転職

40代の薬剤師は転職サイトで相手にされない?|登録先の選び方と希望条件の伝え方

公開日: 監修: 加藤智之(薬剤師)

40代で転職サイトへの登録を迷う薬剤師へ。紹介される求人が年齢で減るかは公的資料では判断できません。登録先は希望する働き方や職場、サポートで選びます。年齢制限のある求人の見方と、登録時に経験や譲れない条件を担当者へ伝える方法を紹介します。

登場キャラクター

登場人物は架空のキャラクターです。セリフに出てくる現場のエピソードは、読者の状況を説明するための架空の例で、特定の人物の体験ではありません。記事の内容は監修者(薬剤師)が確認しています。

薬剤師じいさん

薬剤師じいさん

経験豊富なベテラン薬剤師という設定の案内役。公的データと現場の実情をもとに、若手薬剤師の悩みにズバッと答えます。

みさ

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新卒2年目の若手薬剤師。病院で働いているけど、年収やキャリアに不安を感じている。全国の悩める若手薬剤師を代表して、気になることをどんどん質問していきます!

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読者からの相談

調剤薬局で働く43歳の薬剤師です。子どもの送り迎えがあるので、18時までに帰れる薬局へ移りたいと思っています。ところが「薬剤師 転職サイト 40代」で調べると、どの記事も違うサイトを勧めていて、「40代は紹介される求人が減る」とも書かれています。転職サイトの求人を見ても「〜39歳まで」「20代・30代活躍中」と書かれたものがあり、登録しても相手にされないのではと思うと、どこにも登録できずにいます。

📌この記事のポイント
  • 40代の薬剤師が転職サイトを年齢で選ぶ必要はない。登録先は働き方・職場・サポートの希望で決める
  • 応募先が年齢を理由に採否を決めることは、転職サイト経由でも原則として禁止されている
  • 登録時は、これまでの経験と家庭の事情から来る条件を、転職サイトの担当者に伝える

まず結論:40代だからといって転職サイトを年齢で選ぶ必要はない。登録先は働き方・職場・サポートの希望で決める

先生
18時までに帰れる薬局へ移りたい。それなのに、調べるほど「40代は求人が減る」と出てきて、どこにも登録できずにおる。相談者さんは、登録の手前で止まっておるんじゃな。
新人
記事ごとに勧めるサイトが違うと、どれを信じればいいのか分からなくなりますよね…。そこに「40代は紹介される求人が減る」とまで書かれていたら、登録する気持ちがしぼんでしまいそうです。
先生
先に答えを言うておこう。40代だからといって、「40代向けの転職サイト」を探す必要はない。年齢で転職サイトを選び分ける根拠は無いんじゃ。
新人
えっ、年齢では選ばないんですか。じゃあ、何で選べばいいんでしょう。
先生
登録先を分けるのは条件じゃ。転職サイトによって、多く扱う求人の雇用形態や地域、担当者がどこまで手伝うかが違うからの。どんな働き方をしたいか。どんな職場に、どこで移りたいか。転職活動をどこまで手伝ってほしいか。この3つで、合う転職サイトが変わる。
転職サイトの登録先は、年齢ではなく3つの条件で決まる。1 どんな働き方をしたいか(正社員かパートか・何を重視して働きたいか)、2 どんな職場にどこで移りたいか(薬局・ドラッグストア・病院・通える勤務地)、3 転職活動をどこまで手伝ってほしいか(面接対策まで任せたいか・求人だけ紹介してほしいか)、を示す図
新人
年齢ではなく条件で合うサイトが変わるなら、おすすめが記事ごとに1つに決まらないのも無理はないですね。
先生
そういうことじゃ。家庭の事情から来る条件は、「どんな働き方をしたいか」の一つとして、登録先を選ぶときにも使う。そのうえで、これまでの経験や「18時までに退勤」のような細かい中身は、登録するときに担当者へ伝えるんじゃ。
新人
選ぶときは大まかな条件、登録したら細かい中身を伝える。順番が分かれば、登録の手前で止まっている人も動き出しやすくなりそうですね。
先生
条件から登録先を絞るなら、このサイトの転職サイト診断を使うとよい。働き方・職場・勤務地・サポートの希望など6つの質問に答えると、合いそうな転職サイトを3つまで絞れる。登録の前に、候補を確かめておくとよいぞ。

