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管理薬剤師が本部と現場の板挟みでつらいときの対処法|自分を責めなくていい理由

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本部の数値目標と現場の安全・人員の間で板挟みになり、つらさを抱える管理薬剤師へ。自分を責める前に確認したい組織構造、本部とスタッフへの具体的な伝え方、改善しない職場を見極める基準を解説します。

登場キャラクター

薬剤師じいさん

薬剤師じいさん

薬剤師歴70年の大ベテラン。病院・薬局・ドラッグストアすべてを経験してきた生き字引。豊富な経験と公的データに基づいて、若手薬剤師の悩みにズバッと答えます。

みさ

みさ

新卒2年目の若手薬剤師。病院で働いているけど、年収やキャリアに不安を感じている。全国の悩める若手薬剤師を代表して、気になることをどんどん質問していきます!

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読者からの相談

調剤薬局チェーンで管理薬剤師になって2年目です。エリアマネージャーから在宅件数や物販の目標が降りてきて、朝礼でそのまま伝えたら、スタッフに「この人数で回らないのに無理です」と反発されました。かといって現場の人員の実情を上げたら「それは判断が甘い」と返されて、本部と現場の板挟みで、どちらの期待にも応えられません。毎日どちらの顔色も見て疲れ切っていて、ストレスが限界です。自分の調整力が足りないのでしょうか。誰も「頑張ってるね」とは言ってくれず、正直つらいです。

📌この記事のポイント
  • 管理薬剤師の板挟みは調整力不足ではなく、権限と責任のズレという組織構造で生じやすい問題
  • 本部の指示は目的と実行できる範囲を整理して伝え、現場の状況は数字と記録で本部へ伝える
  • 体調や安全に不安があるときは自分を守ることを優先。改善しなければ異動・役職変更・転職も選択肢

まず結論:管理薬剤師の板挟みは、あなただけの調整力の問題ではない

数値目標を求める本部と、安全と人員の実情を抱える現場の間に立つ管理薬剤師の構図。板挟みは組織構造によって生じやすいものであり、自分を責めなくていいことを伝える図
先生
「本部は数字のことしか言わん。現場がどれだけギリギリで回しとるか分かっとらん」。そう感じながら、それでも間に立って、両方に頭を下げ続けてきたんじゃろう。まず、よくやっとると言わせてくれ。
新人
冒頭の相談者さんの文章、読んでいて苦しくなりました…。どちらの期待にも応えられないと、自分の力不足みたいに感じてしまいますよね。
先生
そこがこの記事の結論じゃ。本部と現場の板挟みで消耗するのは、あなたの調整力や伝え方が悪いからではない。権限と責任のズレと、本部の数値目標と現場の安全・人員の衝突という組織構造によって生じやすい問題なんじゃ。
新人
構造によって生じやすい、ですか。だとすると、「うまく立ち回れる人なら挟まれずに済む」という話でもないんですね。
先生
うむ。じゃから最初の一歩は、伝え方のテクニックを磨くことではなく、自分を責めるのをやめることじゃ。この記事では、今が改善を試せる状態かの確認、板挟みを軽くする3つの対処法、板挟みが起きやすい構造、改善しない場合の選択肢と職場の見極め方、の順で進めるぞ。
新人
「本部が悪い」と言って終わりにするのではなく、今日からできることまで行くんですね。
先生
そうじゃ。本部やエリアマネージャーには彼らの役割があるからの。悪者を探すのではなく、間に立つ人が苦しくなりやすい構造を知って、挟まれ方を変えていく。それに、職場の構造によって挟まれ方は大きく違う。方針がそろっとる職場や、管理薬剤師を支える体制がある職場では板挟みが軽いこともある。だからこそ「変わらなければ選び直す」ところまで話すんじゃ。

先に確認:今は改善を試せる状態か、自分を守るべき状態か

先生
対処法の前に、ひとつ確認させてくれ。板挟みがつらい状態の中には、「改善を試す」より「自分を守る」を優先すべき段階がある。次に当てはまるものがないか見てほしい。

