薬剤師として働きたくないけれど、免許や積んできた経験を手放すのは怖い。そんな方へ。今の職場で担当を変える、免許を活かして非調剤の仕事へ移る、免許を要件としない仕事まで広げる。この3段階で、自分に必要な動き方を整理できます。
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読者からの相談調剤薬局で6年目になります。投薬の途中で「早く終わらせないと」しか考えていないことに気づいて、患者さんの顔を見ていない自分が嫌になりました。処方箋の枚数は増える一方で、監査の社内ルールも増えて、本部から降りてくる件数の目標も追いかけないといけません。正直、もう薬剤師として働きたくありません。現場に立つこと自体が嫌になっています。でも6年と国家試験を思うと免許を手放すのも怖くて、辞める以外に何ができるのか分かりません。
📌この記事のポイント
- 薬剤師として働きたくないのと、免許を手放すのは別の話。免許は投薬をやめても失効しない
- 動く幅は3段階。いちばん内側の「いまの職場のまま」から順に見れば大きく動かずに済む
- 免許を活かせる場が広がっているという話は、最新の統計では逆に動いている
まず結論:「辞める」と「投薬をしない」は別の話。動く幅は3段階で決められる
薬剤師として働きたくないと感じているとき、頭の中の選択肢はたいてい2つに絞られておる。
辞めるか、我慢して続けるか、ですよね。相談者さんも「辞める以外に何ができるのか分からない」と書かれています。辞めれば6年と国家試験が無駄になる気がして、でも続けるのもつらい。どちらも選べないから動けなくなる、という状態だと思います。
その2つの間に、もっと段階があるんじゃ。3つに分けて考えるとよい。
- いまの職場のまま、投薬から離れる
- 薬剤師免許が要件になる仕事に移る
- 免許を要件としない仕事まで広げる

1があるのを意識したことがなかったです。「辞める」と言うと、いきなり3の話をしている気がしていました。
見る順番は内側からじゃ。内側なら転職のコストがかからん。外へ行くほど失うものが増える。いきなり3から考えると、本当は1で足りたかもしれん人まで大きな決断を迫られることになるぞ。
外から考えると、いきなり大きな決断になってしまうんですね。
そしてもう一点、先に言っておきたいことがある。免許は、投薬をやめても失効せんのじゃ。 だから「免許を捨てるかどうか」を先に決める必要はない。
そこが決まっていないから、全部の選択肢が重く見えていたのかもしれません。
この記事を読み終わったとき、決めるのは「辞めるかどうか」ではなく「どこまで動けば足りるか」になる。
決めることそのものが変わるんですね。それなら、いま答えが出ていなくても読み進められそうです。
もう一つ、言葉の範囲を決めておこう。この記事で「調剤から離れる」と言うのは、カウンターに立って投薬する時間を中心に、監査や件数に追われる部分まで含めた話じゃ。相談者さんが挙げているのも、ちょうどその範囲じゃな。
わかりました。相談者さんも、まさに投薬中のことを書かれていますもんね。
免許は、投薬をやめても失効しない
「もう現場に立ちたくない」と思ったとき、その次に「免許を返そうか」まで頭に浮かぶことがある。
それ、実際に見かけます。知恵袋でも「薬剤師の免許すら返したい」と書かれている投稿がありました。そこまで思い詰めるんだと驚きましたけど、気持ちは分かる気がします。
じゃが、その2つはそもそも別の話じゃ。薬剤師免許には有効期限がない。更新の手続きもない。投薬をやめても、薬剤師以外の仕事に就いても、免許そのものが消えることはないんじゃ(薬剤師法の免許・免許の取消し等の規定)。
取り消されるのは、法律に定められた事由に該当した場合じゃ。「現場に立つのをやめたから」ではないぞ。
つまり、投薬をやめても免許は自分のところに残ったままなんですね。
ここでよく混ざるのが、2年に一度の届出じゃ。医師・歯科医師・薬剤師が対象で「三師届」と呼ばれておる。
届出は病院でも毎回出していますけど、あれは免許の更新とは違うんですね。
違う。しかもこの届出は、薬剤師として働いているかどうかに関係なく、免許を持っている人が対象じゃ。現場を離れても届出は続く。ただし免許の更新手続きではないので、これで免許が失効するわけではないぞ。