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なお、次のいずれかに当てはまる方には、それぞれの記事が先に役立ちます。ブランクがあって復帰の準備から考えたい方、調剤の経験がなく採用されるかが心配な方、すでに登録したのに求人の紹介が止まってしまった方です。3つ目は50代向けの記事ですが、紹介が止まる原因の確かめ方は40代でも同じです。

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年齢を理由に採否を決めることは、転職サイト経由の募集でも原則として禁止されている

先生
求人票に「〜39歳まで」と書かれておると、40代は応募しても年齢だけで落とされるのでは、と身構えてしまうものじゃな。
新人
そこが一番の不安ですよね。書類を出しても、年齢を見ただけで外されるんじゃないかって。
先生
まず、40代が薬剤師の中でどれくらいいるかじゃ。厚生労働省の「令和6年 医師・歯科医師・薬剤師統計」によると、薬剤師329,045人のうち、40〜49歳は74,118人(22.5%)。30代に次いで多い年代じゃ。薬局で働く薬剤師に限っても、40代の割合は同じ22.5%になる。
新人
5人に1人強が40代なんですね。少数派どころか、薬剤師の中では多い層だったなんて…。
先生
次に法律じゃ。労働施策総合推進法9条とは、労働者の募集・採用で、年齢にかかわりなく均等な機会を与えることを事業主に求める条文じゃ。厚生労働省のリーフレット「その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?」は、募集・採用の際は原則として年齢を不問にしなければならない、と説明しておる。
新人
求人票の書き方の決まりかと思っていました。転職サイトを通した募集にも当てはまるんですか?
先生
当てはまる。ハローワークだけでなく、民間の職業紹介事業者、つまり転職サイトや転職エージェントを通じた募集にも、求人広告にも及ぶ。求人票を「年齢不問」にしたうえで、書類選考や面接で年齢を理由に採否を決めることも法律違反じゃ。
新人
求人票だけじゃなくて、書類や面接で選ぶときにも、年齢を理由にできないんですね。
先生
ただし、法律が決めておるのは、応募先が年齢を理由に採否を決めてはならん、というところまでじゃ。転職サイトが登録者にどの求人をどれだけ紹介しておるかを年齢別に示した公的な資料は無い。じゃから「40代は紹介が減る」が本当かどうかは、ここでは言えん。
新人
紹介の数は分からない。でも、応募した先が年齢だけを理由に落とすことは、法律で原則として禁止されている。分けて考えればいいんですね。
先生
そういうことじゃ。自分の条件に合う求人を紹介してもらうには、登録するときに何を伝えるかが大切なんじゃ。
新人
年齢は変えられなくても、何を伝えるかは自分で決められる。そう思うと、少し気が楽になりますね。
先生
ただ、年齢の条件がついた求人を見かけることはある。法律が年齢の条件を認める例外があるからじゃ。例外の種類と、求人票の年齢欄の読み方は、こちらの記事で詳しく説明しておる。
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上限が45歳未満の若年者向けの求人は40代前半も対象になりうるが、処遇は新卒と同等

先生
「若手募集」と書かれた求人を見て、40代はもう無理だとページを閉じた人もおるじゃろう。じゃが、上限の書き方によっては、40代前半が応募できる若手向けの募集もありうる。
新人
若い人向けと書かれていたら、40代は最初から対象外だと思ってしまいます…。
先生
例外の1つに、若い人に長く勤めてもらい、仕事の経験を積んでもらう前提の求人がある(労働施策総合推進法の施行規則1条の3第1項3号イ)。上限年齢は35歳未満を基本とし、それより高くする場合も「おおむね45歳未満」を目安とする、と厚生労働省は示しておる。上限を40歳未満や45歳未満にした求人もありうるんじゃ。
新人
45歳未満なら、40代前半も入るかもしれないってことですか?
先生
そうじゃ。上限が45歳未満の求人なら、40〜44歳は対象になりうる。45歳以上は対象外じゃ。43歳の相談者さんも、上限が45歳未満の求人なら対象になりうる。
新人
それなら、40代前半は選べる求人が少し広がりそうですね。
先生
ただし、この募集は職務経験を問わず、新卒と同等の処遇で採る前提じゃ。厚生労働省のQ&Aは、昇給やキャリアパス(入社後に経験する仕事や役職の道筋)が新卒と同等であることを指すと説明しておる(初任給が多少違うことはありうる)。これまでの経験を給与や役割に反映させたい人には、合わないことがあるぞ。
新人
対象に入るかどうかだけじゃなくて、入ったあとの扱いも見ないといけないんですね。