!「自分を守ること」を優先したいサイン

  • 出勤前に動悸や吐き気、強い不安がある
  • 眠れない日や、食事が取れない状態が続いている
  • 集中力が落ち、安全に業務を続けられるか不安がある
  • 安全や法令遵守に関する懸念を伝えても、放置されている
  • 法令違反や安全を損なうおそれのある指示を受けている
  • 上司や本部とのやり取りそのものが、強い精神的負担になっている
新人
読んでいてドキッとしました…。当てはまる場合は、伝え方の工夫を頑張るより先に、やるべきことがあるということですよね。
先生
そうじゃ。「この状態なら今すぐ退職」と言いたいわけではないぞ。じゃが、体調や安全が揺らいどるときに、交渉の工夫を積み増すのは順番が違う。まずはこちらを優先してくれ。
  • 有給休暇や休職を含め、いったん業務から距離を置く
  • 産業医・医療機関・社内の相談窓口へ相談する
  • 本部との交渉を一人で続けない
  • 安全上の懸念は、日時・内容・相手の回答を記録しておく
新人
距離を置くことと、一人で抱えないこと。それを先に確保してから、改善を考える順番なんですね。
先生
うむ。そのうえで、体調や安全面に大きな問題がなければ、ここからの3つの手順を試していこう。

本部と現場の板挟みを軽くする3つの対処法

先生
構造は一人では変えられん。じゃが、挟まれ方は変えられる。手順は3つ。①何と何に挟まれているか整理する、②本部の指示を現場向けに整理して伝える、③現場の状況を数字と記録で本部へ伝える、じゃ。
新人
構造の分析より先に、手を動かせることから始まるのは心強いです。

何と何に挟まれているかを整理する

先生
最初の一歩は、漠然とした「板挟みでつらい」を、「何と何に挟まれているか」に分解して書き出すことじゃ。紙でもスマホのメモでも構わん。軸は次の4つでな。

!書き出しの4観点

  • 本部の数値目標:降りてきている目標・方針(在宅件数、物販、売上、応需枚数など)
  • 安全確保に必要な体制:鑑査に必要な人員と時間、繁忙時間帯の業務分担
  • 人員の実態:薬剤師・医療事務の人数と処方箋枚数(何人で、1日何枚回しているか)
  • スタッフの状況:現場から出ている不満・要望(誰が、何に困っているか)
新人
書き出してみると、「人事権も予算もない一人が、この4つを全部調整するのは無理がある」と目で確認できますね。それだけでも、自分を責める気持ちが少しほどけそうです。
先生
それが狙いじゃ。しかも、これは分析のための分析ではない。次の②と③で、そのまま伝える材料になるんじゃ。

本部の指示を現場向けに整理して伝える

先生
板挟みをいちばん重くする立ち回りが「伝書鳩」じゃ。本部の指示をそのまま現場に読み上げ、現場の不満をそのまま本部にぶつける。運んでいるだけなのに、両側からの反発は全部自分が受ける。相談者さんの朝礼の場面が、まさにこれでな。
新人
目標をそのまま伝えたら反発された、とありました…。でも、管理薬剤師の判断で指示の中身を変えて伝えるわけにもいかないですよね?
先生
よい指摘じゃ。伝書鳩をやめるとは、指示を勝手に変えることでも、一人で無理に落としどころを作ることでもない。指示の目的を確認し、現在の人員と業務量で実行できる範囲まで整理して伝える。実行が難しければ、条件やリスクを本部へ返す。それだけのことでな。「翻訳」と呼ばれることもあるが、センスではなく型じゃ。次の5つの要素に当てはめればええ。

