薬剤師の転職で大手と中小どっちを選ぶか。令和7年の統計では年収は年齢帯で逆転し、45〜59歳は1,000人以上の会社の平均が高い一方、1店舗の薬局の一般薬剤師は低い部類でした。譲れない条件を1つ決め、配属店舗と求人票で確かめる手順を解説します。
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読者からの相談 調剤薬局で働く37歳の薬剤師です。転職活動をしていて、大手チェーンから年収530万円、3店舗の中小薬局から年収600万円の提示を受けました。大手は研修がしっかりしていると聞きますが、エリア内の異動があると言われています。中小は70万円高いのに、配属予定の店舗は薬剤師が2人だけで、合わなかったら逃げ場がない気がします。今は中小が高くても、10年後もそうなのかが分からず、大手と中小どっちに決めればいいのか返事を先延ばしにしています。
📌 この記事のポイント
薬剤師の転職で大手と中小どっちが得かは規模だけでは決まらず、譲れない条件で比べる欄が変わる 年収は年齢帯で逆転し、45〜59歳は1,000人以上の会社の平均が高い 応募前に、配属店舗の薬剤師数と求人票の賞与・変更の範囲を確かめる 1 まず結論:薬剤師の転職で大手か中小かは会社の規模では決めきれない。譲れない条件を1つ決め、年収なら年齢帯で比べる 2 薬剤師の転職でいう大手チェーン・中小・個人薬局の違い(この記事での呼び方) 3 大手と中小の薬剤師の年収は年齢帯で逆転する:45〜59歳は1,000人以上の会社が10〜99人より約97〜188万円高い 4 薬局の店舗数で比べると薬剤師の年収は単調に並ばず、個人薬局(1店舗)が高いとは限らない 5 薬剤師の提示年収は同じ額でも中身が違う:令和7年の企業規模別平均では、大きい会社は賞与が厚く、小さい会社は月給が厚い 6 研修・転勤・人間関係で大手と中小はどう違うか:研修は会社の規模で差が出て、転勤は求人票で確かめ、人間関係の逃げ場は会社の店舗数(異動先があるか)で変わる 7 年収・転勤・研修・人間関係・仕事のやり方のうち譲れない条件を1つ決めると、規模で選ぶか応募先ごとに確かめるかが決まる 8 応募前に、配属店舗の薬剤師の人数と、求人票の賞与・就業場所の変更の範囲を確かめる 9 まとめ:大手か中小かは規模だけで決めず、譲れない条件で比べる欄を決め、年収は年齢帯で比べ、最後は配属店舗で確かめる まず結論:薬剤師の転職で大手か中小かは会社の規模では決めきれない。譲れない条件を1つ決め、年収なら年齢帯で比べる まず結論じゃ。薬剤師の転職で大手と中小のどちらが得かは、会社の規模だけでは決まらん 。公的統計では、年収は年齢帯で逆転し、薬局の店舗数とも単調には並ばんのじゃ。
相談者さんは、中小の提示が70万円高いのに返事を先延ばしにしていましたよね。規模で決まらないなら、何で決めればいいんでしょう…。
進め方は3つじゃ。1つ目は、年収・転勤・研修・人間関係・仕事のやり方のうち、一番譲れない条件を1つ決める こと。
会社を比べる前に、自分の条件を先に決めるんですね。
2つ目は、年収が理由なら、全年齢の平均ではなく自分の年齢帯で比べる こと。3つ目は、応募前に配属店舗の薬剤師の人数と、求人票の賞与・就業場所の「変更の範囲」を見る ことじゃ。
最後は会社の看板ではなく、配属される店舗と求人票で確かめるんですね。
そうじゃ。統計が示すのは傾向までで、「規模で決まる」とは言えん。わしはどちらも勧めん。「中小は高年収」「大手は安定」を統計で確かめたうえで、決めるのは相談者さん自身じゃ。
どちらかを勧められるより、そのほうが納得して選べそうです。
薬剤師の転職でいう大手チェーン・中小・個人薬局の違い(この記事での呼び方) 比べる前に、言葉をそろえておこう。言葉がそろっていないと、統計を読み違えるからのう。この記事でいう大手チェーンとは、広い地域に多くの店舗を持つ会社 のこと。個人薬局は、1店舗だけの小さな薬局 を指す。会社組織か個人経営かは問わん。
この記事での呼び方
呼び方 この記事での意味 大手チェーン 広い地域に多くの店舗を持つ会社 中小 大手チェーンより規模の小さい会社の総称。一つの地域に複数の店舗を持つ会社・数店舗の薬局・個人薬局を含む 個人薬局 1店舗だけの小さな薬局(会社組織か個人経営かは問わない)
「中小」の中に、地域のチェーンから個人薬局まで入るんですね。何店舗から大手、という線はないんですか?
