50代で転職エージェントに登録したのに求人を紹介されない。それは年齢のせいとは限りません。職業安定法は申込みの受理と求人の紹介を分けて定めています。紹介が止まる3つの原因の確かめ方と、担当者へ送る1通の文面、エージェント以外の探し先まで解説します。
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読者からの相談 調剤薬局で正社員として働く55歳の薬剤師です。通勤の負担を減らしたくて、半年前に転職サイトに登録しました。最初の面談で「年収は今と同じくらい、自宅から30分以内、土日休み」と伝えると、2週間ほどは求人のメールが届いたのですが、その後ぱったり来なくなりました。担当の方に問い合わせる気にもなれず、やっぱり50代は転職エージェントに断られるのだと思って、別のサイトに登録し直そうか迷っています。
📌 この記事のポイント
紹介されないのは年齢のせいとは限らない。断られたのではなく合う求人が無いだけのこともある 紹介が止まる原因は、登録先の範囲・希望条件・担当者との相性の3つに分けて確かめる 担当者への1通で確かめ、進まなければ原因に合わせて登録先を選び直す 1 まず結論:転職エージェントに紹介されないときは、年齢のせいと決めずに3つの原因を1通で確かめる 2 求人の紹介が止まる原因は、登録先の範囲・希望条件・担当者との相性の3つ 3 担当者に1通送って、紹介できる条件を確かめる 4 エージェント以外の探し先を1つ足す——50代で転職した人の4割はハローワーク等を使っていた 5 今の登録先で進まないと分かったら、原因に合わせて登録先を選び直す 6 まとめ:「断られた」と決める前に、担当者に1通送り、探し先を1つ足す まず結論:転職エージェントに紹介されないときは、年齢のせいと決めずに3つの原因を1通で確かめる 先に答えを言っておこう。転職エージェントから紹介が止まっても、それが年齢のせいかどうかは、条文からも統計からも分からん。分かるのは、原因を3つに分けて確かめる方法があることじゃ。
相談者さんは、もう「50代だから断られた」と決めてしまっている感じでしたよね。そうとは限らない、ということですか。
そうじゃ。「断られた」に見える状態には2つある。申込みを受け付けてもらえなかった場合と、受け付けたうえで今の希望に合う求人が無い場合じゃ。職業安定法も、申込みの受理と求人の紹介を分けて定めておる。
受け付けてもらえないのと、合う求人が無いのとでは、次にやることが全然違いそうですね。
紹介が止まる原因は、登録先が扱う範囲・希望条件・担当者との相性 の3つじゃ。明日やるのは、担当者に1通送って、どの条件を変えれば紹介できるかを聞くことじゃ。
問い合わせる気になれない、と相談者さんは書いていましたけど、聞くことが決まっていれば送りやすくなりそうですね。
登録先の範囲の案内が手元にあれば、あわせて読んでおくとよい。そして並行して、エージェント以外の探し先を1つ足す。順に見ていこう。
求人の紹介が止まる原因は、登録先の範囲・希望条件・担当者との相性の3つ まず、受け付けと紹介について、条文がどう書いておるかを見ておこう。
職業安定法は第5条の7で、転職エージェントのように求人を紹介する事業者(職業紹介事業者)は、求職の申込みを「全て受理しなければならない」と定めておる。一方で第5条の8は、求職者に「その能力に適合する職業を紹介…するように努めなければならない」と定めておる。
受け付けは「全て」で、紹介は「努める」。書き方が違うんですね。
よく気づいたの。それに、取り扱う職種などの範囲を定めた事業者は、それを届け出ることになっておって、その場合、申込みを全て受理する原則はその範囲の中で適用される。
つまり、紹介できる求人が今は無い、ということは条文のうえでも起こりうるんですね。
そういうことじゃ。紹介が止まっても、それだけで相談者さんが断られたことにはならん。そのうえで、紹介が止まる原因を3つに分けて、それぞれの確かめ方を並べておこう。
範囲:登録先が扱う職種・地域に、自分の希望が入っていない → 登録時の書面・メールや規約の案内で、取り扱う職種と地域を読む 条件:希望年収・勤務地・勤務時間・雇用形態のどれかが、今ある求人と合っていない → 担当者に「どの条件を1段変えれば紹介できるか」を聞く 相性:担当者や登録先の得意分野が、自分の希望と合っていない → 1通に返事が来るか、話がかみ合うかを見る 1つ目の範囲の案内って、登録したときに届いているものなんですか? 半年前のメールだと、探すのも大変そうです。
職業安定法とその施行規則は、事業者が申込みを受理した後に、取り扱う範囲を知らせることを定めておる。登録時の書面やメール、規約に案内があれば、希望の職種や地域が入っておるかを見ればよい。
