新薬承認

ラプシド錠25mgを承認 慢性蕁麻疹に新たな経口治療選択肢

記事公開:承認日:

薬の概要

販売名
  • ラプシド錠25mg
一般名
  • レミブルチニブ
効能・効果
  • 特発性の慢性蕁麻疹(既存治療で効果不十分な患者に限る)

注目ポイント

特発性の慢性蕁麻疹(chronic spontaneous urticaria:特定の誘因がはっきりしない慢性的なじんましん)は、かゆみと膨疹(皮膚のふくらみ)が6週間以上続く病気です。命に直結することは多くありませんが、夜眠れない、仕事や学業に集中できないなど、生活の質を大きく下げることがあります。まずは第二世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬)で治療しますが、それだけでは十分に抑えられない患者さんがいます。 ラプシド錠25mgの有効成分レミブルチニブは、Bruton’s tyrosine kinase(BTK:ブルトン型チロシンキナーゼ)を不可逆的に阻害する経口薬です。BTKは、マスト細胞や好塩基球でアレルギー反応の引き金になる情報伝達に関わっており、ここを抑えることでヒスタミン放出や炎症反応を弱めると考えられています。つまり、症状の出ている結果を押さえるだけでなく、症状を起こす流れの上流に作用する点が特徴です。 承認の根拠となった第Ⅲ相試験では、抗ヒスタミン薬で効果不十分な成人患者を対象に、本剤25mgを1日2回投与した群がプラセボ(偽薬)群より、12週時の蕁麻疹活動性スコア(UAS7:直近7日間の蕁麻疹の重症度スコア)の改善で有意に優れていました。日本人部分集団でも全体集団と概ね同様の傾向が示されており、国内でも使う意義があると判断されています。 一方で、BTK阻害薬らしい注意点もあります。審査では、出血、感染症、血球減少が重点的に確認されました。重篤な出血や重篤な感染症の明らかな増加は示されていませんが、点状出血などの出血関連事象はプラセボより多く、長期投与時の安全性はまだ蓄積が必要です。そのため、適応は「既存治療で効果不十分な患者」に限られ、蕁麻疹診療に精通した医師のもとで使うことが前提になります。


注意点

【用量・投与方法】 通常、成人にはレミブルチニブとして1回25mgを1日2回、経口投与します。食事の有無で大きく投与不能になる薬ではありませんが、飲み忘れが続くと効果評価が難しくなるため、継続内服の確認が重要です。 【副作用で確認したいこと】 審査では、出血、感染症、血球減少が重点的に評価されています。服薬指導では、鼻血、歯ぐきの出血、あざが増える、黒色便、発熱、咳、のどの痛み、強いだるさなどを確認するとよいです。こうした症状があれば、自己判断で継続せず受診につなげるよう案内します。 【併用薬の確認】 レミブルチニブはCYP3A(cytochrome P450 3A:薬物代謝酵素の一種)で代謝され、P-gp(P-glycoprotein:薬物を細胞外へ排出する輸送体)やBCRP(breast cancer resistance protein:薬物排出輸送体)の基質でもあります。強いCYP3A誘導薬では本剤の作用が弱まる可能性があり、強いCYP3A阻害薬では曝露が上がる可能性があります。また、ジゴキシンやロスバスタチンなど一部の薬の濃度を上げる可能性があるため、併用薬のチェックが必要です。 【背景患者への注意】 重度肝機能障害では曝露が上がっていましたが、審査では用量調節は不要と判断されています。腎機能障害でも臨床的に意味のある差は乏しいとされました。ただし、妊娠可能な女性には避妊の指導が必要です。非臨床試験で催奇形性が示唆されているため、妊婦または妊娠している可能性がある女性では、治療上の有益性が危険性を上回る場合に限って投与を検討します。


まとめ

ラプシド錠25mgは、抗ヒスタミン薬で十分に抑えられない特発性の慢性蕁麻疹に使うBTK阻害薬です。症状を起こす上流の情報伝達を抑えることで、かゆみと膨疹の改善が期待されます。実務では、出血・感染症・血球減少、そして併用薬の確認を押さえることが重要です。


詳細は審査報告書をご確認ください。

審査報告書を確認する
X Icon

Pharma Works

供給状況・回収・承認情報など
最新の医薬品情報をいち早くキャッチ!