店舗数の線引きに公的な定義はないから、この記事では数字で区切らん。気をつけたいのは、統計の物差しが2つあることじゃ。1つ目の賃金構造基本統計調査の「企業規模」は、会社全体の常用労働者数 で、店舗数ではない。
人数の多い会社が、店舗も多いとは限らないんですね。
そうじゃ。しかも、この記事で使う年齢帯別の表は企業規模10人以上の区分で、従業員5〜9人の会社は含めておらん(5〜9人は別の表で公表されておる)。病院・ドラッグストア・製薬企業の薬剤師も混ざる。
同じ「大きい会社」でも、薬局とは限らないんですね。
2つ目の医療経済実態調査の「店舗数」は、同じグループの店舗数 (自施設を含む)じゃ。「1店舗」には、法人の薬局も、開設者が個人の「個人立」の薬局も入りうる。
「大きい会社・小さい会社」は人数の話、「店舗の多い会社」は店舗数の話、と分けて読めばいいんですね。
大手と中小の薬剤師の年収は年齢帯で逆転する:45〜59歳は1,000人以上の会社が10〜99人より約97〜188万円高い まずは一番気になる年収じゃ。令和7年賃金構造基本統計調査で薬剤師の年収を企業規模別に見ると、全年齢の平均では10〜99人の会社が586.8万円で一番高い 。
ところが、平均年齢は10〜99人が47.0歳、1,000人以上が36.2歳で、10.8歳違う 。
10歳以上も違うなら、全年齢の平均をそのまま比べるのは危ないですね。
そうじゃ。年齢帯をそろえると、45〜59歳は1,000人以上の会社が10〜99人より約97〜188万円高い んじゃ。
令和7年 薬剤師の企業規模別・年齢帯別の年収(万円・きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額の額面。賃金構造基本統計調査 職種第1表・第5表から算出)
年齢帯 1,000人以上 100〜999人 10〜99人 全年齢(平均年齢) 564.9(36.2歳) 562.7(44.3歳) 586.8(47.0歳) 25〜29歳 493.5 485.5 539.5 30〜34歳 545.4 509.0 510.9 35〜39歳 614.5 544.4 622.0 40〜44歳 593.3 583.8 639.1 45〜49歳 724.9 643.0 628.0 50〜54歳 723.8 610.4 586.7 55〜59歳 785.2 614.3 597.2
若い年代だと、10〜99人のほうが高い帯が多いですね。でも30〜34歳だけは1,000人以上が高いんですね。
よく見ておる。25〜29歳・35〜39歳・40〜44歳は10〜99人が高く、30〜34歳は1,000人以上が545.4万円で、10〜99人の510.9万円より高い。45〜59歳の3つの帯は、どれも1,000人以上が高い。表に載せていない60歳以上は、帯によってまた入れ替わる。
「中小のほうが年収が高い」は、年齢帯によっては逆なんですね…。
ただし、この表を読むときの注意がいくつかある。まとめておこう。
病院・ドラッグストア・製薬企業の薬剤師と、管理職・役職者が混ざる。「薬局の規模」の差そのものではない 1,000人以上の45〜59歳が高いのは、役職者や企業勤務の比重の影響を受けうる。「大手に勤め続ければ上がる」とは言えない 企業規模10人以上の区分の表で、従業員5〜9人の会社は含めていない(5〜9人は別の表で公表されている) 1年分の値で年ごとに振れる。今の45〜49歳の人たちの平均で、同じ人の10年後の予測ではない 月給は令和7年6月分、賞与は令和6年1年分の値。その後の各社の賃上げは入っていないので、今の差は求人票の提示額で確かめる 「大手に勤め続ければ上がる」とまでは言えないんですね。相談者さんは37歳でしたけど、どう読めばいいでしょう。
相談者さんの37歳は、35〜39歳の帯じゃ。この帯の平均は1,000人以上が614.5万円、10〜99人が622.0万円で、差は約7.5万円 と小さい。提示の70万円の差は、規模の差というより会社ごとの差と見るほうが自然じゃ。
約7.5万円なら、今の年齢帯ではほとんど差がないんですね。相談者さんが気にしていた「10年後もそうなのか」はどうでしょう。