!本部の指示を現場へ伝える5要素

  • 本部が求めている目的
  • 現場の人員・業務量などの制約
  • 現時点で実行できる範囲
  • まず試す対応
  • 見直す時期
先生
型に流し込むと、たとえばこうなるぞ。「本部からは在宅対応を増やす方針が出ています。一方で、現在の人員では一度に大きく増やすのは難しい状況です。まずは対応可能な件数を確認し、対象を限定して試行します。1か月後に業務負荷と安全面を確認し、継続できるか判断します」。このまま朝礼で使って構わん。
新人
「本部が在宅を増やせと言っています」と読み上げるのとは全然違いますね。目的と、できる範囲と、見直す時期までセットなら、現場も「無理を丸投げされた」とは感じにくそうです。
先生
わしが調剤薬局におった頃も、指示をそのまま読み上げる管理薬剤師と、目的や現場の条件を整理して伝える管理薬剤師の両方を見てきたが、スタッフの受け止め方はまるで違った。整理しとった人が特別器用だったわけではない。自分の店の枚数と人員を数字で押さえとっただけじゃ。

現場の状況を数字と記録で本部へ伝える

先生
今度は上げる方向じゃ。現場の実情を感情のまま上げると、「言い訳」「判断が甘い」と処理されやすい。「スタッフが疲弊しています」ではなく、事実と数字で組み立てる。こちらにも5要素の型があるぞ。

!現場の状況を本部へ伝える5要素

  • 現在の事実(人数・枚数・時間帯など)
  • 発生している問題またはリスク
  • 現場ですでに試した対応
  • 本部に求める支援または判断
  • 回答が必要な期限
先生
例文はこうじゃ。「平日17時から19時は処方箋が集中し、薬剤師2名では安全確認に必要な時間を確保しにくい状況です。業務分担の変更を試しましたが改善しませんでした。応援配置または受け入れ件数の調整について、来月のシフト確定前までに判断をお願いします」。すでに試したことと、回答の期限まで入れるのがポイントでな。
新人
「お願いします」で終わらず、いつまでに何を判断してほしいかまで言い切るんですね。これなら「判断が甘い」とは返されにくい気がします。数字は、処方箋枚数のほかに何を押さえておけばいいですか?
先生
職場によって効く数字は違うから、全部でなくてよい。候補を挙げておくぞ。
  • 処方箋枚数と、薬剤師・医療事務それぞれの人数
  • 営業時間と、処方箋が集中する繁忙時間帯
  • 一包化・粉薬・在宅対応など、負荷の高い業務の件数
  • 残業時間と休憩の取得状況
  • 応援勤務や欠員の状況
  • 安全上の懸念と、ヒヤリハットが発生した時間帯・背景
先生
ひとつ注意がある。ヒヤリハットは、件数だけで「人員不足が原因」と決めつけて伝えんことじゃ。どの時間帯に、どのような業務集中や人員不足が重なって発生したかまで記録しておく。そこまでそろうと、因果を主張せんでも状況が伝わる。
新人
感情ではなく事実で組み立てる…。ただ正直、ここまで細かく本部に上げるのは、告げ口や弱音のようで気が引ける人も多そうです。
先生
人員不足で安全確認が難しい、適正な管理が難しくなっとる、ヒヤリハットのリスクが高まっとる——そういう安全や適正な業務に関わる状況を記録して伝えることは、管理者の役割に沿った対応じゃ。なぜそう言えるかは、次の構造の話で説明するぞ。ただし、売上目標への不満や人間関係の悩みのすべてが法律に後押しされるわけではない。軸はあくまで、安全と業務に関わる事実に置くんじゃ。

管理薬剤師が板挟みになりやすい3つの理由

先生
対処法を押さえたところで、そもそもなぜ板挟みになりやすいのかを見ておこう。構造が見えると、伝える材料が整理しやすくなるし、あとで職場を見極めるときの物差しにもなる。理由は3つじゃ。
新人
「うまく回せない自分の問題」だと思っていたものに、ちゃんと名前がつくんですね。

