薬剤師として連勤がきついと感じるのは、休日の数だけでなく休みの並びが関係しています。少人数の薬局では欠員によって休日が後ろへずれることも。法律上の休日の決まり、シフト表で確かめること、連勤の上限の頼み方、職場を移る目安を紹介します。
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読者からの相談 中小の調剤薬局チェーンで働く5年目、29歳の薬剤師です。常勤の薬剤師は私を含めて3人でしたが、2か月前に1人が辞めて2人になりました。そこからシフトの休みがどんどん後ろへずれて、先月は9連勤が2回ありました。休みの日数は月で数えると合っているので、管理薬剤師には「規定どおりだし、人が入るまでは仕方ない」と言われます。9連勤の後半は頭が回らず、鑑査で見落としをしないか怖いです。薬剤師ってこれが普通なんでしょうか。何連勤まで許されるのかも分かりません。
📌 この記事のポイント
薬剤師の連勤がきついのは休みの並びの問題。2〜3人の薬局は1人欠けると休みがずれる 今の法律は連勤の日数を直接は決めていない。最長何連勤だったかを数え、職場に「連勤は○日まで」と頼む 頼んだ連勤の上限が翌月のシフトに反映されない、取れなかった休みを翌月までに取れないなら、連勤の少ない職場へ移っていい 1 まず結論:薬剤師の連勤がきついのは休みの並びの問題で、1日2〜3人の薬局では1人欠けるだけで休みが後ろへずれる 2 なぜうちの薬局だけ連勤になるのか:1人辞めると、休日の数は同じまま休みが後ろへずれる 3 何連勤までなら許されるのか:今の労働基準法は連勤の日数を直接は決めていない 4 今日、シフト表で最長何連勤だったかと、後ろへずれた休みを翌月までに取れたかを確かめる 5 数えた日数と薬局の人数を添えて、翌月のシフトが決まる前に「連勤は○日まで」と頼む 6 頼んだ連勤の上限が翌月のシフトに反映されない、ずれた休みを取れないなら、連勤の少ない職場へ移ってよい 7 まとめ:連勤がきついのは並びと人数の問題。連勤を数えて「連勤は○日まで」と頼み、直らなければ移っていい まず結論:薬剤師の連勤がきついのは休みの並びの問題で、1日2〜3人の薬局では1人欠けるだけで休みが後ろへずれる 薬剤師の連勤がきついのは、休みの数より並び の問題じゃ。1日2〜3人で回す薬局では、1人欠けるだけで残った人の休みが後ろへずれて連勤になる。よく起きることじゃが、我慢する理由にはならんぞ。
「普通なんでしょうか」への答えは、よく起きるけれど我慢しなくていい、なんですね。相談者さんも、休みの日数は合っているのに9連勤が2回、というのが一番引っかかっていたと思います。
うむ。薬局の1日あたりの勤務薬剤師は平均2.7人で、1日にいる薬剤師が2人以下の薬局が約4割ある。この人数だと、誰かが辞めたり休んだりした分は、残った人の休みを後ろへずらして埋めるしかない。
人数がぎりぎりだと、必要な勤務人数を確保するために、残った人の休みをずらすしかないんですね。もう1つの「何連勤まで許されるのか」はどうなんでしょう?
