薬学部卒で薬剤師以外に就職できる?薬学知識を活かせる進路一覧
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薬学部を卒業して薬剤師以外に就職できるのか不安な方へ。製薬企業・CRO・行政・医療系ITなど、薬学知識を活かせる職種一覧と就活の進め方を解説します。
登場キャラクター

薬剤師じいさん
薬剤師歴70年の大ベテラン。病院・薬局・ドラッグストアすべてを経験してきた生き字引。豊富な経験と公的データに基づいて、若手薬剤師の悩みにズバッと答えます。

みさ
新卒2年目の若手薬剤師。病院で働いているけど、年収やキャリアに不安を感じている。全国の悩める若手薬剤師を代表して、気になることをどんどん質問していきます!
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読者からの質問
薬学部6年生です。薬剤師になりたくないと思い、薬剤師以外の就職先を探しています。でも、薬学部卒で薬剤師以外に就職できるのか不安です。周りはみんな薬局や病院に就職するので、情報もなくて困っています。薬学生が薬剤師以外に就職するにはどうすればいいですか?
📌この記事のポイント
- 薬学部卒で薬剤師以外に就職することは可能で、製薬企業・CRO・行政・医療系ITなど薬学知識を活かせる職種は複数ある
- 職種ごとに求められるスキルや適性が異なるため、自分の興味・強みと照らし合わせて選ぶことが重要
- 一般企業の就活は薬局・病院よりスケジュールが早いため、情報収集は早めに始める必要がある
薬学部卒は薬剤師以外にも就職できる

「薬学部を出たら薬剤師になるしかない」と思い込んでおる方が少なくないが、結論から言えば、薬学部卒の進路は薬局・病院だけではないぞ。

でも、周りを見ると薬局か病院に就職する人がほとんどですよね。実際に薬剤師以外に就職している人はいるんですか?

おるぞ。薬学部で学ぶ薬理学、薬物動態学、有機化学、生化学などの知識は、製薬業界や医療関連企業で広く求められておる。6年間の専門教育を受けた人材は、企業側から見ても価値があるんじゃ。

つまり、薬局・病院が一般的なルートだけど、それが唯一の道ではないってことですね。

その通りじゃ。自分の興味・適性に合った仕事を選ぶために、まずはどんな選択肢があるのかを知っておくことが大切じゃよ。
薬学知識を活かせる主な職種

では、薬学部卒で就職できる薬剤師以外の職種を見ていこう。それぞれの仕事内容と、どんな人に向いているかを整理するぞ。
製薬企業(MR・研究・開発・薬事・学術)

まずは製薬企業じゃ。薬学知識を直接活かせるポジションが複数ある。MR、研究職、開発職、薬事、学術の5つじゃ。

MRって営業のイメージがあるんですけど、薬学の知識は使うんですか?

使うぞ。MRは医師や薬剤師に対して自社医薬品の情報を提供する仕事じゃ。営業的な要素はあるが、医薬品の専門知識が求められる。コミュニケーション力があり、外回りの仕事が好きな方に向いておる。

研究職はどうですか?

研究職は新薬の候補物質を見つけるための基礎研究を行う仕事じゃ。ただし、大学院の修士以上を経由するのが一般的で、研究室での実績が問われる。研究に没頭するのが好きな方向けじゃな。

開発職は研究職と何が違うんですか?

開発職は臨床試験、つまり治験の企画・管理に携わる仕事じゃ。研究職ほどの専門性は求められないが、プロジェクト管理能力やコミュニケーション力が必要になる。

薬事と学術は具体的にはどんな仕事ですか?

薬事は医薬品の承認申請に関わる書類作成や当局対応を行う仕事じゃ。薬機法の知識が求められ、正確で細かい作業が得意な方に向いておる。学術は自社医薬品に関する問い合わせ対応や文献調査を行う。薬学知識を深く活かせるポジションで、情報収集・整理が好きな方に合っておるぞ。
CRO(臨床開発モニター・データマネジメント・PV)

次はCRO、医薬品開発受託機関じゃ。製薬企業から治験業務を受託する企業で、製薬企業と比べて採用枠が多い。薬学部卒の新卒も積極的に採用しておる。

CROにはどんな職種があるんですか?

主に3つじゃ。まず臨床開発モニター、CRAとも呼ばれる。治験が適切に行われているかを医療機関で確認する仕事じゃ。出張が多く、行動力があり人と話すのが好きな方に向いておる。

データマネジメントはデスクワーク中心ですか?

うむ。治験で得られたデータの品質管理を行う仕事じゃ。コツコツ作業が得意な方に合っておる。そして安全性情報管理、PVは医薬品の副作用情報を収集・評価・報告する仕事じゃ。薬理学や薬物動態の知識が直接活きるぞ。
行政(公務員薬剤師・保健所)

行政機関でも薬学知識を活かせる。公務員薬剤師として保健所や薬務課に勤務し、薬事監視、食品衛生、環境衛生などの業務に携わるんじゃ。

安定した環境で働きたい人に向いていそうですね。

その通りじゃ。ただし、公務員試験の対策が必要なため、早めの準備が重要じゃ。自治体によって採用時期や試験内容が異なるから、志望先の情報を早い段階で確認してほしい。
医療系IT・ヘルステック

医療×ITの領域も拡大しておる。電子カルテ、調剤システム、オンライン服薬指導、健康管理アプリなどじゃな。

薬学とITの両方がわかる人って、あまりいなさそうですね。

まさにそこがポイントじゃ。両方を理解できる人材は希少で、プログラミングやデータ分析に興味がある方にとっては、希少価値の高いポジションを目指せる分野じゃ。ただし、ITスキルの習得は必要じゃぞ。大学在学中にプログラミングを学んでおくと就活で有利になる。
メディカルライター・医療系コンテンツ

