談先を「名前と連絡先まで」というのが具体的でいいですね。「本部に聞いてください」だけだと、いざというとき誰に連絡すればいいか迷いそうです。

そこが抜けておると、判断が必要な場面で止まってしまうからのう。すでに着任して数か月経っておっても、「引き継ぎがないまま始めてしまったので、あらためて整理させてください」と前置きすれば、不自然な質問にはならん。

途中からでも聞いていいんですね。実際に動いた人の例って、何かありますか?

実際の相談をもとにした、仮の進め方で考えてみよう。3年目で管理薬剤師になった人が、まず権限の範囲についてエリアマネージャーへメールで質問したとする。返信が「常識の範囲で判断してほしい」という曖昧なものじゃったら、どうするか。

そこで諦めてしまいそうです……。「常識の範囲」と言われたら、聞き返しづらい気もします。

そこで、発注の上限額と人員配置の決定権という2点に絞って、もう一度確認する。範囲を狭めて聞き直すと、会社も答えやすくなるんじゃ。

曖昧な返事で終わらせずに、絞って聞き直すのがポイントなんですね。

そのうえで、確認の工程が省略されがちな時間帯があることを書面で本部へ伝える。権限の確認と意見の提出は、並行して進めてよい。とくに保健衛生上の懸念があるものは、権限の回答を待たずに報告する。意見を述べるのは第8条第2項の義務じゃからのう。急ぐことはまず口頭で伝え、そのあと書面にして記録に残せばよい。

権限がわからないから黙っておこう、が一番まずいんですね。急ぐものは先に伝えて、あとから形を整える——そう考えると動きやすいです。
引き継ぎがないまま管理薬剤師になったら、何を確認するか

ここまでは会社への確認じゃった。じゃが冒頭の相談者さんは、前任者が退職済みで引き継ぎがない。管理者は薬局を実地に管理する立場じゃから、引き継ぎがないということは、前任者が抱えていた未解決の事項がそのまま自分に移っておるかもしれんということじゃ。

知らないうちに引き継いでいる、というのが一番怖いです。何を聞けばいいんでしょうか。
!引き継ぎがないときに、会社や前任者へ確認したいこと
- 前任者から会社へ引き継がれた未処理の事項が残っていないか
- 過去の立入検査や社内監査で指摘を受けた事項と、その対応状況
- 現在進行中の事故・ヒヤリハット・患者からの苦情の有無
- 業務手順書や社内規程がどこに保管され、最新版はどれか
- 前任者が会社へ提出した意見書面の写しが残っていないか

最後の「前任者が出した意見書面」というのは、どうして確認するんですか?

前任者が同じ問題をすでに会社へ上げておった場合、その記録が残っておるからじゃ。以前から指摘されていた問題だとわかれば、あなたの意見も一度きりの訴えではなくなる。

自分ひとりが騒いでいるわけじゃない、と示せるんですね。前の人の記録が味方になるとは思いませんでした。

そして、確認した結果を「自分で対応できること」と「会社の判断が要ること」に分ける。後者を書面にして出せば、着任直後にやるべきことはひととおり片づく。

全部を一人で背負い込まずに、線を引いてから渡すんですね。それなら初日からでも動けそうです。
意見を上げても何も示されないなら、それは体制の問題

ここまでのことをやってみても、状況が変わらん職場もある。次のような状態が続くなら、それは相談者さんの力不足ではないぞ。

手順を踏んでも何も変わらないとなると、気持ちが折れてしまいそうです……。どういう状態が続いたら、そう考えていいんでしょうか。

書面で意見を提出しても、受領されたのか、誰が検討するのか、今後どう扱われるのかが一切示されない。権限の範囲を尋ねても社内の誰も答えられない。肩書きと実際の指揮命令が食い違ったままになっておる。判断が必要な場面を、すべて一人に投げられる。このあたりじゃな。

法令が会社に求めていたのは、権限を明確にして、意見を尊重して、対応するかしないかを記録することでしたよね。その入り口すら動いていないということは……。

整えるべき側が整えておらん、ということになる。そのうえで支えのある職場を探すなら、業態だけで判断せず、職場ごとの体制を3つの層で見るとよい。制度として、管理薬剤師の権限と指揮命令系統が文書で決まっているか。人員として、管理薬剤師が一人で判断を抱え込まない人数配置になっているか。運用として、薬事の相談先が社内に実在して、実際に機能しているか。

制度・人員・運用……。ただ、そういうことって求人票には書かれていない気がします。

求人票だけでは確認しにくいことが多いのう。じゃから、面接や転職サイトの担当者を通じて聞くことになる。こういう質問じゃ。
- 管理薬剤師の権限の範囲は、文書で定められていますか
- 管理薬剤師が判断に迷ったとき、社内の誰に相談できますか
- 管理薬剤師が意見を出したあと、会社としてどう対応する流れになっていますか

これなら聞きやすいですね。年収や休日の条件とは別に、こういう質問を持っておくといいんですね。

今の職場で改善を求めても支援体制が整わないなら、次の職場では権限・相談先・人員体制を先に確かめておきたい。求人票だけで判断しにくい部分は、薬剤師の職場事情に詳しい担当者に確認してもらう方法もあるぞ。
比較ガイド
薬剤師転職サイトの選び方・使い方
登録から内定まで、自分に合うサイトの選び方を解説
まとめ:不安の正体は、権限と引き継ぎが見えていないこと
この記事のまとめ
- 1「実務経験5年」は会社の人選の基準で、一律の資格要件ではない
- 2ただし本人にも「必要な能力及び経験」は求められ、選ぶ責任は会社にある
- 3意見申述は義務。会社には尊重・措置・記録の義務があり、写しは自分で3年保存する
- 4着任後は権限と相談先、前任者の未処理事項を確認することから始める
- 5確認しても何も示されない職場は、本人の力不足ではなく体制の問題

管理薬剤師になったばかりで不安を感じるのは、責任の重さがわかっておるからじゃ。加えて、権限も引き継ぎも見えていないからでもある。

後ろ半分は、確認すれば見えるようになる不安なんですね。それだけでもずいぶん違います。

うむ。権限の範囲と相談先を確認し、前任者の残したものを洗い出し、必要なことは記録に残る形で会社に伝える。それも管理薬剤師の仕事の一部じゃ。一人で背負う必要はない。それでも体制が変わらんときは、支えのある環境を探すのも立派な選択じゃぞ。

「一人で頑張らなきゃ」と思っていたところから、「まず確認することから始めよう」に変わるだけで、明日やることが見えてきそうです。
比較ガイド
薬剤師転職サイトの選び方・使い方
登録から内定まで、自分に合うサイトの選び方を解説