今の労働基準法は、連勤の日数そのものを直接は決めておらん。じゃから「違法かどうか」で測っても、状況はほとんど変わらんのじゃ。
法律で白黒をつけようとしても、答えが出ないということですね。では、何から手をつければいいんでしょう。
今日できるのは、直近2か月のシフト表で、最長何連勤だったかを数え、後ろへずれた休みを取れているか確かめることじゃ。そのうえで、翌月のシフトが決まる前に「連勤は○日までにしてほしい」と頼む。
数えて、「連勤は○日まで」と頼む。それなら相談者さんも明日から動けそうです。
頼んだ連勤の上限が翌月のシフトに反映されない、取れなかった休みを翌月までに取れておらん。そうなら、連勤の少ない職場へ移ってかまわん。
移るかどうかも、連勤の日数ではなく、頼んだあとのシフトや休みの扱いを見て決めるんですね。
1つ断っておくと、ここで言う連勤は「休みを挟まずに出勤が続く日数」のことじゃ。遅番の翌日に早番が入るつらさや、夜勤・当直のつらさは、また別の話になる。
遅番のあとすぐ早番、というのは、日数とは別のしんどさですね。
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なぜうちの薬局だけ連勤になるのか:1人辞めると、休日の数は同じまま休みが後ろへずれる 厚生労働省の委託調査(令和3年度「薬局の機能に係る実態調査」、767薬局)では、1店舗の1日あたりの勤務薬剤師は平均2.7人じゃった。いちばん多かったのは「1.1〜2人」の33.4%で、「1人」の6.3%と合わせると、2人以下の薬局は約4割になる(無回答も含めた割合じゃ)。
1日の薬剤師が2人以下の薬局が、約4割もあるんですね。それだと、1人抜けたときの重みがとても大きいです。
この人数じゃと、1人辞める、休む、応援に出るだけで、残った人の休みが後ろへずれる。それでも休日の数は月で合ったままじゃから、「規定どおり」に見えるわけじゃ。
休みの数は減っていないのに、並びだけが崩れていく。だから言い返しにくいんですね。
たとえば、常勤3人の薬局で1人が辞めたとしよう。残った2人で開局日に必要な人数を確保せんといかんから、休みは月の後ろへ寄せられる。休日の数は同じでも、9連勤ができあがる。
相談者さんの「3人から2人になって、休みがどんどん後ろへずれる」は、まさにこの形ですね。
そうじゃ。これは体力や根性の問題ではなく、人数と組み方の結果じゃ。2人で開局日を埋めれば、誰が組んでもこうなる。自分でシフトを組んでいて、ほかの人の希望を優先した結果、自分が連勤を抱えている人も同じじゃよ。
シフトを組む人が悪いわけでも、自分の体力がないわけでもないんですね。組む側の人ほど、自分の休みを後回しにしてしまいそうです。
ドラッグストアでも同じことが起きる。連勤の多さは業態ではなく、店の人数と開局日で決まるんじゃ。
業態で選べば避けられる、という話ではないんですね。
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何連勤までなら許されるのか:今の労働基準法は連勤の日数を直接は決めていない では「何連勤まで許されるのか」じゃ。連勤の日数そのものを直接決めた条文は、今の労働基準法にはない。決まっておるのは、休日の取らせ方じゃ。休日の数が合っていても連勤が生まれ、「規定どおり」と言われるのはこのためじゃよ。
休日は「週1日」か「4週で4日」。週の区切りをまたげば、12連勤でも休日の決まりの範囲に入る 連勤の日数ではなく、休日の取らせ方が決まっているんですね。その休日の決まりというのは、どういうものなんですか?
法定休日とは、労働基準法35条で会社が必ず与える休日のことじゃ。毎週1日か、4週間で4日以上。毎週1日の場合でも、週の区切りをまたぐと、最大12連勤まで休日の決まりの範囲に入る。
週の初めに休んで、翌週の終わりに休めば、その間が12日になるということですか。
そういうことじゃ。週を何曜日から数え始めるか(週の起算日)は就業規則で決めることになっておって、定めがなければ日曜日と解されておる。4週間で4日の場合は、4週間をいつから数え始めるか(4週間の起算日)を就業規則で明らかにする決まりじゃ。
4週で4日だと、休みを寄せればもっと長くなりそうです…。
そうなりうる。厚生労働省の研究会(労働基準関係法制研究会)の報告書にも、4週4休で休日を偏らせて長い連勤になっても、それだけでは労基法違反にならないと書いておる。ただし、1年単位の変形労働時間制は別じゃ。連続して働かせられるのは6日までと決まっておる(特定期間は週1日の休日が確保できる日数まで)。
休日の決まり方と、休日の決まりの範囲で続きうる連勤
休日の決まり方 休日の決まりの範囲で続きうる連勤 確かめる場所 毎週1日 週の区切りをまたいで12日まで 就業規則の休日の欄・週の起算日 4週間で4日 さらに長くなりうる 就業規則の休日の欄・4週の起算日 1年単位の変形労働時間制 6日まで(特定期間は週1日の休日を確保できる日数) 就業規則・労使協定
自分の職場がどれに当たるかは、就業規則を見れば分かるんですね。
うむ。それから、法定休日に働かせるには、会社と労働者側が結ぶ36協定と35%以上の割増賃金が要る。
そうじゃ。ただし、12連勤や「さらに長く」というのは、法律上の休日の決まりから考えた話じゃ。職場がそうしてよいという意味ではないぞ。
労災の認定基準の「2週間以上にわたって休日のない連続勤務を行った」は、心の負荷として数える出来事の1つ。我慢してよい日数の目安ではない 法律に連勤の上限がないなら、何日続いたら危ない、という目安もないんでしょうか。
日数が出てくるのは、精神障害の労災認定基準(令和5年)じゃ。心の負荷になる出来事の1つとして「2週間以上にわたって休日のない連続勤務を行った」が挙げられておる。
2週間を超えたら、負荷が強いと見られるということですか?
