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薬剤師1年目で辞めたいのは甘え?新卒転職の判断基準と具体的な進め方

公開日: 更新日:

新卒薬剤師1年目で辞めたいと感じるのは甘えではありません。辞めるか続けるかの判断基準、心身がつらいときに転職より優先すべきこと、1年目の転職の考え方と進め方まで整理して解説します。

登場キャラクター

薬剤師じいさん

薬剤師じいさん

薬剤師歴70年の大ベテラン。病院・薬局・ドラッグストアすべてを経験してきた生き字引。豊富な経験と公的データに基づいて、若手薬剤師の悩みにズバッと答えます。

みさ

みさ

新卒2年目の若手薬剤師。病院で働いているけど、年収やキャリアに不安を感じている。全国の悩める若手薬剤師を代表して、気になることをどんどん質問していきます!

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読者からの相談

新卒で調剤薬局に就職した薬剤師1年目です。毎日薬歴が終わらず残業続きで、人間関係もつらくて「辞めたい」と思っています。でも1年で辞めるのは甘えなのか、こんなに早く転職できるのか不安です。

📌この記事のポイント
  • 薬剤師1年目で辞めたいと感じるのは甘えではない。医療・福祉分野に就職した新規大卒者の約12%が1年以内に離職している
  • 体調不良・長時間労働・教育体制の欠如・パワハラは環境を変えるべきサイン。ただし体調を崩しているなら、転職より先に受診や休養を優先する
  • 1年目でも応募できる求人はある。選択肢の幅は地域・業態・条件で変わるため、まずは情報収集から始めよう

1年目で辞めたいと思うのは甘えではない

先生
「まだ1年も経っていないのに辞めたいなんて、自分は根性がないんじゃないか」。そう自分を責めておる人は多い。じゃがな、結論から言うと、1年目で辞めたいと感じること自体は甘えではないぞ。
新人
でも、周りからは「3年は続けろ」ってよく言われますよね。1年で辞めたいと思うのは早すぎるんじゃないかって、不安になりますよね。
先生
厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況」によると、医療・福祉の分野(産業)に就職した新規大卒者のうち、約12%が1年以内に離職しておる(令和6年3月卒の1年以内離職率は12.3%)。薬剤師だけを対象にした数字ではないが、少なくとも、医療・福祉の仕事を1年目で離れる人が極端に珍しいわけではないことは分かるじゃろう。
新人
10人に1人以上…。薬剤師だけの数字ではなくても、1年目で離れる人が特別な少数派ではないと分かると、少し気が楽になります。
先生
「3年は続けろ」という言葉もよく聞くが、その「3年」という期間に、誰にでも当てはまる明確な根拠があるわけではない。ただし、続けることに一理はある。1年目は覚えることが多くて当然つらい時期じゃし、2年目以降に楽になるケースもある。大事なのは「3年続けるべきかどうか」ではなく、「今の自分の状況で続けるのが正しい判断なのか」を冷静に見極めることじゃ。
新人
つまり、「3年続けなきゃ」と思考停止するのではなく、自分の状況で判断すべきということですね。

薬剤師1年目で辞めたほうがいいケース

先生
辞めたい気持ちがあっても、感情だけで決めると後悔しやすい。大事なのは「辞めたい理由」の中身を見て判断することじゃ。まずは「環境を変えたほうがいい」ケースから見ていこう。以下に当てはまるものがあるか、チェックしてみてほしい。

!当てはまったら環境を変えるべきサイン

  • 体調に異変が出ている(眠れない、食欲がない、吐き気がするなど)
  • 残業・長時間労働が慢性的で、改善の見込みがない
  • 教育体制がなく、相談相手もいない
  • パワハラを受けている
新人
当てはまるものがあったら、それぞれどう考えればいいんですか?
先生
順番に見ていこう。