45〜49歳の帯では、1,000人以上の平均が約97万円高い。言えるのはそこまでじゃ。今の45〜49歳の人たちの平均で、相談者さんの10年後の予測ではないし、それだけで「だから大手」とは決められん。
わしは大手と中小の両方の薬局で働いたが、待遇面で言うと、中小のほうが給与は多少良かった気がする。
表で見ても、年齢帯によっては小さい会社の平均が高い。一方で、45〜59歳は大きい会社の平均が高い。昔の印象が、今の全年齢に当てはまるとは言えんのじゃ。
印象だけで決めずに、自分の年齢帯の数字で比べるのが大事なんですね。
そうじゃ。年収を理由に選ぶなら、先に今の年収が相場のどのあたりかを確かめておくと、提示額の見え方が変わる。適正年収診断なら、業態・経験年数・勤務地と今の年収(賞与込みの額面)を入れるだけで、約30秒で分かる。登録はいらん。規模や年齢を入れる欄はないが、提示額を比べる物差しになるぞ。
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薬局の店舗数で比べると薬剤師の年収は単調に並ばず、個人薬局(1店舗)が高いとは限らない 次は、薬局の店舗数で比べた年収じゃ。第25回医療経済実態調査で、保険薬局の一般薬剤師(管理薬剤師を除く)の給料と賞与を店舗数別に見ると、1店舗は440.5万円で低い部類 じゃった。
えっ、1店舗が低いんですか?個人薬局は給料が高いと聞くことが多いので、意外です。
20〜49店舗が515.3万円で一番高く、300店舗以上は468.0万円じゃった。店舗数が多いほど高い、少ないほど高い、のどちらにも並ばん のじゃ。
保険薬局の店舗数別 一般薬剤師の給料+賞与(第25回医療経済実態調査・概ね令和6年度)
同じグループの店舗数 給料+賞与 (参考)損益集計の法人施設数 1店舗 440.5万円 59 2〜5店舗 494.8万円 317 6〜19店舗 493.8万円 151 20〜49店舗 515.3万円 77 50〜99店舗 481.2万円 53 100〜199店舗 437.5万円 38 200〜299店舗(注) 456.2万円 8 300店舗以上 468.0万円 315 全体 479.5万円 ―
(注)200〜299店舗は損益集計の法人が8施設と少なく、前年度比−17.3%と振れが大きい区分です。施設数は損益集計に入った法人の数で、給与の集計には個人立の薬局も含まれえます。
さっきの賃金の表とは、調べ方の条件も違うんですよね。
値は常勤職員1人平均の給料年額に賞与を足したもので、概ね令和6年度の値じゃ。1か月の調剤報酬明細書(レセプト)の取扱件数が300件以上の薬局だけが対象で、年齢は分からん 。
年齢が分からないとなると、この差にも年齢の違いが混ざっているかもしれないですね。
そうじゃ。だから「個人薬局は給料が高い」は最新の調査では成り立たん、までにとどめる。1店舗の値は前々年度の464.2万円から5.1%下がっておって、「1店舗は必ず低い」とも言えん。
1年で5%も動くなら、どちらとも言い切れないんですね。
古い調査(第24回)では1店舗が高く出ておったが、最新の第25回では逆になっておる。年ごとに振れる値として読むことじゃ。
知恵袋で「中小から650万円、大手から500万円の提示を受けた」という相談を見かけたことがあります。こういう話を読むと、中小は高いと思ってしまいますね。
提示額は1社ごとの額で、統計の平均とは別物じゃ。それから、この表とさっきの賃金構造基本統計調査の表は物差しが違う。こちらはグループの店舗数で薬局だけ、あちらは会社の人数で全業種じゃ。2つを突き合わせて足し引きはせんことじゃ。
薬剤師の提示年収は同じ額でも中身が違う:令和7年の企業規模別平均では、大きい会社は賞与が厚く、小さい会社は月給が厚い 年収を比べるときに、もう1つ見てほしいのが中身じゃ。令和7年賃金構造基本統計調査では、薬剤師の年間賞与は1,000人以上の会社が94.0万円 、10〜99人が55.2万円 じゃ。医療経済実態調査でも、一般薬剤師の賞与は300店舗以上が58.9万円、1店舗が37.1万円で、同じ向きじゃ。