「〜39歳まで」の求人は、年齢の条件の理由を転職サイトの担当者に聞ける

先生
「〜39歳まで」と書かれた求人を見ると、担当者に問い合わせること自体がためらわれるものじゃ。
新人
40代が聞いたら、印象が悪くなりそうで…。
先生
じゃが、「〜39歳まで」という条件も、上限年齢が65歳未満の場合に当たるんじゃ。上限年齢が65歳未満の求人では、求人を出す側が、求職者と職業紹介事業者に理由を示す義務を負う(高年齢者雇用安定法20条1項)。
新人
理由を示す義務があるのは、薬局や病院のほうなんですね。
先生
そうじゃ。求人票に書ききれない場合も、求職者が求めれば、不必要に遅らせずに書面などで示すことになっておる(厚生労働省Q&A Q1-18・Q1-19)。転職サイトの担当者も理由を示される側じゃから、「年齢の条件の理由は何ですか」と聞いて構わんのじゃ。
新人
理由が分かれば、長く勤めて経験を積んでもらうための若い人向けの募集なのかどうかも見えて、応募するかを自分で決められますね。
先生
「20代・30代活躍中」のほうは、応募の条件として書かれたものとは限らん。厚生労働省のQ&Aは、「スタッフ全員が20代」のように実際のスタッフの年齢を示す表現は、直接には年齢制限に当たらないとしておる(Q1-1)。気になるなら、担当者に職場の様子を聞いてみるとよい。
新人
「活躍中」と書かれていても、それだけで応募の条件とは限らないんですね。見ただけでページを閉じる前に、聞いてみる手があると。
先生
応募の段階で年齢だけを理由に外すことは、法律で原則として禁止されておる。気になる求人に年齢の条件があれば、理由を聞いてから決めればよいんじゃ。

転職サイトに登録するときは、これまでの経験と譲れない条件を担当者に伝える

先生
登録フォームの自由記入欄を前にして、何を書けばよいか手が止まる人は多いものじゃ。担当者が求人を選ぶ大きな手がかりは、登録するときに伝えたことじゃ。伝えることを、先に3つ決めておこう。

!登録するときに担当者へ伝える3つ

  • これまでの経験(担当業務の年数・在宅の月間担当件数・教えた新人の数など)
  • 送り迎えや介護から来る、譲れない条件
  • 年齢上限のある求人については、その年齢の条件を設けた理由も教えてほしいこと
新人
書くことが3つに決まっていれば、自由記入欄で手が止まる人も減りそうです。
先生
3つ目の年齢上限のある求人は、さっき見たとおり、理由を担当者に聞ける。登録するときに「年齢の条件がある求人は、理由もあわせて教えてほしい」と頼んでおけば、求人ごとに聞き直さずに済む。
新人
先に頼んでおけば、理由が分かった状態で求人を見られますね。
先生
これまでの経験と、送り迎えや介護から来る譲れない条件は、書き方ひとつで、担当者が探す求人が変わる。

これまでの経験は、在宅の件数など数字で書き出して転職サイトの担当者に伝える

先生
1つ目は経験じゃ。経験を聞かれても、とっさに「調剤経験20年です」としか言えん人は多い。じゃが年数だけでは、担当者は求人と結び付けにくい。これまで担ってきた業務を、数字で書き出すんじゃ。
新人
たしかに「20年」だけだと、何ができる人なのかは伝わらないですね。
先生
たとえば、在宅を担当してきた薬剤師がいたとしよう。「在宅を5年、月に20件ほど担当」「新人を3人教えた」と書き出せば、担当者は在宅に力を入れる薬局や、教育係を求める薬局の求人と照らし合わせられる。管理薬剤師や他店舗の応援なども、同じ形で書けるぞ。
新人
これまでの経験を、担当者が求人と照らし合わせやすいように伝えるんですね。管理薬剤師をしてきた人は、何か気をつけることはありますか?
先生
移った先でも管理薬剤師を続けたいか、一般の薬剤師として移りたいかを先に決めて伝えることじゃ。どちらを選ぶかで、担当者が探す求人が変わるからの。
新人
数字と、続けたい役割まで伝えておけば、担当者も合う求人と照らし合わせやすくなりますね。