つらいのは甘えじゃない:体調不良は限界のサイン

先生
朝起きたとき体が動かない、日曜の夜に眠れない・涙が出る、出勤前に吐き気がする、食欲がなくなった。こういったサインが出ているなら、仕事を続けることを前提にせず、早めに対応してほしい。具体的には、医療機関への受診、産業医や身近な人への相談、有給休暇や休職での休養じゃ。厚生労働省の「こころの耳」でも、こうした状態が続く場合は医療機関への相談が案内されておる。
新人
これ、「つらいけど我慢しなきゃ」って思って気づかないこともありそうですね…。
先生
その通りじゃ。これらは甘えではなく、心身が限界に近づいているサインじゃ。自分を壊してまで続ける仕事はないぞ。転職や退職をどうするかを考えるのは、心と体を守ってからで十分じゃ。

薬歴が終わらない・残業が常態化している

先生
薬歴が終わらず毎日残業が続いておる場合、まずは今の職場でできる改善を試してほしい。薬歴の書き方を見直す、調剤の効率化を工夫する、といった個人でできることはあるぞ。
新人
自分の工夫で改善できる部分もあるんですね。でも、それでも変わらない場合は…?
先生
自分で改善できる範囲の工夫を試しても毎日22時まで残業が続くなら、それは職場の構造的な問題じゃ。人手不足で増員の見込みがないなら、あなたがどれだけ効率を上げても根本は変わらん。そういう場合は環境を変えるべきじゃ。
新人
「食べて風呂入って寝るだけ」の生活が続くと、心も体も持たないですよね…。
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新卒なのに教育体制がない・一人薬剤師を任される

先生
「見て覚えて」の放置型で、質問しても忙しそうで聞けない。新卒なのに一人薬剤師のシフトに入れられて相談相手もいない。これも職場の構造の問題じゃ。教育に投資する気がない職場では、何年いても成長が難しい。
新人
新卒でいきなり一人薬剤師は怖いですね…。それは個人の努力でどうにかなる話じゃないですよね。
先生
1年目は薬剤師としての基礎を固める時期じゃ。処方の読み方、疑義照会の判断、患者対応の引き出し。こういったスキルは、先輩の横で実際のケースを見ながら覚えるものじゃ。
新人
たしかに、教科書で学ぶのと現場で判断するのは全然違いますもんね…。教えてくれる人がいないと、自己流になっちゃいますよね。
先生
そうじゃ。適切なフィードバックを受けられない状態が続くと、知識や判断に不安を抱えたままになりやすい。実は、マンツーマンで先輩がつく薬局や、研修カリキュラムが整っている職場は珍しくないんじゃ。わしが以前いた薬局でも、新人には必ず指導担当をつけておった。
新人
そういう職場もあるんですね…。でも、求人票に「教育体制あり」と書いてあっても、実態はわからないですよね。
先生
よい気づきじゃ。求人票だけでは実態はわからん。転職サイトの担当者に「常時2人以上の体制か」「新人への指導担当はつくか」と聞けば、内部の情報を教えてもらえるぞ。今の職場が当たり前だと思わず、他の環境を知ることが第一歩じゃ。

教わる環境がないまま「ついていけないのは自分が無能だから」と自分を責め始めている場合は、辞める判断の前に、その無能感の原因を切り分けてみてください。

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上司・先輩からパワハラを受けている

先生
暴言や人格否定、無視といったパワハラがある場合は、我慢する必要はまったくない。相談窓口がない職場なら、なおさら環境を変えるべきじゃ。
新人
ここまでのケースに共通しているのは、個人の努力ではどうにもならない「構造的な問題」ということですね。
先生
その通りじゃ。構造が変わらない限り、あなたがどれだけ頑張っても状況は改善せん。そういう場合は環境を変えるのが正しい判断じゃ。

パワハラや体調不良など深刻な状況にある場合は、転職活動より先に、やり取りの記録を残すこと・相談すること・休むことを優先してください。環境を変える具体的な動き方は、後半の「転職すると決めたら」のセクションで説明します。

新卒薬剤師がもう少し続けてもいいケース

先生
一方で、もう少し様子を見てもいいケースもある。こちらもチェックしてみてほしい。

!すぐに辞めなくてもいいかもしれないケース

  • つらいのは特定の一人との人間関係だけ
  • 薬剤師の仕事にやりがいを感じられない(業務自体は嫌いではない)
  • 入職して間もなく、まだ業務に慣れていない