働いていなくても届出をする、ということは、国の側も免許を持っている人として扱い続けるということですね。「もう現場に立ちたくない」と「免許を返そうか」がつながって見えていたのは、この2つを同じものだと思っていたからなんですね。
なお、この記事は「現場に立ちたくない」と自分で気づいている方に向けたものです。そもそも薬剤師を続けるかどうかから迷っている場合は、先にそこを整理したほうが早く進みます。
あわせて読みたい薬剤師を辞めたいけど資格がもったいない|続けるか辞めるか迷ったときの考え方
薬剤師という仕事自体を続けるかどうかから迷っている場合は、「辞めたい」の正体を切り分けるところから整理できます。
段階1:いまの職場のまま、投薬から離れられないか
さて、いちばん最初に確かめてほしいのは、退職せずに、一日のうち投薬に使う時間を減らせないか、じゃ。
転職しなくても変えられる余地があるんですか。それが本当なら、いちばんハードルが低いですよね。
ここで動けるなら転職のコストはゼロじゃ。給与も通勤も人間関係も変わらん。それでいて「一日中カウンターに立ち続ける」状態からは抜けられる。
変えるものが少ないぶん、失敗したときの怖さも小さいですね。
薬局や病院の仕事は、投薬だけでできているわけではない。在宅訪問、在庫と発注の管理、問い合わせや情報提供への対応、レセプトや事務方の作業。どれも誰かがやっておる。
言われてみれば、そうですね。投薬以外の業務がなくなることはないですもんね。
実際、公的な統計にもその区分があるぞ。厚生労働省の「令和6(2024)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」を見てみよう。医療施設に従事する薬剤師は63,290人。そのうち調剤・病棟業務ではなく「その他(治験、検査等)の業務」に従事している人が2,869人おる。うち病院が1,738人じゃ。
そう言われると、うちの薬剤部にも治験を担当している方がいます。病棟にも調剤室にもほとんど入っていない方です。ああいう働き方が、統計にちゃんと数えられているんですね。
同じ職場に籍を置いたまま投薬をしていない薬剤師は、実在するということじゃ。ただ一つ補足がある。この内訳が取れるのは病院・診療所についてだけで、薬局には同じ区分がないんじゃ。
「薬局でも投薬をしない人が何人いる」という数字は出せないということですか。
そうじゃ。ただ、薬局でも在宅や在庫管理に軸足を置いている人はおる。数字ではなく、業務分担の実態として見てもらいたい。
わかりました。自分の職場ではどうなのかを、自分で確かめるということですね。
!当てはまるほど、担当を変えられる可能性が高い
投薬以外の業務(在宅・在庫管理・問い合わせ対応・事務方)が、特定の人に固定されていない
その業務の担当が入れ替わる時期(異動・退職・産休など)が近い
人員体制に、日中カウンターを離れられる余裕が一時間でもある
希望を伝える窓口(面談・自己申告シート・エリア担当者)が年に一度でもある
ひとつでも当てはまれば、可能性はあるということですか?
ひとつでも当てはまるなら、余地はある。では、実際に何を見て、どう切り出すかを順に説明しよう。
投薬以外の担当が、実際に誰の手で回っているかを見る
まずやることは棚卸しじゃ。自分の職場で、投薬以外の業務が誰の担当になっているかを書き出してみるとよい。
書き出すときは、何を見ればいいんでしょうか。業務の種類でしょうか。
見るのは業務の名前ではなく、担当の固定度じゃ。「ずっとあの人がやっている」のか「持ち回りになっている」のか。固定されているなら移すのは難しく、持ち回りなら自分の比重を増やせる余地がある。
なるほど、業務の種類より「動かせるかどうか」で見るんですね。それなら書き出すだけで判断できそうです。
そのとき、その業務が好きかどうかはいったん置いておいて構わん。判断したいのは「投薬の時間を減らせるか」だけじゃ。
好きな業務を探そうとすると、また別の悩みが始まってしまいますもんね。
冒頭の相談者さんのように「投薬の途中で早く終わらせないとしか考えていない」状態なら、まず時間の配分を変えることが効く。投薬そのものの技術を上げようとするより先に、投薬に充てる時間の割合を動かせないかを見たほうが、負荷は早く下がるぞ。
上手くなろうと頑張るほど、追い込まれる感じはありますね。
上司への切り出し方
伝え方には、うまくいきやすい形がある。「投薬を減らしたい」ではなく、「この業務をもっと持ちたい」と加える形で言うことじゃ。
減らしたいと言うと、やる気がないと受け取られてしまいそうですもんね。