ところが月々の給与、つまりきまって支給する現金給与額は、逆に10〜99人が44.3万円 で、1,000人以上の39.2万円より高い。年収が近くても、賞与と月給の比率が違う んじゃ。
令和7年 薬剤師の企業規模別の月々の給与と年間賞与(賃金構造基本統計調査 職種第1表)
企業規模 月々の給与 年間賞与 年収に占める賞与の割合(計算値) 1,000人以上 39.2万円 94.0万円 約17% 100〜999人 39.3万円 90.9万円 約16% 10〜99人 44.3万円 55.2万円 約9%
年収に占める賞与の割合が、約17%と約9%で倍近く違うんですね。でも、年収の総額が同じなら、どちらでも変わらない気もしますけど…。
総額が同じでも、中身は同じとは限らん。提示された賞与が前年の実績なのか見込みなのか、何か月分なのかは、求人票や面接で確かめられる。月々の給与と賞与に分けて比べる のが確実じゃ。
どちらが良いというより、比べるときに内訳をそろえるのが大事なんですね。
そういうことじゃ。相談者さんの530万円と600万円も、それぞれ賞与がいくら(何か月分の実績)かを並べんと、70万円の差がどこから来ておるか分からん。なお、統計の月々の給与には残業代も含まれる。
月給が高く見えても、残業代込みの額かもしれないんですね。
研修・転勤・人間関係で大手と中小はどう違うか:研修は会社の規模で差が出て、転勤は求人票で確かめ、人間関係の逃げ場は会社の店舗数(異動先があるか)で変わる 年収以外で迷う材料は3つある。研修は規模で傾向が出るが、転勤は規模では決まらず求人票で確かめる。人間関係の逃げ場は、会社に異動先があるかで変わる。
大手なら研修も手厚くて、残業も少なくて…と、なんとなく全部そろっているイメージがありました。
残業も、規模で決まるとは言えん。令和7年賃金構造基本統計調査では、薬剤師の月の超過実労働時間は1,000人以上が13時間、10〜99人が6時間じゃ。「大手なら定時で帰れる」とは限らんのう。
研修は大きい会社ほど実施する事業所が多い(全産業の傾向で、300人以上ではほぼ横ばい) 令和7年度能力開発基本調査で、正社員にOFF-JT(職場を離れて行う研修)を実施した事業所は、30〜49人の会社で53.0%、1,000人以上で85.4%じゃった。
30〜49人:53.0% 50〜99人:65.5% 100〜299人:79.6% 300〜999人:85.2% 1,000人以上:85.4% 300人を超えると、そこから先はほとんど変わらないんですね。
よく気づいた。300人以上ではほぼ横ばい じゃ。ただ、これは全産業の値で、薬局業界の値ではない。それに、この調査は常用労働者30人以上の事業所が対象じゃ。数人から十数人の薬局の店舗は、大手チェーンの店舗でも対象に入っておらん。
少人数の薬局の店舗は、大手でも中小でも、この表の外なんですね。
わしが両方で働いてみた印象では、大手の方が研修とか福利厚生はしっかりしておった。中小は、福利厚生は弱い気がしたのう。
先生の実感でも、大手は研修が手厚かったんですね。じゃあ中小だと、研修はあまり期待できないんでしょうか…。
「中小は研修がない」とまでは言えん。教育を重視するなら、研修の有無ではなく、入社後の研修の中身 、つまり誰が・何を・どれくらい教えてくれるかを面接で聞くことじゃ。福利厚生も、求人票の福利厚生欄と面接で中身を確かめるとよい。
「研修あり」の一言で安心しないで、中身まで聞くんですね。
転勤の有無は会社の規模ではなく、求人票の就業場所「変更の範囲」で確かめる 2024年4月から、求人の募集時と労働条件の明示で、就業場所・業務の「変更の範囲」を示すことになった。将来ありうる勤務地の範囲は、会社の規模ではなく、この欄で読む んじゃ。求人票に載っていなければ、面接など最初に接する時点までに示されるから、その場で聞けばよい。
大手は転勤がある、というイメージがありましたけど、欄を見るか聞くかすれば分かるんですね。
大手でも勤務地の範囲を絞ったコースを設けておる会社があるし、中小でも複数店舗なら店舗間の異動はありうる。相談者さんが「エリア内の異動」と言われたなら、変更の範囲に書かれた地域と、転居を伴うかを確かめるとよい。
「エリア内」がどこまでなのかは、言葉だけでは分からないですもんね。
