新薬承認

ブメリティカプセル231mgを承認 再発寛解型多発性硬化症に新たな治療選択肢

記事公開:承認日:

薬の概要

販売名
  • ブメリティカプセル231mg
一般名
  • ジロキシメルフマラート
効能・効果
  • 再発寛解型多発性硬化症の再発予防及び身体的障害の進行抑制

注目ポイント

多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)は、中枢神経に炎症が起こり、視力障害、運動障害、感覚障害、歩行障害などが出る病気です。再発寛解型多発性硬化症(relapsing-remitting multiple sclerosis:RRMS)は、症状が悪化する「再発」と、落ち着く「寛解」を繰り返す病型で、再発を重ねるほど障害が残りやすくなります。 ブメリティカプセル231mgの有効成分ジロキシメルフマラートは、既存薬のフマル酸ジメチル(dimethyl fumarate:DMF、テクフィデラ)の主要活性代謝物であるフマル酸モノメチル(monomethyl fumarate:MMF)を体内で生じるように設計された薬です。PMDAは、DMFと同程度のMMF曝露が得られることを踏まえ、RRMSに対する再発予防と身体的障害の進行抑制が期待できると判断しました。 注目点は、DMFと同系統でありながら、胃腸障害の軽減を狙って開発されたことです。実際に比較試験では、下痢や悪心などの胃腸障害はDMFより少ない傾向が示されました。ただし、完全になくなるわけではなく、臨床試験では本剤でも胃腸障害が確認されています。つまり、「DMFより飲みやすい可能性があるが、胃腸症状の監視は必要」という位置づけです。 有効性については、探索的な試験も含めて、再発率やMRI所見、EDSS(Expanded Disability Status Scale:総合障害度スケール)による障害の程度がDMFと大きく異ならないことが示されました。PMDAは、日本人患者の試験例数は限られるものの、全体としてDMFと同程度の有効性が期待できると評価しています。


注意点

【用法・用量】 ・成人では、ジロキシメルフマラートとして1回231mgを1日2回から開始します。 ・1週間後に1回462mgを1日2回へ増量します。 ・臨床試験では、忍容性が悪い場合に231mg 1日2回へ一時的に減量できる運用がありました。 【副作用で特に見る点】 ・胃腸障害:下痢、悪心、腹痛、嘔吐などです。DMFより少ない傾向はありますが、本剤でも起こります。服薬継続可否や食事状況、脱水の有無を確認してください。 ・潮紅:顔のほてり、紅斑、そう痒感などです。開始早期に出やすいので、導入時の説明が重要です。 ・リンパ球減少:定期的な血算確認が必要です。長く続く場合は、感染症やPML(progressive multifocal leukoencephalopathy:進行性多巣性白質脳症)のリスクも意識して、処方継続を再評価します。 ・肝機能障害:ALT(alanine aminotransferase:アラニンアミノトランスフェラーゼ)やAST(aspartate aminotransferase:アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)の上昇があり得るため、定期的に肝機能検査を確認します。 【患者背景での注意】 ・腎機能障害では、代謝物HESの曝露増加がみられました。PMDAは投与可能と判断していますが、腎機能低下例では安全性の確認をより丁寧に行う必要があります。 ・妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが注意喚起されます。妊娠可能な女性には、投与中の避妊が必要です。 ・PML、感染症、肝機能障害、胃腸障害、潮紅は、DMFと同様の安全管理を前提に監視します。 【服薬指導での実務ポイント】 ・開始後1週間は増量前の時期なので、胃腸症状や潮紅の出方を重点的に確認します。 ・「症状が出ても自己判断で中止しない」「続けにくいときは早めに相談する」と伝えると、継続しやすくなります。 ・血液検査の予定、肝機能、感染徴候、神経症状の変化をセットで確認すると実務上扱いやすいです。


まとめ

ブメリティカプセル231mgは、RRMSの再発予防と身体的障害の進行抑制に使うジロキシメルフマラートです。DMFと同じMMFを介して作用しつつ、胃腸障害の軽減が期待されますが、実際には胃腸障害、潮紅、リンパ球減少、肝機能障害などの監視が必要です。


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