権限は本部にあり、現場運営の責任は管理薬剤師に集まりやすい

先生
1つ目は、中間管理職に共通する構造じゃ。売上目標への対応、スタッフの不満、日々の現場運営——責任は管理薬剤師に集まりやすい。ところが、人を増やす人事権も、予算も、目標設定の裁量も本部にある。動かす権限は渡されずに、結果の責任だけ預けられやすい。このズレが板挟みの土台でな。上司がエリアマネージャーでも構図は同じじゃ。エリアマネージャー自身も、本部の数字と担当店舗の実情に挟まれる中間管理職であることが多い。
新人
エリアマネージャー個人が冷たいというより、あの人もまた挟まれているかもしれないんですね。相談者さんの「実情を上げたら判断が甘いと返された」のも、その連鎖の中で起きていたのかもしれません。
先生
そう見立てると、感情の対立ではなく構造の問題として扱いやすくなる。データも見ておこう。産業能率大学が上場企業の課長828人に行った調査(第6回・2021年)では、99.5%がプレーヤー業務を兼務しとった。現場業務をこなしながら、量と責任を両方引き受ける。このしんどさは、中間管理職に広く共通しとるんじゃ。
新人
調剤をしながら管理業務も、という働き方は薬剤師だけの特殊事情かと思っていました。「自分だけがうまく回せていない」わけではないと、データでも分かると少し楽になります。

本部の数値目標と現場の安全・人員が衝突しやすい

先生
2つ目は、薬剤師に固有の構造じゃ。本部が求めるのは、売上、処方箋の応需枚数、物販、在宅件数といった数値目標。一方で現場が守らねばならんのは、調剤の安全、鑑査や確認の体制、人員の限界じゃ。人員が足りん日に件数を増やせば、しわ寄せは確認体制に行く。この衝突点にちょうど立っとるのが、管理薬剤師でな。
新人
数字は「積み増そう」と言えても、安全確認にかける時間は削れませんよね。病院でも、確認の時間だけは絶対に譲れません。本部の事情も現場の実情も知っている人ほど、どちらも間違っていないと分かって苦しくなる構図だと思います…。
先生
その苦しさは、調整力の欠如ではなく立ち位置の産物じゃ。そして3つ目は、一般の中間管理職とは違う、薬剤師ならではの事情でな。

管理薬剤師には安全で適正な業務を守る役割がある

先生
薬機法(医薬品医療機器等法)は、薬局の管理者である管理薬剤師に対して、保健衛生上の支障が生じないよう従業者を監督し、医薬品その他の物品を管理し、薬局の業務に必要な注意を払うことを求めとる。そして、必要があるときは薬局開設者へ意見を述べることも役割に含まれとる(第8条)。条文はe-Gov法令検索で読めるぞ。
新人
監督、管理、必要な注意、それに開設者への意見…。つまり、患者さんの安全や適正な業務に関わる懸念を、自分の中だけで抱え込む立場ではない、ということですか。
先生
それが条文から言える実務上の意味じゃ。誤解せんでほしいのは、法律が「本部と現場のどちら側に立つか」を決めとるわけではないし、現場の不満を何でも本部に上げることが義務になるわけでもない。じゃが、数値目標と安全・人員がぶつかる場面で、安全と適正な業務のための注意や意見を役割として求められる人が、間で強い葛藤を抱えやすい位置に置かれるのは確かじゃろう。なお、開設者の側にも、管理者が述べた意見を尊重する義務が定められとるぞ(第9条)。
新人
条文が求めていることと、そこから言える範囲を分けて考えるんですね。「懸念を一人で抱え込む立場ではない」——③で数字と記録を本部へ上げる話は、ここにつながっていたんですね。
先生
そういうことじゃ。意見を書面でどう残すかといった、責任と記録の実務はこの記事では深入りせん。次の記事で詳しく解説しとるぞ。
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管理薬剤師の責任を「法律で避けられない分」と「仕組みの不備で過剰に背負った分」に分けて整理。開設者への意見を書面で残す実務や、今の職場で責任を減らす方法を解説