職場の人間関係がつらいが、特定の一人だけが原因

先生
人間関係がつらいが、それが特定の一人との問題で、異動や配置換えの余地がある場合。これは環境を丸ごと変えなくても解決する可能性があるぞ。
新人
少人数の薬局だと、たった一人との関係が悪いだけで毎日つらくなりますもんね。でも具体的にどうすればいいんですか?
先生
まずはエリアマネージャーや本部の人事に、店舗異動の相談をしてみることじゃ。詳細を直属の上司に話しづらければ、「今の店舗での勤務継続が難しいので、配置転換を相談したい」と伝えて、人事担当に個別で事情を説明する方法もある。大手チェーンなら店舗数が多い分、異動のハードルは比較的低いぞ。
新人
なるほど、まずは異動を打診してみるんですね。でも、店舗が1つしかない薬局だったらどうすればいいですか?
先生
その場合は異動という選択肢がないから、状況は変わりにくい。相手が変わる見込みがないなら、環境を変えることを考えてよいケースじゃ。「特定の一人だけ」でも、逃げ場がないなら話は別ということじゃな。

薬剤師の仕事にやりがいを感じられない

先生
「調剤と薬歴で一日が終わって、やりがいを感じる余裕がない」という声はよく聞く。これは、業務の全体像がまだ見えにくい1年目に起こりやすい悩みでもあるんじゃ。担当できる業務が広がるにつれて、仕事の見え方が変わる人も多い。
新人
「6年間は何だったのか」って感じてしまう気持ちはわかりますけど、1年目の業務がすべてではないんですね。でも、ただ待っているだけでいいんですか?
先生
受け身で待つ必要はないぞ。たとえば、先輩の服薬指導を横で聞いて「自分ならどう説明するか」を考えてみる。処方箋を見たときに「なぜこの組み合わせなのか」を調べる。こういった小さな習慣で、同じ業務でも学びの質がまったく変わるんじゃ。
新人
同じ作業でも、意識の向け方次第で見え方が変わるってことですね。
先生
うむ。どんな仕事もある程度できるようにならないと楽しさは見えてこないものじゃ。だから基本的には、もう少し続けてみることをすすめる。ただし、工夫しても「薬剤師として働く気持ち自体がもうない」と感じるなら、それは別の話じゃ。
新人
やりがいの問題ではなく、薬剤師という仕事そのものへの気持ちが消えかけている場合ですか…。
先生
そうじゃ。その場合は一人で抱え込まず、キャリアの方向性を整理してみるとよい。「薬剤師を続けるべきか」「他の道もあるのか」を客観的に考える場を持つだけで、頭の中がだいぶ整理されるぞ。
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入職直後でまだ調剤業務に慣れていない

先生
入職して3ヶ月以内なら、慣れの問題でつらく感じている可能性もある。心身に不調が出ていないなら、もう少し時間をかけて判断してもよいぞ。
新人
でも、慣れるまでの間がつらいですよね。何か乗り越え方ってあるんですか?
先生
「3ヶ月後の自分」を目安にするとよい。今できないことを書き出しておいて、3ヶ月後に見返す。少しでもできるようになっていたら、それは成長しておる証拠じゃ。逆に3ヶ月経っても何も変わっていない、あるいは心身に不調が出てきたなら、そのときは環境を変えることを考えてよいぞ。
新人
期限を決めて振り返るんですね。漠然と「いつか慣れるかも」と思い続けるより、ずっと判断しやすいです。
先生
うむ。どのケースにも共通して言えるのは、「続けたほうがいい」と言いたいわけではないということじゃ。ただ、一時的な感情で辞めると「前の職場のほうがマシだった」と感じるリスクもある。判断に迷うなら、まず情報を集めてからでも十分間に合うぞ。