もし見つからなかったら、やっぱり受け付けてもらえていなかった、ということになりませんか。
見当たらなくても、受け付けられていないとは限らん。受け付けの有無は、このあとの1通で聞けば確かめられる。
探し出せなくても、聞けばいいんですね。ただ、薬剤師は人手不足だとよく聞くので、紹介が来ないのがどうしても腑に落ちない人もいそうです。
人手不足かどうかと、相談者さんの3つの希望に合う求人がその登録先に今あるかは、別の話じゃ。
相談者さんの希望は「今と同じくらいの年収」「自宅から30分以内」「土日休み」の3つでしたね。
相談者さんは最初の2週間は求人が届いておったから、残るのは主に条件か相性じゃ。どれが今ある求人とずれておるのかは、担当者にしか分からん。だから聞くんじゃ。
担当者に1通送って、紹介できる条件を確かめる ここでは、担当者に送る文面を1つ作る。問い合わせる気力が出んときほど、空欄を埋めるだけで送れる形にしておくのが近道じゃ。
空欄を埋めればそのまま送れる、担当者への1通 聞くことは2つじゃ。今の希望のままでは紹介できる求人は無いのか。どの条件を1段変えれば紹介できる求人があるか。念のため、求職の申込みが受け付けられておるかも一言添えておくとよい。
「なぜ紹介が来ないんですか」と責めるのではなく、事実を聞く形なんですね。これなら角も立たなそうです。
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担当者へ送る1通 お世話になっております。◯月に登録した◯◯です。現在の希望(◯◯・◯◯・◯◯)のままでは、ご紹介いただける求人は無いという状況でしょうか。◯◯の条件を変えればご紹介いただける求人があるか、教えてください。あわせて、私の求職の申込みが受け付けられているかも確認させてください。
月と名前のほかに埋めるのは、今の希望と「変えてもよい条件」の2か所だけじゃ。
今の希望はすぐ書けますけど、変えてもよい条件はどう選べばいいんでしょう。
譲れないものを先に外せばよい。相談者さんは通勤の負担を減らしたくて登録したのじゃから、「30分以内」は動かせん。残るのは土日休みか年収じゃな。
年収を入れるかどうかは、迷いそうです。今と同じくらい、というのが高いのか低いのか、相談者さんも分からないと思うので…。
年収を入れるか迷うなら、1通を送る前に今の相場を確かめておくと決めやすくなるぞ。
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返事が来て、紹介がまた届くようになったら、それで一段落ですか?
紹介が戻れば一段落じゃ。条件を変えるなら今の担当者に伝えれば済むから、転職サイトを増やす必要はない。ハローワークなどの探し先は、それとは別に並行して足しておけばよい。
1通に返事が来ない・話がかみ合わないときは、担当者の変更を頼む 返事が来ない。変えられる条件を聞いても答えが返らん。希望と関係ない求人ばかり届く。こうした場合は、担当者との相性の問題として扱う。
担当の方を変えてほしいと言うのは、気が引ける人も多そうです…。
担当者を責める必要はない。担当の方を変えてもらえないか、頼んでよいのじゃ。担当者を替えても進まんときは、登録先そのものを選び直す段階じゃが、それはあとで話そう。
相性の問題なら、人を替えてもらうのは自然なことなんですね。
担当者の変更をどう頼むかは、こちらの記事にあります。連絡が多すぎて困っている人向けの記事ですが、担当者変更 → 連絡停止 → 退会の順と、頼むときの一言が載っています。
あわせて読みたい薬剤師の転職サイト、電話がしつこいときの断り方|今日送る1通で止める
連絡の条件を先に決めておく1通の書き方と、それでも合わないときの担当者変更・連絡停止の依頼・退会の順番を解説
エージェント以外の探し先を1つ足す——50代で転職した人の4割はハローワーク等を使っていた 紹介が止まると、エージェントしか道が無いように感じてしまうものじゃ。じゃが、50代で転職した人は、転職エージェントだけで動いておらん。厚生労働省の令和7年転職者実態調査で、転職活動の方法を年齢別に見てみよう。
転職活動の方法(複数回答)。16大産業・常用労働者5人以上の事業所にフルタイムで転職した人が対象で、薬剤師だけの値ではない。総数は年齢不明を含む転職者計(厚生労働省「令和7年転職者実態調査」表12より)
年齢 ハローワーク等の公的機関 民間の職業紹介機関 総数 29.6% 20.9% 30〜34歳 16.3% 22.8% 35〜39歳 30.1% 32.2% 40〜44歳 29.6% 18.2% 45〜49歳 30.4% 18.7% 50〜54歳 42.5% 17.9% 55〜59歳 40.4% 19.6%
