シムレクト静注用 20 mg / 同小児用静注用 10 mgで承認事項一部変更 肝移植などへの効能追加と用法・用量を整備
薬の概要
- 販売名
- シムレクト静注用 20 mg、同小児用静注用 10 mg
- 一般名
- バシリキシマブ(遺伝子組換え)
何が変わったのか
バシリキシマブ(遺伝子組換え)は、CD25に対するモノクローナル抗体で、臓器移植後の急性拒絶反応の抑制に用いられてきました。今回、効能・効果に腎移植に加えて肝移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植が追加され、これらの臓器移植後でも使えるように整備されました。 用法・用量も、成人用と小児用の両方で同様の骨格に整理されています。成人では総用量40 mgを20 mgずつ2回、幼児・小児では総用量20 mgを10 mgずつ2回、いずれも静脈内投与します。2回目の投与は、腎移植では移植術4日後、肝移植・心移植・肺移植・膵移植・小腸移植でも移植術4日後です。 初回投与のタイミングは、腎移植では移植術前2時間以内です。一方、肝移植・心移植・肺移植・膵移植・小腸移植では、移植術前2時間以内に加え、移植術に伴う大量出血や体外式膜型人工肺(ECMO:extracorporeal membranous oxygenation:体外式膜型人工肺)の使用が想定される場合には、移植術中または移植術後速やかに投与する設定になりました。
実務上のポイント
処方監査では、まず対象が腎移植か、それ以外の臓器移植かを確認する必要があります。肝移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植では、初回投与を「術前2時間以内」に固定せず、大量出血やECMO使用の見込みがあるかを踏まえて、術中または術後速やかに投与する指示になっている点が重要です。 小児では、総用量20 mgを10 mgずつ2回であること、溶解に用いる日局注射用水が2.5 mLであることを確認します。成人は日局注射用水5 mLで溶解し、全量投与です。 また、肝移植などでは出血や腹水、ECMOの影響で血中濃度が低下する可能性が示唆されているため、投与タイミングの判断だけでなく、移植後の状態変化にも注意が必要です。併用される免疫抑制療法の内容も施設方針に沿って確認するとよいです。
まとめ
シムレクト静注用 20 mg / 同小児用静注用 10 mgは、腎移植に加えて肝移植など5つの臓器移植後の急性拒絶反応抑制に使えるようになりました。実務では、対象臓器ごとの初回投与タイミングと成人・小児の用量、溶解液量を確認することが重要です。
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