送り迎えや介護から来る条件は、「できれば」の希望と分けて、譲れない条件として転職サイトの担当者に伝える

先生
2つ目は家庭の事情じゃ。送り迎えや介護の話は、わがままと思われそうで言い出しにくいものじゃな。
新人
相談者さんの「18時までに退勤」も、言い方に迷いそうです。
先生
子どもの送り迎え、親の介護、通勤にかけられる時間。家庭の事情から来る条件は、「できれば」と分けて、「これは譲れない」と伝えるんじゃ。
新人
希望ではなく、外せない条件として出すんですね。
先生
そうじゃ。相談者さんなら「18時までに退勤」は譲れない。年収や職場の規模は「できれば」の側に置く。条件を出せば、紹介される求人の数は絞られるじゃろう。じゃが、18時に帰れない求人が何件届いても、相談者さんには選べん。
新人
数が減っても、届くのが選べる求人なら、そのほうが無駄がないですね。

まとめ:40代向けの転職サイトを探さず、経験と譲れない条件を書き出して、条件で登録先を決める

40代の薬剤師が転職サイトに登録するときのポイント

  1. 1転職サイトは年齢ではなく、働き方・職場・サポートの希望で選ぶ
  2. 2応募先が年齢を理由に採否を決めることは、原則として禁止されている
  3. 3登録時は、これまでの経験と譲れない条件を担当者に伝える
  4. 4「〜39歳まで」の求人は、年齢の条件の理由を担当者に聞ける
先生
「40代向け」を探すより、自分の条件を書き出すほうが、登録先は決めやすい。転職サイト診断では、書き出した譲れない条件に近い選択肢を選べる。たとえば「転職で特に重視したいこと」には、「子育て・家庭と両立したい」「残業や休みを見直して無理なく働きたい」などがある。「18時まで」のような細かい中身は、登録してから担当者に伝えればよい。
新人
送り迎えの条件も、近い選択肢で選べるんですね。
先生
診断には、転職活動のサポートがどのくらい必要かを聞く質問もあるぞ。
新人
40代なら、手厚いサポートを選んだほうがいいんでしょうか?
先生
年齢で決めることはない。面接対策まで手伝ってほしいか、条件に合う求人だけ紹介してほしいか、自分の進め方で選べばよい。診断も年齢は聞かん。答えるのは条件だけじゃ。
新人
条件を答えて候補を3つに絞るところからなら、「どこにも登録できずにいる」相談者さんも始められますね。

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よくある質問

Q. 40代の薬剤師におすすめの転職サイトはありますか?

A. 年齢で転職サイトを選び分ける根拠はありません。どんな働き方をしたいか、どんな職場にどこで移りたいか、転職活動をどこまで手伝ってほしいかという条件で選びます。これまでの経験や「18時までに退勤」のような細かい条件は、登録時に担当者へ伝えます。

Q. 「〜39歳まで」と書かれた求人に、40代が応募してもいいですか?

A. 応募するかは、年齢の条件の理由を確かめてから決められます。「〜39歳まで」のように上限年齢が65歳未満の求人では、求人を出す側に理由を示す義務があります。理由を示す相手は、求職者と職業紹介事業者です(高年齢者雇用安定法20条1項)。転職サイトの担当者に理由を聞けば、若い人向けの募集など、年齢制限が認められる例外にあたるかを確かめる手がかりになります。そのうえで、応募するかを判断できます。

Q. 転職サイトを通して応募すると、求職者に費用はかかりますか?

A. 担当者が付く転職サイトは、ふつう有料で職業紹介を行う事業者にあたります。ただし、職業安定法により、求職者から手数料を取ることは原則としてできません。行きたい職場が決まっているなら、転職サイトを通さずに直接応募することもできます。