50代は、ハローワーク等の公的機関の割合が高いんですね。50〜54歳で42.5%、55〜59歳で40.4%。
転職した人全体の29.6%より高い。一方、民間の職業紹介機関は50代で2割弱じゃ。転職した人全体や40代と同じくらいで、30代よりは低い。
30代より低いのは確かですけど、50代でも5人に1人くらいは使っているんですね。
ただし読み方には注意がいる。16の産業を対象にした調査で、薬剤師だけの値ではない。複数回答の利用率じゃから、両方を使った人がどれだけいるかは、この表からは分からん。
それに、フルタイムで転職できた人の調査ですよね。紹介されずに諦めた人は入っていない、ということですか。
その通りじゃ。だから「50代でもエージェントで決まる」とは読まん。言えるのは、50代で転職した人がエージェントだけで動いておらん、ということまでじゃ。
エージェント1本に絞らなくていいと分かれば、相談者さんも少し肩の力が抜けそうです。でも、ハローワークに薬剤師の求人ってあるんでしょうか。
あるかどうかは、自分の地域の求人検索で見てみればよい。今週やることは、エージェント以外の探し先を1つ足すこと。ハローワークの求人検索か、働いてみたい薬局の採用ページじゃ。
働いてみたい薬局に直接応募するときは、どこに気をつければいいのか気になります。
転職サイトを通さずに直接応募するときに自分で担うことは、こちらの記事で整理しています。
あわせて読みたい薬剤師が転職サイトを使わないほうがいい場合とは|分かれ目は「行きたい職場があるか」
転職サイトを使わない場合に自分で担う作業、直接応募で労働条件を書面で確かめる方法、応募経路を1つに決める理由を解説
今の登録先で進まないと分かったら、原因に合わせて登録先を選び直す 1通の返事で紹介が再開した人は、ここは読み飛ばしてかまわん。条文も受け付けと紹介を分けて書いておる。紹介が止まっても、それだけで断られたことにはならん。
そう言ってもらえると、相談者さんも少し救われると思います。
登録先を選び直すのは、1通を経て次のどれかと分かったときじゃ。
条件を変えても、今の登録先に紹介できる求人が無い 希望が、登録先の扱う範囲の外だった 担当者を替えても、返事が来ない・話がかみ合わない 登録し直すとなると、お金がかかったりしないかも気になります。
担当者が付くエージェント型の転職サイトは、ふつう有料の職業紹介事業者じゃ。職業安定法で、原則として求職者から手数料を取れんことになっておる。調剤薬局やドラッグストアの求人の紹介では、手数料は通常かからん。
お金の心配はまずいらないんですね。相談者さんが迷っていた「別のサイトに登録し直す」も、ここで出てくるわけですね。
ただし、原因を確かめないまま別のサイトに登録し直しても、結果は変わりにくい。今の希望条件に合う求人が無いのなら、条件を1段変えたうえで探す。希望が登録先の範囲の外だった、担当者を替えても進まなかった、というときは、条件はそのままでよい。選び直すときは、何を変えるか を決めてから比べるのじゃ。
変えるものというと、たとえば正社員だけでなくパートや契約社員も含めて探す、といったことですか。
そうじゃ。条件はそのままの人も、支援の受け方は決めておくとよい。求人紹介から面接対策まで手厚く支援してほしいのか、条件に合う求人だけ送ってほしいのか。ここを決めてから比べればよい。
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まとめ:「断られた」と決める前に、担当者に1通送り、探し先を1つ足す 転職エージェントに紹介されないときのポイント
1 紹介されないのは年齢のせいとは限らない。合う求人が今は無いだけのこともある 2 原因は登録先の範囲・希望条件・担当者との相性の3つ。1通で確かめる 3 50代で転職した人の4割はハローワーク等を使っていた。探し先を1つ足す 4 今の登録先で進まないと分かったら、原因に合わせて登録先を選び直す 紹介が止まると、年齢で決めつけられたように感じるものじゃ。じゃが、確かめる順番を知っておれば、次にやることは決まる。
相談者さんが「50代だから」で止まっていたところが、確かめられることに変わりますね。まずは担当者への1通からですね。
うむ。それで進まんと分かったら、何を変えるかを決めて登録先を選び直せばよい。
一度で終わりにしなくていいと分かれば、相談者さんももう一度動いてみようと思えそうですね。
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