トシリズマブのバイオ後続品を承認 点滴静注・皮下注の5製剤
薬の概要
- 販売名
- ①トシリズマブ BS 点滴静注 80 mg「MA」、②同点滴静注 200 mg「MA」、③同点滴 静注 400 mg「MA」、④同皮下注 162 mg シリンジ「MA」、⑤同皮下注 162 mg オート インジェクター「MA」
- 一般名
- トシリズマブ(遺伝子組換え)[トシリズマブ後続2]
- 効能・効果
- ①②③ 既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎、全身型若年性特発性関節炎、キャッスルマン病に伴う諸症状及び検査所見の改善(リンパ節の摘除が適応とならない患者)、悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群、SARS-CoV-2による肺炎(酸素投与を要する患者)
- ④⑤ 既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
注目ポイント
本剤は、先行バイオ医薬品であるアクテムラのバイオ後続品として承認されたトシリズマブ製剤です。点滴静注製剤3規格に加えて、関節リウマチ向けの皮下注製剤としてシリンジとオートインジェクターの2製剤がそろいます。 品質特性の比較、非臨床薬理、PK、そして関節リウマチ患者を対象とした第III相試験の結果を踏まえ、先行品と同等/同質と判断しています。点滴静注では健康被験者でのPK同等性、皮下注では健康男性被験者でのPK同等性が示され、関節リウマチ患者では12週時のDAS28-ESR変化量が同等性許容域内でした。 効能・効果は、先行品のうち再審査期間や特許を踏まえて設定されており、点滴静注製剤では関節リウマチ、若年性特発性関節炎、キャッスルマン病、サイトカイン放出症候群、COVID-19肺炎が対象です。 皮下注製剤は関節リウマチに限定されています。バイオ後続品として、既存のトシリズマブ治療を置き換える選択肢になり得ます。
注意点
注意すべき安全性は、先行品と同様に重篤な感染症、腸管穿孔、アナフィラキシー等の重篤な過敏症、好中球減少・白血球減少、血小板減少、間質性肺炎、B型肝炎ウイルス再活性化、肝機能障害、悪性腫瘍などです。処方監査では、感染症の既往や活動性感染、HBV関連検査、血算、肝機能、呼吸器症状の確認を意識するとよいです。 関節リウマチの皮下注製剤は、通常は162 mgを2週ごとに投与し、効果不十分な場合は1週ごとまで短縮できます。点滴静注製剤は疾患により投与間隔や用量が異なり、関節リウマチは8 mg/kgを4週ごと、全身型若年性特発性関節炎とキャッスルマン病は8 mg/kgを2週ごとに投与します。COVID-19肺炎では成人で副腎皮質ステロイド薬との併用が前提です。 新添加剤としてL-バリンが皮下注製剤に含まれますが、PMDAは安全性上の問題はないと判断しています。なお、本剤は医薬品リスク管理計画の対象であり、通常の使用でも感染症や肝障害などの副作用モニタリングは重要です。
まとめ
本剤は、トシリズマブの点滴静注・皮下注のバイオ後続品として承認された製剤です。PKと関節リウマチでの有効性が先行品と同等で、全体として安全性プロファイルにも大きな差はないと判断されています。実務では、先行品と同様に感染症、血球減少、肝機能障害、腸管穿孔などの確認を押さえることが重要です。
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