そうじゃ。減らしたいという言い方は、どうしても評価や勤務態度の話に受け取られやすい。増やしたいという言い方なら、同じ結果を求めていても意欲として受け止められる。
求めているものは同じなのに、伝わり方が変わるんですね。
言葉にすると、このくらいで十分じゃ。「在宅の件数が増えてきたので、同行や書類の準備を自分がもっと持てないでしょうか」——これだけでよい。
一度の面談で決まらなくても構わん。希望を伝えて記録に残しておくこと自体が、次の配置や異動を決めるときの材料になる。むしろ、伝えていないことのほうが動かない理由になりがちじゃ。
言っていないと、希望がないことになってしまうんですね。
わしが調剤薬局に勤めていたとき、同じ薬局に「投薬はほとんどしていない」人が何人かおった。辞めたわけでも、特別な資格を取ったわけでもない。在宅の担当が増えて、そのまま在宅と書類が本業のようになった人。発注と在庫の管理を引き受けて、カウンターに立つのが一日一時間ほどになった人。
いずれも、本人が「やります」と言ったところから始まっておった。誰かが割り振ってくれたわけではない。逆に言えば、言わなければそのままだったということじゃ。業務の棚卸しと、上司への一言。ここまでが明日からできることじゃ。
転職を考える前に試せることがある、というのは救われる気がします。
数字で見る「免許を活かせる場」:広がっているという話は、最新データでは逆
段階1で足りなかった場合、次は外を見ることになる。その前に、薬局の外に薬剤師がどれだけいるのかを押さえておきたい。
そうじゃ。同じ「令和6(2024)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、届出のある薬剤師は329,045人。そのうち薬局の従事者が197,437人(60.0%)。免許を活かせる代表格として挙げられることが多い医薬品関係企業の従事者は34,184人(10.4%)じゃ。
薬局の6分の1以下しかないんですね…。もっと多いイメージを持っていました。
一つ注意じゃ。この60.0%という数字は「働いている薬剤師のうち薬局が6割」という意味ではない。届出のある薬剤師全体を分母にした割合で、そこには無職の方11,975人(3.6%)も含まれておる。
分母が違うと意味が変わってしまいますね。気をつけて読まないといけないです。
そして、ここが大事なところじゃ。「薬剤師の資格を活かせる場は広がっている」という話をよく見かけるが、最新の数字はそうなっておらん。
広がっていると思っていました。選択肢は増えているという前提で考えていたので、そこが違うなら見方を変えないといけないですね。
医薬品関係企業に従事する薬剤師数の推移
| 調査年 | 人数 | 前回比 |
|---|
| 平成30(2018)年 | 41,303人 | — |
| 令和2(2020)年 | 39,044人 | −2,259人(−5.5%) |
| 令和4(2022)年 | 37,086人 | −1,958人(−5.0%) |
| 令和6(2024)年 | 34,184人 | −2,902人(−7.8%) |
少なくとも平成30年から、3回続けて減っておる。令和2年から令和6年の4年間だけでも4,860人減った。直近の令和6年は減少幅も大きいな。
内訳を見ても同じ傾向じゃ。医薬品製造販売業・製造業が24,102人(−6.5%)、店舗販売業が5,090人(−17.2%)、卸売販売業が4,959人(−3.3%)。ほとんどの区分が減っておる。
特定の区分だけが減っているわけではないんですね…。「広がっている」と書かれているのは、どうしてなんでしょう。
引いている統計が、ひとつ前や2つ前の調査結果なんじゃ。ただ、その版でもすでに減っておった。令和2年版の時点で、前回から5.5%減っておるからな。
減っている統計を引いて「広がっている」と書かれている、ということですか…。
伸びている枠もあるぞ。介護保険施設の従事者は1,217人で、前回から11.5%増えた。増加率だけ見れば非調剤のなかで最も高い。
それは明るい話ですね。ただ、1,217人というと…。
薬局で働く薬剤師の1%にも満たん。伸びてはいるが、椅子の数そのものは多くない。
増えているから入りやすい、とは言えないわけですね。
ここは正確に言っておこう。この数字から分かるのは「その区分で働く薬剤師が減っている」ことまでじゃ。求人が減ったとまでは言えん。
