アバスチン点滴静注用に神経線維腫症2型の効能・用量を追加
薬の概要
- 販売名
- アバスチン点滴静注用 100 mg/4 mL、同点滴静注用 400 mg/16 mL
- 一般名
- ベバシズマブ(遺伝子組換え)
何が変わったのか
アバスチンは、vascular endothelial growth factor(VEGF:血管内皮増殖因子)に結合して血管新生を抑える抗VEGF抗体です。これまで治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌など複数のがんに使われてきましたが、今回、新たに神経線維腫症2型(neurofibromatosis type 2:NF2、神経線維腫症2型)が効能・効果に追加され、あわせて用法・用量も設定されました。 追加された効能・効果は「神経線維腫症2型」です。審査報告書では、NF2のうち前庭神経鞘腫を有する患者を対象に有効性が示され、ベネフィットを踏まえると安全性は許容可能と判断されています。 NF2に対する用法・用量は、成人にベバシズマブとして1回5 mg/kgを2週間間隔で点滴静脈内注射する内容です。国内第Ⅱ相試験では、この用法で投与し、聴力と腫瘍体積の両面を評価しています。
実務上のポイント
処方監査では、今回の適応がNF2であり、対象は前庭神経鞘腫を有する患者を想定している点を確認する必要があります。臨床試験では前庭神経鞘腫以外の病変に対する有効性と安全性は検討されていないため、適応の当てはまりを意識して確認することが大切です。 用量は成人に1回5 mg/kg、2週間間隔です。既承認効能で使う場合と同様に、血圧、尿蛋白、出血、血栓塞栓症、創傷治癒遅延などの安全性に注意します。 特にNF2では、脳腫瘍部位からの出血と、手術前後の創傷治癒への影響が論点です。手術予定の有無、術創の状態、本剤の休薬や再治療のタイミングは、処方時にあわせて確認するとよいです。 また、妊婦または妊娠している可能性のある患者では、原則として投与回避を基本とし、治療上の有益性が危険性を上回る場合に限って投与する考え方が示されています。妊娠可能年齢の患者では、服薬指導時に避妊や妊娠計画の確認も意識したいです。
まとめ
アバスチン点滴静注用に、神経線維腫症2型の効能・効果と、5 mg/kgを2週間間隔で投与する用法・用量が追加されました。実務では、前庭神経鞘腫を有する患者であること、血圧や尿蛋白などの安全性、手術前後や妊娠関連の注意点を確認することが重要です。
詳細は審査報告書をご確認ください。
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