少人数の店舗は自分でルールを作れる一方、1人との関係の影響が大きい。逃げ場は会社に異動先があるかで変わる 店舗の多い会社には、合わない相手がいても、異動や本部への相談という逃げ場がある。1〜2店舗の薬局では、移れる店舗がほとんどない。人間関係の逃げ場は、会社の店舗数、つまり異動先があるかで変わる んじゃ。
相談者さんが「逃げ場がない気がする」と書いていたのは、まさにそこですね。
ただ、少人数には良い面もある。わしが働いた中小では、自分でルールを作る楽しさがあった。
その裏面もある。例えば、管理薬剤師と経営者が同じ人の薬局があったとしよう。その人と合えば自分の提案が通りやすいが、合わんと相談できる相手がほかにおらん。「中小は経営者しだい」とまでは言い切れんが、店舗の人数が少ないほど、1人との関係が職場全体を左右する 。
noteで、大手から数店舗の薬局へ移った人が「人間関係は入る前に見抜けなかった」と書いているのを読んだことがあります。
だからこそ、入る前に聞けることは聞いておく。相談者さんの配属予定の店舗は薬剤師2人じゃ。合わんかったときに、3店舗のうちほかの店舗へ移れるかを面接で聞くとよい。
移れる先があるかどうかで、同じ2人の職場でも安心感が違いますね。
少人数の職場で人間関係がこじれたときの対処と、限界の見極め方は、こちらの記事で解説しています。
あわせて読みたい少人数の薬局で人間関係がつらい薬剤師へ|狭い職場での対処法と限界の見極め方
逃げ場の少ない少人数の薬局で人間関係がこじれたときに、今の職場で試せる対処と限界の見極め方を解説しています。
年収・転勤・研修・人間関係・仕事のやり方のうち譲れない条件を1つ決めると、規模で選ぶか応募先ごとに確かめるかが決まる ここまでの材料を、1つの条件に絞ろう。大手と中小で迷ったら、年収(今か10年後か)・転勤しない・研修を受けたい・人間関係の逃げ場がほしい・仕事のやり方を自分で決めたい、の5つのうち一番譲れない条件を1つ決める 。条件ごとに、大きい会社が向きやすいもの、小さい会社が向きやすいもの、規模では決まらないものがあるんじゃ。
譲れない条件別の向きやすい側と、確かめる場所
条件 向きやすい側 根拠 確かめる場所 年収(今) 規模では決まらない(年齢帯で逆転し、店舗数でも単調に並ばない) 令和7年賃構 第5表・第25回医療経済 求人票の提示額と賞与の内訳 年収(10年後) 統計の平均では大きい会社が高い年齢帯がある(役職者・企業勤務が混ざるため、応募先の実績で確かめる) 令和7年賃構 第5表 面接で昇給・賞与の実績を聞く 転勤しない 規模では決まらない 2024年4月からの明示事項 求人票の就業場所の変更の範囲 研修を受けたい 大きい会社(300人以上ではほぼ横ばい) 令和7年度能力開発基本調査(30人以上の事業所・全産業) 面接で入社後の研修の中身を聞く 人間関係の逃げ場がほしい 店舗の多い会社(異動先・本部という選択肢がある) 統計なし(会社の店舗数の構造) 面接で異動の相談ができるか・配属店舗の人数を聞く 仕事のやり方を自分で決めたい 小さい会社になりやすい 統計なし 面接で自分が任される範囲を聞く
「規模では決まらない」の行もけっこうありますね。全部の条件を満たす会社を探したくなってしまいますけど…。
全部を満たす会社は探しにくく、迷いが止まらん。1つ決めれば、ほかの条件は応募先ごとに確かめる側に回せる 。
相談者さんは、年収も逃げ場も気にしていましたよね。どれを一番にするかで、見る欄が変わるんですね。
そうじゃ。一番譲れないのが今の年収なら、この600万円の提示を、賞与の内訳をそろえて530万円と比べる。人間関係の逃げ場なら、店舗の多い会社が向きやすい。10年後の年収なら、提示額より昇給と賞与の実績を聞く。どれを取るかは、相談者さんが決めることじゃ。
そこで転職サイト診断を使うとよい。「転職で特に重視したいこと」で、決めた条件に近いものを選ぶ。年収なら「年収を上げたい」、研修なら「スキルアップ・キャリアを伸ばしたい」、人間関係なら「良い人間関係・職場の雰囲気で働きたい」じゃ。最大3つまで選べる。
「転勤しない」を一番にした人は、どうすればいいですか?
