セノバメートを承認 部分発作に対する新たな治療選択肢
薬の概要
- 販売名
- エキスコプリ錠12.5mg、同錠50mg、同錠100mg、同錠200mg
- 一般名
- セノバメート
- 効能・効果
- てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)
注目ポイント
てんかんは、脳の神経細胞が過剰に興奮することで、発作が繰り返し起こる病気です。部分発作は、脳の一部から始まる発作で、意識が保たれることもあれば、意識がぼんやりすることもあります。さらに、発作が全身に広がると二次性全般化発作となり、患者さんの生活に大きな影響を与えます。 セノバメートは、こうした部分発作に対する新有効成分の抗てんかん薬です。作用としては、電位依存性 Na+チャネルの不活性化を促進し、持続性 Na+電流を抑えることに加え、GABAA(gamma-aminobutyric acid type A:γ-アミノ酪酸A受容体)の複数サブタイプを正に調節します。要するに、興奮しやすい神経の電気活動を抑え、抑制性の神経伝達を強める方向に働く薬です。 承認の根拠となった国際共同第III相試験では、成人の部分発作患者に対して、プラセボと比べて発作回数の低下が示されました。100mg、200mg、400mgのいずれの群でも有効性が示されており、特に200mg群と400mg群で大きな改善がみられました。一方で、試験でも実臨床でも、用量が上がるほど有害事象が増えやすい点には注意が必要です。 この薬のもう一つの注目点は、開始用量が12.5mgと非常に少なく、2週間以上あけながら段階的に増量する設計になっていることです。これは、急ぎすぎる増量で薬剤性過敏症症候群が起こり得ることを踏まえた設計です。肝機能障害やQT短縮も重要な論点として審査されており、承認条件として医薬品リスク管理計画の実施が求められています。
注意点
【用量・投与方法】 ・成人では、12.5mgを1日1回から開始します。 ・以後は2週間以上あけて、25mg、50mg、100mg、150mg、200mgへと1段階ずつ増量します。 ・維持用量は1日1回100〜200mgです。 ・200mgを超える場合も、2週間以上あけて50mgずつ増量し、最高用量は1日1回400mgです。 ・増量を急ぐと、薬剤性過敏症症候群のリスクが高まるおそれがあるため、増量間隔の遵守が重要です。 【副作用】 ・よく注意したいのは、浮動性めまい、傾眠、運動失調、複視、悪心・嘔吐です。 ・試験では、用量が上がるほどこれらの有害事象が増える傾向がありました。 ・特に増量期は、ふらつきや眠気で転倒しやすくなる可能性があるため、服薬指導では生活上の注意も伝える必要があります。 【肝機能障害】 ・重篤な肝機能障害が起こることがあり、急性肝不全で肝移植に至った例も報告されています。 ・投与開始前と投与中は、肝機能検査を定期的に確認します。 ・倦怠感、食欲不振、悪心、黄疸、褐色尿などがあれば早めの受診が必要です。 ・軽度または中等度の肝機能障害では、最大用量は1日1回200mgです。 ・重度の肝機能障害では禁忌です。 【腎機能障害】 ・腎機能障害では血中濃度が上がる可能性があるため、最大用量は1日1回300mgです。 ・血液透析を受けている末期腎機能障害の患者には使えません。 【併用薬・相互作用】 ・本剤は他の抗てんかん薬の血中濃度に影響することがあります。 ・フェニトインは上がりやすく、カルバマゼピンやラモトリギンは下がるおそれがあります。 ・クロバザムとの併用でも注意が必要です。 ・抗てんかん薬の併用は多いので、処方監査では併用薬の確認が重要です。 【妊婦・授乳婦】 ・胎盤通過性があり、動物試験では生殖発生毒性が確認されています。 ・妊婦または妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回る場合に限って投与します。 ・授乳中は、乳児への曝露が問題になり得るため、授乳を避けるよう注意喚起されています。
まとめ
セノバメートは、成人の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する新しい抗てんかん薬です。段階的に慎重へ増量する設計で、有効性は示されましたが、浮動性めまい、傾眠、肝機能障害などへの注意が欠かせません。
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