そこは単純ではない。負荷の強さは、働き方の例で示されておってな。「弱」は、休日労働をした場合や、休日出勤で連続勤務になっても休日の労働時間が特に短かった場合じゃ。「中」は、業務量などの事情で2週間以上連続勤務した場合。「強」は、1か月以上の連続勤務をした場合か、2週間以上の連続勤務中に連日深夜まで時間外労働をした場合じゃ(いずれも1日の労働時間が特に短い場合を除く)。
日数だけで決まるわけではなくて、業務量や深夜までの残業も合わせて見られるんですね。
そうじゃ。これは精神障害の労災認定で、心への負担として評価される出来事の1つじゃ。労災になるかは個別の判断になる。この日数より短ければ我慢できる、という線でもないぞ。
13日を超える連勤を禁止する案は審議中で、2026年10月時点では法律になっていない 「14連勤は禁止になる」という話を聞いたことがあるんですが、あれはどうなっているんですか?
厚生労働省の研究会(労働基準関係法制研究会)は、「13日を超える連続勤務をさせてはならない」という決まりを、労基法に設けるべきだと提言した。それを受けて、労働政策審議会の労働条件分科会で審議が続いておる。
審議が続いているということは、まだ決まってはいないんですね。
そうじゃ。分科会では、連続勤務規制が2025年6月と10月に議論され、2026年9月の回で今後の中心論点の1つに挙げられた。2026年9月に論点別の議論が再開したが、2026年10月14日の回の時点では、連続勤務規制を扱う回はまだ開かれておらん。法律案のもとになる建議(審議会としてまとめる意見)や要綱(法律案の内容をまとめたもの)も出ておらん。2026年に開かれた国会(特別会・臨時会)に厚生労働省が出した法律案にも、連続勤務の上限を定める労基法改正案は含まれておらんのじゃ。
提言はされているけれど、まだ法律にはなっていないんですね。「14連勤は禁止された」「○年から違法」という言い方は、今は当たらないと。
その通りじゃ。そして法律がどうなっても、今日できることは変わらん。
法律を待つより、自分の連勤を数えるほうが先なんですね。
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今日、シフト表で最長何連勤だったかと、後ろへずれた休みを翌月までに取れたかを確かめる ここからが今日できることじゃ。直近2か月のシフト表、できれば勤怠の記録も出して、次の点を確かめてほしい。
! シフト表で確かめること
直近2か月で、最長の連勤は何日か
欠員の穴埋めで後ろへずれた休みは、翌月までに取れたか
休日出勤があれば、振替休日か代休が付いたか
連勤の後半に、鑑査をするのが自分だけになる日はないか
就業規則で、休日は週1日か4週4日か、起算日はいつか
日数だけでなく、ずれた休みを取れたかまで見るんですね。振替休日と代休は、何が違うんでしょう?
振替休日は、事前に休日と出勤日を入れ替えるものじゃ。元の休日に働いても休日労働にはならん。ただ、その週の労働時間が法定労働時間を超えれば、時間外の割増が要ることがある。代休は、休日に働いたあとで別の日を休みにするものじゃ。
あとで代休をもらえば、休日に働いた分の割増はなくなるんでしょうか。
法定休日に働いたなら、あとで代休を取っても35%以上の休日労働の割増が要る。所定休日(会社が定めた休日)なら35%の休日割増はかからず、法定労働時間を超えたかどうかなどで時間外の割増が決まる。変形労働時間制の職場は、その制度の決め方に沿って判断するから、一律には言えん。率や計算は、最後に紹介する残業代の記事で確かめてほしい。
名前は似ていても、扱いが違うんですね。4つ目の「鑑査が自分だけになる日」は、相談者さんの「見落としが怖い」につながる項目ですね。
そうじゃ。怖いという気持ちを、頼むときの材料に変えるために見ておく。それとは別に、疲れで安全に鑑査できないと感じた日は、翌月のシフトを待たずに、その日のうちに管理薬剤師に相談してほしい。応援や業務の分担を調整してもらうんじゃ。
見落としが怖い日は、その日のうちに声を上げていいんですね。
うむ。それから、就業規則を見たことがなければ、閲覧を求めてかまわん。会社には、就業規則を職場で見られるようにしておく義務があるんじゃ。
見せてほしいと言うのは、わがままではないんですね。書き出すときに気をつけることはありますか?