矛盾を自分の中だけで抱え込まない

先生
逆に、いちばん避けたい立ち回りも言っておこう。本部にも現場にも「いい顔」をして、矛盾を自分の内側だけで消化し続けることじゃ。本部には「やります」、現場には「ごめん、なんとかするから」。その場は丸く収まるが、矛盾は消えとらん。あなたの中に溜まっとるだけでな。
新人
しかも、外に出ない矛盾は本部から見えないから、「現場は回っている」ことになってしまう…。相談者さんの「毎日どちらの顔色も見て疲れ切っている」状態は、もうこのパターンに入りかけていますよね。
先生
そうじゃ。矛盾は内面で処理するものではなく、②と③の型を使って、構造の問題として外に出すものでな。それともうひとつ。間に立つ役割は、うまく回っとる日ほど誰にも気づかれん。じゃが、問題が起きなかった日にも、あなたが行った確認や調整がある。見えにくい仕事だからこそ、対応した内容、防いだ問題、改善したことを記録しておいてほしい。
新人
記録が「見えない仕事」を見える形にするんですね。評価面談や本部との相談はもちろん、異動や転職を考えるときにも、そのまま実績として使えそうです。

改善しない場合は、異動・役職変更・転職を検討してよい

先生
型を使って伝えても、変わらん職場はある。数値目標の決め方が一方通行のまま、増員の要望に回答がないまま。そこまで来たら、個人の努力で動かせる範囲を超えとる。「もう辞めたい」と思い詰める前に、選択肢が段階的にあることを知っておいてくれ。
  • エリアマネージャーや上司へ、数字と記録を使ってもう一度相談する
  • 本部の人事・コンプライアンス・相談窓口へ伝える
  • 別店舗や別部署への異動を相談する
  • 管理薬剤師を降りて、一般薬剤師へ役職変更できないか相談する
  • 職場を変える
新人
「管理薬剤師を続けるか、辞めるか」の二択で考えてしまいがちですけど、間にこれだけ段階があるんですね。どこまで試したら、次の段階へ進んでいいんでしょうか。
先生
判断の目安を挙げておこう。「いいえ」が増えるほど、次の段階へ進む材料になるぞ。

!次の段階へ進むかどうかの判断基準

  • 数字や記録を使って伝えると、話を聞いてもらえるか
  • 増員や業務調整について、回答や期限が示されるか
  • 安全上の懸念が放置されずに対応されているか
  • 上司以外に相談できる経路があるか
  • 管理薬剤師を降りる、異動するといった選択肢を相談できるか
  • 体調や家庭生活への影響が強くなっていないか
先生
いつまでも改善を試し続ける必要はないぞ。1〜3か月など、自分の中で確認期限を決めるとええ。期限が来ても変わらんかったら、それは職場の構造の側の答えじゃ。ただし、最初に確認した「自分を守るべき状態」に当てはまるなら、期限を待たず、休むことと相談を優先してくれ。
新人
期限を決めていいと言われるだけで、「ずっとこのままかもしれない」という感覚から抜け出せそうです。

板挟みになりにくい職場を見極める確認ポイント

先生
職場を変えるなら、今度は板挟みになりにくい構造を選びたい。ここで大事なのは、企業規模や業態で選ばんことじゃ。「中小や個人薬局なら板挟みがない」とは言えん。経営者の意向が強くて、意見を言いにくい職場もあるからの。見るのは、こういう仕組みじゃ。
  • 指示系統が整理されており、本部・上司から異なる指示が同時に出にくい職場
  • 管理薬剤師が安全面や人員面の懸念を伝えられ、回答や対応方針が返ってくる職場
  • 数値目標を決める際に、店舗の人員や業務量が考慮される職場
  • 管理薬剤師向けの相談先、応援体制、代行体制が整っている職場
  • 管理薬剤師を降りる、一般薬剤師へ戻る、異動するといった選択肢を相談できる職場
新人
会社の規模や業態ではなく、仕組みで見るんですね。ただ、こういう情報は求人票にどこまで書いてあるものなんでしょうか。
先生
正直に言うと、求人票で分かるのは一部でな。載っとれば参考になるのは、次の項目くらいじゃ。しかも、これすら記載のない求人票も多い。

