新薬承認

ブリヌスプリ錠25mgを承認 非嚢胞性線維症性気管支拡張症に新たな治療選択肢

記事公開:承認日:

薬の概要

販売名
  • ブリヌスプリ錠25mg
一般名
  • ブレンソカチブ水和物
効能・効果
  • 非嚢胞性線維症性気管支拡張症

注目ポイント

非嚢胞性線維症性気管支拡張症(NCFBE:non-cystic fibrosis bronchiectasis:非嚢胞性線維症性気管支拡張症)は、気管支が元に戻らない形で広がり、咳やたん、繰り返す気道感染や増悪を起こしやすくなる病気です。増悪を重ねると、呼吸機能の低下や入院、死亡リスクの上昇につながることがあります。 ブレンソカチブ水和物は、DPP1(dipeptidyl peptidase 1:ジペプチジルペプチダーゼ1)を阻害する薬です。DPP1は、好中球が成熟する過程で、好中球エラスターゼ、プロテイナーゼ3、カテプシンGといった好中球セリンプロテアーゼを活性化します。これらは気道の傷害や炎症悪化に関わるため、DPP1を抑えることで、炎症の連鎖を弱めることが期待されます。 承認の根拠となった国際共同第III相試験では、成人と12歳以上の小児を対象に、本剤25mg、10mg、プラセボを1日1回52週間投与しました。主要評価項目である呼吸器疾患の増悪(PEx:pulmonary exacerbation:呼吸器疾患の増悪)の年間発現率は、両用量ともプラセボより低く、プラセボに対する優越性が示されました。さらに、呼吸機能の低下抑制や呼吸器症状の改善も、25mg群でより目立つ傾向がみられました。 この薬は、気道クリアランス法や既存治療を行っても増悪を繰り返す患者に、上乗せで使う位置づけです。とくに、過去12カ月の増悪回数が多い患者を想定して評価されており、実臨床でも「増悪を繰り返すリスクが高いか」を意識して使う薬と考えられます。


注意点

【用法・用量】 - 通常、成人及び12歳以上の小児に、ブレンソカチブとして25mgを1日1回経口投与します。 - 食事の有無による投与制限は設けられていません。 【主な副作用・監視ポイント】 - 歯肉障害/歯周病、過角化、感染症、肺炎に注意が必要です。 - 歯肉障害/歯周病は、口腔内の自覚症状が乏しくても進む可能性があります。口腔内を清潔に保ち、歯肉の腫れ、出血、痛み、違和感があれば歯科受診を促します。 - 過角化は、皮膚の角化が強くなる反応で、足底や手掌、皮膚の乾燥や発疹として気づかれることがあります。軽度から中等度が中心でしたが、皮膚症状の変化は確認してください。 - 気管支拡張症そのものが感染を起こしやすい病気なので、発熱、咳嗽悪化、喀痰増加、呼吸困難の悪化があれば感染症や増悪を疑います。とくに肺炎は重要な監視項目です。 【相互作用】 - 本薬は主にCYP3A4(cytochrome P450 3A4:シトクロムP450 3A4)で代謝され、CYP3A4を誘導する可能性が示唆されています。 - ただし、臨床薬物相互作用試験では、CYP3A4基質薬の曝露を大きく変えない可能性が示されており、現時点で一律の用量調整は想定されていません。 - 併用薬が多い患者では、今後の情報更新も含めて確認するとよいです。 【特定の背景患者】 - 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与します。動物試験で骨格への影響が示されているためです。 - 腎機能障害や肝機能障害では、臨床試験上、曝露量に大きな差は示されませんでしたが、実臨床では全身状態も含めて経過をみます。 - 12歳以上の小児でも使用対象ですが、日本人小児の使用経験はまだ限られるため、体調変化や副作用の拾い上げが重要です。 【薬剤師としての実務上の確認】 - 既存治療で増悪を繰り返しているか、直近1年の増悪回数を確認します。 - 口腔ケアの状況、皮膚症状、感染徴候を服薬指導で毎回確認します。 - 免疫不全に関連する病歴がある患者や、肺NTM(non-tuberculous mycobacteria:非結核性抗酸菌)感染症の合併が疑われる患者では、呼吸器症状の変化により注意します。


まとめ

ブリヌスプリ錠25mgは、DPP1を阻害して気道の炎症悪化に関わる経路を抑える、非嚢胞性線維症性気管支拡張症の新しい治療薬です。増悪を繰り返す患者で有効性が示され、実務では感染症、歯肉障害/歯周病、過角化を中心に経過観察することが大切です。


詳細は審査報告書をご確認ください。

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