ペグフィルグラスチム BS皮下注3.6mg「GRP」を承認 がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制にバイオ後続品
薬の概要
- 販売名
- ペグフィルグラスチム BS皮下注3.6mg「GRP」
- 一般名
- ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)[ペグフィルグラスチム後続2]
- 効能・効果
- がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制
注目ポイント
発熱性好中球減少症は、がん化学療法で白血球の一種である好中球が減り、発熱を伴う感染症リスクが高まる状態です。重症化すると入院や治療延期につながることがあるため、化学療法の継続を支える予防薬が重要です。 今回承認されたペグフィルグラスチム BS皮下注3.6mg「GRP」は、先行バイオ医薬品であるジーラスタ皮下注3.6mgのバイオ後続品です。ペグフィルグラスチムは、granulocyte colony-stimulating factor(G-CSF:顆粒球コロニー形成刺激因子)の持続型製剤で、骨髄に働いて好中球を増やします。これにより、化学療法後の好中球減少を軽くし、発熱性好中球減少症の発症抑制につながると考えられています。 この承認のポイントは、健康被験者での pharmacokinetics(PK:薬物動態)と pharmacodynamics(PD:薬力学)の同等性が確認されていることです。PKでは血中濃度の指標で先行品との同等性が示され、PDでは absolute neutrophil count(ANC:好中球絶対数)を指標に、好中球を増やす作用が同等と評価されました。審査では、ANCがこの薬の効き目を反映する適切な指標と整理されており、臨床的な有効性も先行品と同等と判断されています。 安全性についても、先行バイオ医薬品と大きな違いは認められていません。ただし、バイオ後続品でも先行品と同じく、注意すべき副作用や免疫原性の情報提供は必要です。今回は医薬品リスク管理計画(RMP:risk management plan)の策定と実施が承認条件となっており、市販後も安全性情報の収集が求められます。
注意点
【用法・投与タイミング】 成人では、がん化学療法剤の投与終了後の翌日以降に、3.6mgを化学療法1サイクルあたり1回、皮下投与します。化学療法と同日に投与しない点は、処方監査で確認したいポイントです。 【主な注意点】 - 重篤な副作用として、間質性肺疾患、脾腫・脾破裂、ショック、アナフィラキシー、急性呼吸窮迫症候群、毛細血管漏出症候群などがRMPで挙げられています。 - 骨痛・背部痛等はこの薬で比較的注意したい症状です。患者さんには、痛みや発熱、息苦しさ、強い倦怠感などがあれば早めに受診するよう伝えるとよいです。 - 血小板減少、Sweet症候群、皮膚血管炎、大型血管炎、二次性悪性腫瘍なども重要な監視項目です。 【投与管理】 - 化学療法のレジメンに合わせて1サイクルにつき1回の投与であることを確認します。 - 本剤はプレフィルドシリンジ製剤で、針刺し事故を防ぐ装置を備えたコンビネーション製品です。使用後の安全な廃棄も含めて取り扱いに注意が必要です。 - 添付文書や院内ルールに従い、他の薬剤との併用や投与日程を確認します。 【特定の患者への配慮】 - 審査資料では成人が対象で、小児での使用は不足情報としてRMPに挙げられています。 - 妊婦や腎機能低下患者への詳細な記載はこの資料では限定的なので、実際の運用では最新の添付文書と院内採用情報を確認する必要があります。 【免疫原性】 - 抗薬物抗体や中和抗体の発現は先行品と大きく異ならないとされていますが、抗体関連の情報は市販後も継続して確認されます。
まとめ
ペグフィルグラスチム BS皮下注3.6mg「GRP」は、がん化学療法後の発熱性好中球減少症を抑えるためのペグフィルグラスチムのバイオ後続品です。先行品とPK・PDの同等性が確認され、実務では投与タイミングと重篤な副作用の見逃し防止が重要です。
詳細は審査報告書をご確認ください。
審査報告書を確認する