!求人票で確認したい項目

  • 店舗の薬剤師数と処方箋枚数(何人で1日何枚を回すかの見当をつける)
  • 在宅業務の有無(件数までは書かれていないことが多い)
  • 「ヘルプ体制あり」「サポート体制あり」などの文言(あっても実態は別途確認が必要)
先生
そして、板挟みの強さを左右する肝心なところ——数値目標を誰がどう決めるか、人員不足の報告に誰がどう対応するか、管理薬剤師への支援体制が実際に機能しとるか——は、求人票にはまず書かれとらん。記載のなかった項目と合わせて、面接や転職エージェントを通じて、こういう質問で確かめるんじゃ。

!面接・転職エージェントで確認したい質問

  • 店舗の数値目標は誰が、どのように決めているか。店舗の人員や業務量は考慮されるか
  • 人員不足を報告した場合、誰がどのように判断するか
  • 管理薬剤師が困ったときの相談先や、安全面の懸念を伝える窓口はあるか
  • 管理薬剤師の意見を受けて、業務や人員配置を変更した事例はあるか
  • 管理薬剤師が休む場合の代行や、繁忙時に応援を頼める体制はあるか
  • 複数店舗の兼務や、他店舗への応援はどの程度発生するか
  • 管理薬剤師を降りたい場合、異動や役職変更を相談できるか
新人
ここまで具体的なら、面接で何を確認すればいいか迷わずに済みますね。ただ、応募者の立場でこれを全部直接聞くのは、正直勇気が要りそうです…。
先生
そこでな。管理薬剤師の板挟みの強さは、求人票の休日数や待遇だけでは判断できん。本部との指示系統、数値目標の決め方、増員要望への対応、管理薬剤師の相談先——求人票に出にくい情報まで確認する必要がある。こうした内部事情は、薬局や法人ごとの職場事情を把握しとる転職サービスを選んで、担当者に代わりに確認してもらうのが現実的じゃ。さっきの質問リストをそのまま渡してもええ。転職を決めとらん段階で、情報収集から使って大丈夫じゃぞ。
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比較ガイド

薬剤師転職サイトの選び方・使い方

登録から内定まで、自分に合うサイトの選び方を解説

まとめ:構図を整理し、変わらなければ職場の構造を選び直す

この記事のまとめ

  1. 1本部と現場の板挟みは、管理薬剤師個人の調整力だけでなく、権限と責任のズレによって起こりやすい
  2. 2本部の指示は目的・制約・実行できる範囲を整理して伝え、現場の状況は数字と記録で本部へ伝える
  3. 3安全や体調に大きな不安がある場合は、伝え方の改善よりも休むことや相談を優先する
  4. 4改善されない場合は、異動、管理薬剤師を降りること、職場を変えることも合理的な選択肢
先生
最後に伝えたいのはこれじゃ。本部と現場の板挟みは、あなた一人の調整力の問題ではない。何と何に挟まれとるかを整理し、指示は目的と実行できる範囲を整理して下ろし、実情は数字と記録で上げる。体調や安全が揺らぐなら、改善より先に自分を守る。それでも変わらんなら、異動でも、役職変更でも、職場を変えるでもええ。挟まれにくい構造を選び直すのは、逃げではなく合理的な判断じゃ。
新人
薬剤師の仕事自体を続けたい場合は、まず今の職場で改善できる余地を確認して、変わらなければ異動や役職変更、職場を変えることを検討する——この流れなら、自分を責めずに動けますね。相談者さんもまず、何と何に挟まれているかを書き出すところから始められそうです。