エムネクスパイク筋注シリンジ12歳以上用を承認 SARS-CoV-2感染予防の選択肢に
薬の概要
- 販売名
- エムネクスパイク筋注シリンジ12歳以上用
- 一般名
- コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン
- 効能・効果
- SARS-CoV-2による感染症の予防
注目ポイント
COVID-19は、SARS-CoV-2による感染症です。発熱や咳などの症状だけでなく、重症化すると入院や死亡につながることがあります。流行株が変わるたびに、ワクチンの更新が必要になる点も特徴です。 エムネクスパイク筋注シリンジ12歳以上用は、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質のうち、受容体結合ドメイン(RBD:receptor binding domain:受容体結合ドメイン)とN末端ドメイン(NTD:N-terminal domain:N末端ドメイン)をコードするメッセンジャーRNA(mRNA:messenger RNA:メッセンジャーRNA)を脂質ナノ粒子(LNP:lipid nanoparticle:脂質ナノ粒子)に封入したワクチンです。既承認のスパイクバックスと同じLNP設計を使いながら、作られる抗原をスパイクタンパク質全長ではなくRBDとNTDに絞っている点が特徴です。 審査では、SARS-CoV-2ワクチン接種歴のある12歳以上を対象にした海外第Ⅲ相試験と国内第Ⅲ相試験が評価されました。海外試験では、対照薬のスパイクバックスに対して発症予防効果の非劣性が示され、免疫原性でも中和抗体価の非劣性基準を満たしました。国内試験でも、オミクロン株XBB.1.5に対する中和抗体価で非劣性が確認されました。12歳以上に対するSARS-CoV-2感染予防の新たな選択肢として位置づけられると判断しています。
注意点
【用法・接種対象】 ・用法は、1回0.2mLを筋肉内に接種する方法です。 ・接種対象は12歳以上です。 ・SARS-CoV-2ワクチンの接種歴がある人には、前回接種から少なくとも3カ月経過した後に接種できます。 ・医師が必要と認めた場合は、他のワクチンと同時に接種できます。 【副反応で確認したいこと】 ・接種後7日以内の局所反応としては、接種部位の痛みが中心です。 ・全身反応としては、疲労、頭痛、筋肉痛、関節痛、悪寒、悪心・嘔吐、発熱などがみられています。 ・海外試験と国内試験のいずれでも、スパイクバックスと比べて本剤で新たな安全性の懸念は明確ではありませんでしたが、接種後の経過観察は必要です。 【特に注意したい有害事象】 ・ショック、アナフィラキシーは添付文書で注意喚起されます。接種後の急変に備え、観察体制を確認する必要があります。 ・心筋炎、心膜炎は重要な潜在的リスクとされています。胸痛、動悸、息切れなどがあれば受診につなげます。 ・ワクチン関連呼吸器疾患増強を含むワクチン関連疾患増強、ギラン・バレー症候群も重要な潜在的リスクとして扱われます。 【妊婦・授乳婦】 ・妊婦では、安全性情報が限られています。接種は、有益性が危険性を上回ると判断される場合に限るとされています。 ・授乳婦では、ワクチン成分や抗体の乳汁移行は不明です。接種の有益性と母乳栄養の有益性を踏まえて、授乳継続の可否を検討します。 【その他】 ・本剤は劇薬に該当します。 ・医薬品リスク管理計画(RMP:risk management plan:医薬品リスク管理計画)の策定と適切な実施が承認条件です。
まとめ
エムネクスパイク筋注シリンジ12歳以上用は、12歳以上を対象とするSARS-CoV-2 RNAワクチンです。海外第Ⅲ相試験と国内第Ⅲ相試験で有効性が示され、安全性も許容可能と判断されました。 実務では、1回0.2mLの筋注、前回接種から3カ月以上空けること、接種後のアナフィラキシーや心筋炎・心膜炎などへの注意を押さえることが大切です。
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