そうじゃ。ただ「いくらでもある」という前提で動かんほうがよい。段階1で足りるなら、動く範囲がいちばん小さいからの。
期待値を先に合わせておけば、動いてから消耗しなくて済みますね。段階1を先に見る意味が、ここでつながりました。
段階2:薬剤師免許が要件になる仕事に移る
段階1で余地がなかったとき、次に見るのは免許が採用の要件になっている仕事じゃ。
免許が要件なら、免許も、これまでの経験も、そのまま評価してもらえるからじゃ。投薬からは離れられて、薬学の知識は使い続けられる。失うものが最も少ない移り方じゃな。
相談者さんが手放したくないと書かれていたものを、手放さずに動けるということですね。
ただ、選ぶときに「どの業態か」で考えると失敗する。同じ業態のなかにも、投薬に近い仕事と遠い仕事の両方があるからじゃ。見るべきなのは構造じゃ。
- 患者さんと直接向き合う頻度が、一日のどれくらいを占めるか
- 自分が休んだときに、代わりを担える人がいるか
- 成果が対応件数で測られるのか、正確さや改善の成果で測られるのか
1つ目は、患者さんと会う時間をゼロにする必要はない、ということじゃ。連続して立ち続けるかどうかで、負荷は大きく変わるからな。
ゼロを目指さなくていいなら、探せる範囲は広がりますね。
2つ目は、自分が抜けたら止まる仕事だと、結局いまと同じ張り詰め方になるという話じゃ。3つ目は、成果の測られ方じゃな。
3つ目が刺さります。件数で測られるなら、業態が変わっても数字を追う感覚は残ってしまいますよね。相談者さんが書かれていた「本部から降りてくる件数の目標」と同じことが起きそうです。
よい気づきじゃ。そして、この3つはどれも求人票には書いておらん。
そのとおりじゃ。では、その3つで見るとどうなるか、具体的な移り先を見ておこう。免許が要件になる仕事は、大きく3つの方向がある。どれも、さきほどの統計に出てきた区分じゃ。
さっき見た数字が、そのまま移り先の話になるんですね。
免許が要件になる仕事の3つの方向
| 方向 | 働いている薬剤師の数 | 求人票では分からないこと |
|---|
| 医療機関の中で調剤・病棟から離れる(治験、検査等) | 2,869人 | その枠がいま空くのか、何年に一度動くのか |
| 医薬品を扱う企業(製造・品質・卸の管理など) | 34,184人(3回続けて減少) | 現場の経験がどう評価されるか、経験者採用が中心か |
| 行政・公衆衛生 | 6,906人 | 採用区分と試験の有無、次の募集時期 |
医療機関の中で動くのが、いちばん移りやすい。段階1の延長線じゃからな。ただ枠は小さい。企業は枠がいちばん大きいが、3回続けて減っておる。行政は安定しておるが、入口が限られる。
どこを狙うかで、準備の仕方も変わりますね。「求人票では分からないこと」の欄を見ると、どれも自分では確かめられないことばかりです。
そこじゃ。面接で聞くか、間に入る人に確かめてもらうことになる。
一人で調べるだけでは、どうにもならない部分なんですね。
年収についても正直に言っておこう。段階2でも3でも、調剤薬局より下がるケースはある。ただし下がり幅は仕事と経験によって大きく違うので、一律の相場として考えないほうが実態に合うぞ。
下がると決まっているわけではない、ということですね。
求人をどう探すか、誰にどう確かめてもらうかを先に知っておくと、動き出しが軽くなります。
あわせて読みたい【2026年版】薬剤師転職サイトの選び方|登録から内定まで失敗しない6ステップ
求人票では分からない人員体制や成果の測り方を、誰にどう確かめてもらうかまで含めて解説しています。
段階3:免許を要件としない仕事まで広げる
最後の段階じゃ。ここで伝えたいのは「免許を要件としない仕事に移りなさい」ではないぞ。そこまで動く必要が自分にあるのかどうかを、自分で判断できるようにすることじゃ。
3段階目と聞くと、いちばん大きな決断のように感じます。
じゃが、免許を要件としない仕事に移っても、免許は残る。記事の前半で、免許は失効しないと話したとおりじゃ。この段階に進むことは、免許を捨てることではないぞ。
実際にこの段階まで進んだ人が、何を得て何を失ったのか。具体的なところは以下の記事で解説しています。
あわせて読みたい薬剤師からエンジニアに転職できる?未経験からの現実と始め方
免許を要件としない仕事へ実際に動いた例として、難易度・年収・向き不向きまで具体的に整理しています。
