ウステキヌマブのバイオ後続品を承認 乾癬や炎症性腸疾患に新たな選択肢
薬の概要
- 販売名
- ウステキヌマブ BS 皮下注 45 mg シリンジ「明治」 / ウステキヌマブ BS 点滴静注 130 mg「明治」
- 一般名
- ウステキヌマブ(遺伝子組換え)[ウステキヌマブ後続5]
- 効能・効果
- ウステキヌマブ BS 皮下注 45 mg シリンジ「明治」:既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、乾癬性関節炎、中等症から重症の活動期クローン病の維持療法、中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法。ウステキヌマブ BS 点滴静注 130 mg「明治」:中等症から重症の活動期クローン病の導入療法、中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法。いずれも既存治療で効果不十分な場合に限る。
注目ポイント
尋常性乾癬は、皮膚に赤みや銀白色のうろこが出る病気です。乾癬性関節炎は、皮膚症状に加えて関節にも炎症が起こり、痛みや腫れの原因になります。クローン病と潰瘍性大腸炎は、腸に慢性的な炎症が続く病気で、腹痛、下痢、血便などが問題になります。 ウステキヌマブは、interleukin-12(IL-12:インターロイキン12)とinterleukin-23(IL-23:インターロイキン23)の共通部分であるp40サブユニットに結合するモノクローナル抗体です。これにより、炎症に関わるTh1およびTh17経路が抑えられ、乾癬や炎症性腸疾患の病態に働くと考えられています。今回の承認は、先行バイオ医薬品であるステラーラのバイオ後続品としての承認です。 審査では、品質、非臨床試験、臨床試験を通して、先行品と同等/同質であることが確認されました。臨床では、健康被験者での薬物動態(PK:pharmacokinetics、薬物動態)の比較に加え、尋常性乾癬患者で有効性の同等性が検証されました。主要評価項目であるPsoriasis Area and Severity Index(PASI:乾癬面積重症度指数)の変化率で同等性が示されており、バイオ後続品としての位置づけが支持されています。 実務上は、剤形で役割が分かれる点が重要です。皮下注製剤は乾癬、乾癬性関節炎、クローン病および潰瘍性大腸炎の維持療法に用い、点滴静注製剤はクローン病の導入療法と潰瘍性大腸炎の寛解導入療法に使います。クローン病や潰瘍性大腸炎では、点滴静注製剤を初回に投与した後、8週後から皮下注製剤へ移行する流れです。乾癬では通常45 mg皮下注から開始し、効果不十分なら90 mgまで増量できます。
注意点
【用法・用量の確認】 ・尋常性乾癬、乾癬性関節炎では、成人に45 mgを皮下投与します。初回、その4週後、以降は12週間隔です。 ・効果不十分な場合は、1回90 mgまで増量できます。 ・クローン病、潰瘍性大腸炎では、まず点滴静注製剤で導入し、8週後から90 mg皮下注へ切り替えます。以降は12週間隔ですが、効果が減弱した場合は8週間隔へ短縮できます。 ・点滴静注製剤の初回投与量は体重で決まります。55 kg以下は260 mg、55 kg超85 kg以下は390 mg、85 kg超は520 mgです。 【主な注意点】 ・承認条件として、医薬品リスク管理計画(RMP:Risk Management Plan、医薬品リスク管理計画)の策定と適切な実施が求められています。 ・RMP上の重要な特定されたリスクには、重篤な過敏反応、重篤な感染症、結核、間質性肺炎、悪性腫瘍、心血管系事象、膿疱性乾癬・乾癬性紅皮症の悪化または新規発現、免疫原性が挙げられています。 ・生物由来製品であり、原体・製剤ともに劇薬です。取り扱い時は施設ルールに従ってください。 【服薬指導・監査で意識したいこと】 ・感染症の既往や現在の発熱、咳、下痢などは確認が必要です。免疫を抑える薬のため、感染症の悪化に注意します。 ・結核の既往やスクリーニング歴も重要です。必要に応じて医師へ確認します。 ・点滴静注製剤と皮下注製剤で適応と使う場面が違うため、処方の意図を確認します。 ・自己注射や在宅管理が想定される場合は、投与間隔が長い薬なので、次回投与日の確認漏れに注意します。 ・副作用として重い過敏反応の可能性があるため、初回投与後の体調変化や発疹、呼吸苦などの訴えには注意します。
まとめ
ウステキヌマブのバイオ後続品が、皮下注製剤と点滴静注製剤の組み合わせで承認されました。乾癬では皮下注、炎症性腸疾患では導入に点滴静注、維持に皮下注を使う点を押さえることが大切です。実務では、感染症や結核などの注意点と、剤形ごとの使い分けを確認しておく必要があります。
詳細は審査報告書をご確認ください。
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