新薬承認

ウェイリズ錠400mgを承認 慢性・持続性の免疫性血小板減少症に新たな選択肢

記事公開:承認日:

薬の概要

販売名
  • ウェイリズ錠400mg
一般名
  • リルザブルチニブ
効能・効果
  • 持続性及び慢性免疫性血小板減少症

注目ポイント

免疫性血小板減少症(ITP: immune thrombocytopenia:免疫性血小板減少症)は、血小板が少なくなり、あざができやすい、鼻血が止まりにくい、重いと出血が続くといった問題につながる病気です。血小板は止血に必要なので、低い状態が続くと出血リスクが高まります。 ウェイリズ錠400mgの有効成分リルザブルチニブは、BTK(Bruton’s tyrosine kinase:ブルトン型チロシンキナーゼ)を阻害する薬です。ITPでは、B細胞がつくる自己抗体や、マクロファージによる血小板の貪食が血小板減少に関わると考えられています。BTKを抑えることで、こうした免疫反応を弱め、血小板が壊されにくくなるという仕組みです。 今回の承認では、既存治療で十分な効果が得られない、または忍容性に問題がある持続性・慢性ITPに対して、成人での有効性が示されました。第III相試験では、プラセボと比べて持続的な血小板反応が高く、出血性事象も少ない傾向がみられました。既存の治療と異なる作用機序を持つため、二次治療以降の新しい選択肢として位置づけられます。 一方で、この薬はすべての患者に無条件で使う薬ではありません。試験では、血小板が上がっても効果が不十分な患者が一定数いたため、投与開始後の反応を見ながら継続を判断する必要があります。また、感染症、肝機能障害、間質性肺疾患、妊婦への使用制限など、実務上の注意点もはっきりしています。


注意点

【用量・投与方法】 通常、成人にはリルザブルチニブとして1回400mgを1日2回、経口投与します。食事の影響を受け、空腹時では曝露量が低下しやすいので、空腹時の投与は避けることが望ましいです。消化器症状が気になる場合は、食事と同時に投与することが望ましいとされています。 【効果判定とモニタリング】 投与開始後は、血小板数が安定するまでは週1回、その後は血小板反応と臨床症状に応じて定期的に確認します。臨床的に重要な出血を回避できるレベルまで血小板数が増加しない場合は、12週間を目安に投与中止を検討します。漫然投与を避け、出血リスクの改善につながっているかを確認することが大切です。 【主な副作用】 臨床試験では、下痢、悪心、頭痛、腹痛、嘔吐などの消化器症状が多くみられました。多くは軽度でしたが、症状が強い場合は休薬や中止も含めて対応します。感染症も重要で、肺炎、日和見感染、B型肝炎再活性化が報告されています。発熱、咳、倦怠感などがあれば早めに確認します。 【特定の背景患者】 妊婦または妊娠している可能性のある女性には禁忌です。動物試験で胚・胎児毒性が示されており、ヒトでもリスクが否定できません。授乳中は、母乳栄養の利益と治療上の必要性を踏まえて授乳継続の可否を検討します。中等度以上の肝機能障害、重度の腎機能障害では、曝露量増加の可能性があるため慎重に対応します。 【相互作用】 CYP3A(cytochrome P450 3A:薬物代謝酵素CYP3A)の強い阻害剤や中等度の阻害剤、強い誘導剤や中等度の誘導剤は、できるだけ避けます。胃酸を抑える薬のうち、プロトンポンプ阻害薬(PPI: proton pump inhibitor:プロトンポンプ阻害薬)は併用を避けることが望ましいです。H2受容体拮抗薬や制酸剤を使う場合は、少なくとも2時間前に本薬を投与すると影響を抑えやすいです。 【併用時の確認】 本薬はP-gp(P-glycoprotein:P-糖タンパク質)、BCRP(breast cancer resistance protein:乳癌耐性タンパク質)、OATP1B(organic anion transporting polypeptide 1B:有機アニオン輸送ポリペプチド1B)の基質薬で副作用が増える可能性があるため、併用薬の確認が必要です。


まとめ

ウェイリズ錠400mgは、BTKを阻害してITPの血小板減少を抑える、成人の持続性・慢性ITP向けの新しい選択肢です。実務では、効果判定のための血小板モニタリング、感染症や肝機能障害などの副作用、そして妊婦禁忌や相互作用の確認を押さえることが重要です。


詳細は審査報告書をご確認ください。

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