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応募前に、配属店舗の薬剤師の人数と、求人票の賞与・就業場所の変更の範囲を確かめる 大手か中小かを決めても、働き方は配属される店舗で変わる 。応募前に、配属店舗の薬剤師の人数、求人票の賞与の額(月数)、就業場所の変更の範囲の3つを確かめるんじゃ。明日できる一歩は、手元の求人票2枚について、賞与と変更の範囲の欄を並べて書き出す ことじゃ。
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配属予定の店舗の薬剤師の人数(常勤で何人いるか)
賞与の額(または前年度実績の月数)
就業場所の「変更の範囲」
相談者さんなら、530万円と600万円の2枚を並べるところからですね。
そうじゃ。薬剤師の人数が求人票になければ、配属予定の店舗の2人が常勤か、応援が来るかを面接や転職エージェントに聞けばよい。それから、大きなグループの店舗かどうかは、お住まいの地域の地方厚生局が公開しておる「届出受理医療機関名簿」で確かめられる。
都道府県ごとの薬局の一覧で、薬局名の横に届出が略称で並んでおる。「調基3イ」「調基3ロ」「調基3ハ」とあれば、同じグループ全体の処方箋の受付回数が月3万5千回を超える区分の店舗じゃ。看板が地域の薬局名でも、大きなグループの店舗であることがある。
看板だけでは分からないんですね。じゃあ「調基1」なら個人薬局ですか?
そうとは言えん。集中率などの条件もあるから、「調基1」でも大きなグループの店舗のことがある。なお令和8年度の改定で「同じグループで300店舗以上」という基準が消え、グループ全体の処方箋受付回数に加えて、処方箋集中率などの条件で区分される形になった。
名簿は、大きなグループかどうかの手がかりなんですね。見学や面接で何を聞けばいいかも、気になるところですね。
見学や面接で店舗の実態を確かめる質問と、求人票の読み方は、こちらの記事にまとめています。
あわせて読みたい薬剤師のホワイトな職場の見分け方|求人票で読む4つと、面接で聞く4つ
求人票の年間休日の内訳・固定残業代の時間数・「変更の範囲」の読み方と、面接で店舗の実態を聞く4つの質問を解説しています。
まとめ:大手か中小かは規模だけで決めず、譲れない条件で比べる欄を決め、年収は年齢帯で比べ、最後は配属店舗で確かめる この記事のまとめ
1 大手か中小かは規模だけで決めず、譲れない条件を1つ決めて比べる欄を絞る 2 年収は年齢帯で逆転する(45〜59歳は1,000人以上が高い)。1店舗の薬局の一般薬剤師は低い部類 3 令和7年の企業規模別平均では、大きい会社は賞与が厚く、小さい会社は月給が厚い。求人票は賞与欄を見る 4 応募前に、配属店舗の薬剤師数と就業場所の変更の範囲を確かめる 大手か中小かという看板より、自分が何を譲れないかと、配属される店舗 で働き方は決まる。条件が1つ決まれば、比べる欄も決まるんじゃ。
大手か中小かって、会社の大きさより、自分が何を譲れないかの話だったんですね。相談者さんも、条件を1つ決めれば返事を出せそうです。
条件が決まったら、その条件で求人を比べ直せばよい。転職サイト診断で重視することを選んでおけば、探す窓口も絞りやすくなるぞ。
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譲れない条件が年収で、目標額から受け入れる条件を考えたいなら、こちらも参考になります。
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40代で調剤が未経験の方は、大手か中小かより受け入れてくれる先を探すことが先になります。受け入れ先の探し方はこちらで解説しています。
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