オーゼイフル錠を承認 ナルコレプシータイプ1に新たな治療選択肢
薬の概要
- 販売名
- オーゼイフル錠0.5mg、同錠1mg、同錠2mg
- 一般名
- オベポレクストン
- 効能・効果
- ナルコレプシータイプ1
注目ポイント
ナルコレプシーは、日中に強い眠気が出て、急に筋力が抜けるカタプレキシーを伴うことがある睡眠の病気です。本人の意思では抑えにくく、仕事や学業、日常生活に支障が出やすいのが問題です。ナルコレプシータイプ1(NT1)は、その中でもオレキシンという覚醒を保つ仕組みの低下が関係すると考えられています。 オベポレクストンは、オレキシン2受容体(OX2R:orexin receptor type 2、オレキシン2受容体)作動薬です。体の中で不足しがちなオレキシンの働きを受容体側から補い、覚醒を保つ方向に働く点が特徴です。これまでの治療が、眠気やカタプレキシーを症状ごとに抑える対症療法だったのに対し、この薬は病態に近いところを狙う薬として位置づけられます。 承認の根拠となった第III相試験では、覚醒維持検査(MWT:maintenance of wakefulness test、覚醒維持検査)で、プラセボより睡眠潜時が有意に延長しました。さらに、エプワース眠気尺度(ESS:Epworth sleepiness scale、日中の眠気の主観的評価)や、カタプレキシーの頻度も改善傾向が示されています。長期投与でも効果が保たれる傾向が確認され、NT1に対する新しい治療選択肢として承認されました。
注意点
【用法・用量】 - 通常は成人にオベポレクストンとして1mgを1日2回、経口投与します。 - 1回目は起床時、2回目は3〜5時間後です。 - 忍容性に問題がなく、十分な効果がない場合に限り、2mgを1日2回まで増量できます。 【処方監査で確認したいこと】 - 本剤はNT1に限って使います。診断はInternational Classification of Sleep Disorders(ICSD:睡眠障害国際分類)の基準に基づいて行われる必要があります。 - 本剤は、ナルコレプシータイプ1の病態、診断、治療に精通した医師、またはその医師と連携して使用する前提です。 - 中程度のCYP3A阻害作用を有する薬剤と併用する場合は、オベポレクストンの血中濃度が上がり、不眠症や頻尿などが増えるおそれがあります。この場合は0.5mgを1日2回に減量します。 - 強いCYP3A阻害剤との併用は禁忌とされます。強いCYP3A誘導剤や中程度以上のCYP3A誘導剤では、薬効低下に注意が必要です。 【主な注意点】 - 副作用として、不眠症、頻尿、尿意切迫が目立ちます。特に投与初期に出やすく、増量時はさらに注意が必要です。 - 尿閉のリスクがある患者では注意が必要です。臨床試験では、神経因性膀胱、閉塞性排尿障害を伴う良性前立腺肥大症、骨盤臓器脱、尿道狭窄などは除外されていました。 - 心血管系事象や肝機能障害、乱用の可能性もリスク管理項目として挙げられています。高血圧や心疾患の既往、薬物・アルコール乱用歴がある患者では、より慎重な経過観察が必要です。 - 妊娠中・授乳中の安全性や小児での位置づけは、今後の開発や情報の蓄積が重要です。
まとめ
オーゼイフル錠は、NT1の病態に関わるオレキシンの働きを補う新しい治療薬です。第III相試験で日中の眠気の改善が示され、長期投与でも効果が維持される傾向が確認されました。実務では、NT1の診断確認と、尿関連事象・不眠症・CYP3A阻害薬との併用に特に注意が必要です。
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