得るものは、「薬剤師なのにこれができない」という見られ方から解放されることじゃ。投薬からも、その物差しからも離れられる。それだけで楽になる人はおる。
その物差しは、たしかにきついですね。できて当たり前だと思われている前提がありますもんね。
失うものは、これまで積んできたものが採用の場で直接には効かなくなることじゃ。まったく無駄にはならんが、「免許があるから採る」という理由では選ばれなくなる。
では、自分がどこまで動けば足りるのか。次で整理しよう。
どの段階まで動けば足りるのかを決める
3つの段階のうち、自分はどこで足りるのか。見分け方は「投薬のどの部分が嫌なのか」じゃ。
「投薬がつらい」とひとことで言っていましたけど、中身が分かれるんですね。
まず、患者さんと向き合うこと自体がつらい場合。これは段階1では足りん。段階2まで動く前提で考えたほうがよい。同じ職場で担当を変えても、投薬の応援には呼ばれるからな。明日できることは、免許が要件になる仕事のうち、一日のうち人と向き合う時間が連続しないものを2つだけ調べてみることじゃ。
応援に呼ばれるのは、たしかに避けられないですね。担当が変わっても人手が足りなければ声はかかりますし。
次に、件数と時間の圧がつらい場合。嫌なのは薬剤師の仕事そのものではなく、追いかけられ方じゃ。まずは段階1を試す価値がある。ただし数値目標が会社ぜんたいの方針なら、担当を変えても別の数字に置き換わるだけじゃ。その場合は、3段階の話とは別に、同じ仕事のまま数字の追い方が違う会社を探す道もある。明日できることは、投薬以外の業務で持てそうなものを1つ選んで、上司に「もっと持ちたい」と伝えることじゃな。
さきほどの切り出し方がそのまま使えますね。ここに当てはまる人は、転職を考える前に一歩進めそうです。
最後に、間違えたときの責任の重さがつらい場合。ここは責任の種類で変わる。一人で判断を背負う構造がつらいなら、代わりがいる体制に移るだけで軽くなることもある。薬剤師である以上ついてくる責任そのものがつらいなら、段階3まで含めて考える価値がある。明日できることは、「一人で背負う形が変われば続けられるか」を一度紙に書いてみることじゃ。
3つを並べてみると、同じ「投薬がつらい」でも進む先がまったく違いますね。最初に出てきた「いきなり3から考えると、本当は1で足りた人まで大きな決断を迫られる」という話が、ここでよく分かりました。
3つのどれにも当てはまる、あるいはどれとも言えない、ということもある。それは珍しいことではないぞ。投薬がつらいときは、原因が1つに絞れないほうが普通じゃ。
原因がはっきりしないと、自分が甘えているだけなのかと思ってしまいそうです。
そう思わなくてよい。一人で切り分けきろうとしなくても構わん。話しながら整理したほうが早いこともあるからな。
一人で切り分けきれないときは、話しながら整理するのも一つの方法です。薬剤師以外の道まで含めて方向性が決まらない場合は、実際にその道を通った人に聞いてみると、進む先が見えやすくなります。
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まとめ:免許を捨てる決断より先に、動く幅を決めよう
この記事のまとめ
- 1「薬剤師を辞める」と「投薬をしない」は別の話。免許は投薬をやめても失効しない
- 2動く幅は3段階。内側から順に見れば、必要以上に大きく動かずに済む
- 3免許を活かせる場が広がっているという話は、最新の統計では3回続けて逆に動いている
- 4決めるのは「辞めるかどうか」ではなく「どこまで動けば足りるか」
積んできたものを捨てるのが怖い、という気持ちは自然じゃ。じゃが免許は、こちらが捨てないかぎり無くならん。焦って大きく動かんでよいんじゃ。
最初は、辞めるか我慢するかの2つしかないと思っていました。でも、いちばん内側に「いまの職場のまま」という段階があるんですね。そこを飛ばさないだけで、選べるものがずいぶん増える気がします。
焦らんでよい。順序を決めて、内側から順に確かめていけばよいんじゃ。
明日、投薬以外の業務を書き出してみるところからですね。それなら今日の気持ちのままでも始められそうです。
書き出してみても方向が決まらないとき、とくに薬剤師以外の道まで含めて考えたいときは、薬剤師以外の道へ実際に移った人に、整理を手伝ってもらう方法もあります。
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