薬剤師1年目の転職は本当に不利なのか

先生
「辞めたいけど、1年目で転職なんてできるの?」。これが一番の不安じゃろう。正直に両面を伝えるぞ。

不利になる面

先生
1年目の転職には、確かに不利な面がある。まず、採用側は「すぐ辞める人なのでは」と考える。面接では転職理由を必ず聞かれるぞ。
新人
スキルや実績がほぼない状態だと、即戦力としても見てもらいにくいですよね。どうすればカバーできるんですか?
先生
面接では「前の職場の悪口」ではなく、「次の職場で何をしたいか」を伝えることじゃ。たとえば「教育体制が整った環境で、しっかり基礎を固めたい」「患者さん一人ひとりに向き合える服薬指導がしたい」。前向きな理由を伝えれば、1年目でも「この人は成長意欲がある」と受け取ってもらえるぞ。
新人
「なぜ辞めたか」より「次に何をしたいか」を軸にするんですね。
先生
うむ。それから、第二新卒の支援実績がある転職サイトの担当者なら、転職理由の整理や面接対策を相談できる。一人で悩むより、相談しながら準備したほうが早いぞ。

それでも転職できる理由

先生
薬剤師には資格職ならではの強みがある。国家資格が応募の前提になる求人が常にあり、1年目でも応募できる求人は実在するんじゃ。ただし、求人の多さや採用の通りやすさは、地域・業態・経験月数・希望条件でかなり違う。病院や企業、人気エリアでは、経験の浅さが選考に影響することもあるぞ。
新人
最近は「第二新卒歓迎」と書いてある薬局やドラッグストアの求人も増えていますよね。
先生
そうじゃな。経験月数や担当業務によって差はあるが、調剤の流れを一度でも現場で経験していることは、まったくの未経験とは違う。短期間でも現場経験を評価する職場はあるんじゃ。
新人
不利な面はあるけれど、「転職できない」と決まっているわけではない、ということですね。
先生
その通り。道があると分かったら、あとは具体的にどう動くかじゃ。

転職すると決めたら:具体的な進め方

先生
ここまで読んで「環境を変えよう」と思った人に向けて、具体的な動き方を説明するぞ。やることはシンプルじゃから、気負わず聞いてほしい。

在職中に転職活動を始める

先生
心身に余裕があるなら、今の職場に在籍したまま転職活動を始めるのが基本じゃ。収入を保てるから、焦って条件を妥協せずに済むし、「やっぱり今の職場で頑張る」という選択肢も残せる。逆に、出勤が難しいほど体調を崩しているなら、転職活動より受診と休養が先じゃぞ。
新人
まずは情報を集めるだけでもいいんですか?「転職するぞ」って決意しなくても。
先生
もちろんじゃ。情報を集めるだけで十分。「転職するぞ」と決意する必要はない。

転職サイトに登録して条件を伝える

先生
具体的にやることはシンプルじゃ。薬剤師向けの転職サイトに登録して、担当者に「今の職場で困っていること」と「次の職場で重視したい条件」を伝える。条件に合う求人を紹介してもらえるぞ。
新人
転職を決めていなくても、相談だけでもいいんですか?
先生
まったく問題ない。「今の状況で転職できるか聞いてみたい」という段階で登録する人はたくさんおる。条件を伝えれば、あとは担当者が求人を探してくれるから、自分で一から探す必要もないぞ。
新人
それなら気軽に始められますね。どの転職サイトを使えばいいか迷う人もいそうですが…。
先生
希望する業態やサポート内容を数問答えると、候補になる転職サイトを絞り込める診断があるぞ。
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まとめ:つらいなら動いていい、まずは情報収集から

この記事のまとめ

  1. 1薬剤師1年目で辞めたいと感じるのは甘えではない。医療・福祉分野では新規大卒者の約12%が1年以内に離職している
  2. 2体調不良のサインが出ているなら受診・休養が先。長時間労働・教育不在・パワハラは環境を変える検討を
  3. 3薬剤師は資格職で、1年目でも応募できる求人はある。人間関係ややりがいの悩みはまず今できることを試す
  4. 4心身に余裕があれば在職中に、まずは情報収集から始めよう
先生
1年目で辞めたいと思う自分を、どうか責めないでほしい。あなたの心と体が一番大事じゃ。「辞める」と決める必要はない。まずは今の自分の状況を整理して、選択肢を知ることから始めてみるとよい。それだけで少し気持ちが楽になるはずじゃ。
新人
辞めたいと思った自分を否定しなくていいんですね。まずは情報を集めて、選択肢を知るところから。それなら今日からでもできそうです。

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