メディカルライターという道もある。医薬品や医療に関する文書を作成する仕事じゃ。治験の報告書や添付文書、学術論文の執筆支援などを行う。

「書くこと」が好きな人には合いそうですね。

うむ。薬学知識を活かしながら文章を仕事にできる。正確な情報を整理して伝えることが得意な方に向いておるぞ。
化粧品・食品メーカー

化粧品や食品の品質管理、研究開発、薬事対応でも薬学知識が求められる。薬機法や食品衛生法の知識を持つ人材は、これらの業界でも重宝されるぞ。

消費者に近い製品に関わりたい人には、薬剤師とは違ったやりがいがありそうですね。
薬剤師免許を取ってから就職するか、取らずに就活するか

薬剤師以外の進路を選ぶ場合、「免許を取ってから就職するか」「取らずに就活するか」で迷う方が多い。両方のケースを整理しよう。
免許を取ってから別職種に就く場合

まず、免許を取ってから別職種に就く場合じゃ。薬剤師免許は、取得しておくこと自体に価値がある。

どういう価値ですか?

別の仕事に就いた後に「やっぱり薬剤師として働きたい」と思ったとき、免許があれば戻れる。薬剤師免許を求められるポジション、たとえば製薬企業の学術や行政の公務員薬剤師への応募も可能になるぞ。

でも、国試の勉強と就活を並行するのは大変そうですね。

そこは正直、大きな負担じゃ。「免許は保険として取っておく」と割り切れるかどうかがポイントになる。
免許を取らずに就活する場合

次に、免許を取らずに就活するケースじゃ。やりたいことが明確で、薬剤師免許が不要な職種を目指す場合は、免許取得にこだわる必要はない。

薬学部6年制だと24歳での新卒になりますよね。不利にならないですか?

4年制学部の卒業生と比べて2年遅れる形にはなるが、6年間の専門教育と実習経験はアピールポイントになる。免許を取るかどうかは、「将来薬剤師に戻る可能性があるか」と「国試勉強を続ける余力があるか」で判断してほしい。
薬剤師以外の就活の進め方

薬局・病院の就活と一般企業の就活は、スケジュールも方法も異なる。ここでは押さえておくべきポイントを整理しよう。
スケジュールが違う

まず最も大きな違いはスケジュールじゃ。薬局・病院の就活は5〜6年次の後半から動き始めても間に合うことが多いが、一般企業の就活は3〜4年次、6年制では5年次前半から始まるんじゃ。

そんなに早いんですか!

うむ。製薬企業の大手は、夏のインターンシップから選考が始まるケースもある。「まだ早い」と思っているうちにエントリーが締め切られていた、という事態は避けたいところじゃ。早めに情報収集を始めてほしい。
就活サービスを活用する

一般企業の就活では、就活サイトや就活エージェントの活用が基本じゃ。リクナビ、マイナビなどの大手サイトに加え、理系向けの就活サービスでは製薬企業やCROの求人が見つかりやすいぞ。

薬学部生向けの就活イベントもあるんですか?

あるにはあるが、薬剤師以外の職種を探す場合は一般の就活サービスも併用した方がよいぞ。
自己PRのポイント

最後に、自己PRじゃ。薬学部卒の強みは、専門知識だけではないんじゃ。

他にどんな強みがあるんですか?

6年間の専門教育を修了した粘り強さ、実務実習で身につけたコミュニケーション能力、薬理・薬物動態の知識に基づく論理的思考力、正確さが求められる環境で培った注意力。こうした点は、企業から見ても評価されるぞ。

面接で「薬剤師にならないのになぜ薬学部に?」と聞かれた場合は、どう答えればいいですか?

「薬学部で得たこの経験・知識を、こう活かしたい」と前向きに答えられるよう、準備しておくことじゃ。
進路を一人で決められないときは

ここまで読んで、「どの職種が自分に合うのかわからない」「動き方がわからない」と感じた方もおるじゃろう。

薬剤師以外の就活って情報が少ないですし、周りに同じ道を選んでいる人もいないと孤立しやすそうですね。

その通りじゃ。だからこそ、一人で抱え込まず第三者に相談してみてほしい。大学のキャリアセンター、就活エージェント、キャリアカウンセラーなど、相談先はいくつかある。「まだ何も決まっていない」段階でも相談して問題ないぞ。

どの職種が合うかわからない場合は、キャリア相談で整理してもらうのもよさそうですね。

うむ。薬剤師以外の進路についても、一緒に考えてもらえるぞ。
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まとめ

最後に整理しよう。薬学部卒の進路は、薬局・病院だけではない。薬学知識を活かせる仕事は複数あり、自分に合った方向性を選ぶことができるんじゃ。
薬学知識を活かせる主な職種
- 1製薬企業:MR、研究、開発、薬事、学術
- 2CRO:臨床開発モニター、データマネジメント、安全性情報管理
- 3行政:公務員薬剤師、保健所
- 4その他:医療系IT、メディカルライター、化粧品・食品メーカー

職種ごとに求められるスキルや就活方法は違うから、まずは「どんな仕事があるのか」を知るところから始めるのが大事ですね。

うむ。そして、一般企業の就活は薬局・病院よりもスケジュールが早い。情報収集は早めに始めてほしい。一人で進路を決められないときは、遠慮なく誰かに相談するんじゃぞ。
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