オヌレグ錠150mg・200mgを承認 急性骨髄性白血病の維持療法に新たな経口選択肢
薬の概要
- 販売名
- オヌレグ錠150mg、同錠200mg
- 一般名
- アザシチジン
- 効能・効果
- 急性骨髄性白血病における維持療法
注目ポイント
急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)は、血液のもとになる細胞ががん化する病気です。がん細胞が骨髄を占めると、正常な血液が作れなくなり、感染しやすい、出血しやすい、貧血でだるいといった問題が起こります。治療で寛解(complete remission:CR、病気が見つからない状態)になっても、再発しやすいことが大きな課題です。 今回承認されたオヌレグ錠は、アザシチジンの経口剤です。アザシチジンは、細胞内に取り込まれた後にRNA(ribonucleic acid:リボ核酸)やDNA(deoxyribonucleic acid:デオキシリボ核酸)に取り込まれて核酸やタンパク質の合成を妨げます。さらに、DNAのメチル化を抑えて、がん細胞の増殖を抑えると考えられています。日本では同じ一般名の注射剤であるビダーザ注射用100mgが既に使われていますが、今回の承認は「新投与経路医薬品」としての経口製剤です。 注目点は、強力な寛解導入療法後に寛解が得られたAML患者に対して、再発を抑えるための維持療法として位置づけられたことです。海外第III相試験(phase III:比較的多くの患者で有効性と安全性を確認する試験)では、全生存期間(overall survival:OS)がプラセボより延長しました。国内第II相試験では、無作為化比較で無再発生存期間(relapse-free survival:RFS)がプラセボより長い傾向が示されました。ただし、国内試験は症例数が少なく、統計学的な仮説検定は行われていないため、解釈には限界があります。 この薬が実務上で大きいのは、注射ではなく内服で維持療法を行える点です。一方で、AMLの維持療法として広く誰にでも使える薬ではなく、試験で対象となったのは、同種造血幹細胞移植(allogeneic hematopoietic stem cell transplantation:allo-HSCT)の適応とならず、強力な寛解導入療法後に寛解が得られた初発患者です。効能・効果に関連する注意では、臨床試験の対象患者や前治療をよく確認したうえで適応を選ぶ必要があります。
注意点
【用法・用量】 通常、成人にはアザシチジンとして1日1回200mgを14日間連日経口投与し、その後14日間休薬します。これを1サイクルとして繰り返します。 【減量・休薬の考え方】 添付文書では、骨髄抑制や非血液毒性が出たときの対応が具体的に示されます。 - Grade 4の好中球減少症、または発熱性好中球減少症:回復するまで休薬し、回復後に再開します。 - Grade 4の血小板減少症、または活動性出血を伴うGrade 3の血小板減少症:回復するまで休薬し、必要に応じて減量します。 - Grade 3以上の非血液毒性:回復するまで休薬し、再開時は状態に応じて減量します。 【副作用で特に確認したい点】 骨髄抑制、感染症、出血、肝機能障害、心臓障害、腎機能障害、間質性肺疾患(interstitial lung disease:ILD)、ショック・アナフィラキシー、低血圧、二次性悪性腫瘍が注意事項として挙げられています。処方監査では、血球数、発熱、出血症状、肝腎機能、呼吸器症状、循環動態を見落とさないことが重要です。 【服薬指導で重要な点】 - 本剤投与による悪心、嘔吐を軽減するため、最初の2サイクルは投与30分前の制吐剤投与が案内されています。 - 食事の影響は受けにくいとされていますが、臨床では用法を守って継続できることが大切です。 - 他の抗悪性腫瘍剤との併用は、有効性と安全性が確立していません。 - 注射用アザシチジンとは曝露量、用法、用量が異なるため、互換使用はしません。 【腎機能が低下している患者】 軽度・中等度の腎機能障害では、現時点で大きな追加調整は不要と判断されています。一方で、重度の腎機能障害では曝露量が増える可能性があるため、より慎重な観察と減量の検討が必要です。 【妊娠への注意】 妊婦又は妊娠している可能性のある女性は禁忌です。薬剤師は、妊娠可能性の確認と説明を確実に行う必要があります。
まとめ
オヌレグ錠は、AMLで寛解を得た後の維持療法に使うアザシチジンの経口剤です。再発を抑える選択肢として期待されますが、骨髄抑制や感染症などの有害事象に注意し、適応患者を試験成績に沿って慎重に選ぶことが重要です。
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