日付と日数だけで十分じゃ。患者さんの名前などは書かんようにな。相談者さんなら「最長9連勤が2回、ずれた休み2日をまだ取れていない」のように書ければ足りる。
数えた日数と薬局の人数を添えて、翌月のシフトが決まる前に「連勤は○日まで」と頼む 頼むのは「連勤は○日までにしてほしい」ということじゃ。数えた日数と、今の薬局の人数、たとえば3人から2人になったことを添えて、翌月のシフトが決まる前に伝える。
日数と人数があれば、気持ちの話ではなく事実の話として伝えられますね。でも相談者さんは、もう「人が入るまでは仕方ない」と言われています…。
管理薬剤師に頼んでも変わらんときは、人手が足りない問題として、本部のエリアマネージャーや人事にも相談するとよい。人が入るまでの間をどうするか、本部に聞くんじゃ。自分がシフトを組む側なら、自分の連勤の日数を添えて、本部に人員の問題として相談するとよい。
店の中だけで抱えずに、人を増やせる人のところへ届けるんですね。
それでもシフトを変えてもらえんなら、有給で連勤を切る手もある。年次有給休暇は、請求した時季に取るのが原則じゃ。
連勤の真ん中に1日入るだけでも、だいぶ違いそうです。
有給で連勤を切ろうとしても、取りにくくて使えない人は、こちらも参考にしてください。
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頼んだ連勤の上限が翌月のシフトに反映されない、ずれた休みを取れないなら、連勤の少ない職場へ移ってよい 移るかどうかは、連勤の日数ではなく、次の2つのどちらかに当てはまるかで決めればよい。1つは、連勤の上限を頼んでも翌月のシフトに反映されなかったとき。もう1つは、欠員の穴埋めで後ろへずれた休みや、休日出勤した日の振替休日・代休を、翌月までに取れていないときじゃ。
何連勤なら移っていい、ではなく、頼んだあとに職場が動いたかどうかで見るんですね。相談者さんの9連勤も、日数だけで我慢するかどうかを決めなくていいと。
そうじゃ。人数が増える見込みがない薬局では、頼んでも次の欠員でまた同じ並びに戻りやすい。移るのは逃げではないぞ。
求人票には休みの並びは出ないので、面接や転職エージェントを通じて4つを聞く でも、次の職場も同じだったら…と思うと、なかなか踏み出せない気がします。
その心配はもっともじゃ。求人票に出るのは年間休日の総数で、休みの並びや最長の連勤は出ん。じゃから、面接や転職エージェントを通じて、次の4つを聞くとよい。
先月いちばん長かった連勤は何日か 常勤の薬剤師は何人か、1日に何人の薬剤師が勤務しているか 休みは固定か、シフトか 欠員が出たときに、どう埋めているか 少人数の職場では1人欠けると休みがずれることを考えると、4つ目の欠員の埋め方が一番大事そうですね。聞いたあとは、答えのどこを見ればいいんでしょう。
答えが具体的かどうかじゃ。日数や人数がすぐ出てくるか、「人によります」「その時々です」で終わるかを見る。自分では聞きにくかったり、在職中で時間がなかったりするなら、転職エージェントに確認を頼める。転職サイト診断で「残業や休みを見直して無理なく働きたい」「求人紹介から面接対策まで手厚くサポートしてほしい」を選ぶと、こうした確認を頼めるサイトを30秒で絞れるぞ。
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まとめ:連勤がきついのは並びと人数の問題。連勤を数えて「連勤は○日まで」と頼み、直らなければ移っていい この記事のまとめ
1 連勤がきついのは休みの並びの問題。1人欠けると休みが後ろへずれる 2 今の法律は連勤の日数を直接は決めていない。連勤のつらさは「違法か」だけでは判断できない 3 最長何連勤だったかを数え、ずれた休みを取れたか確かめ、「連勤は○日まで」と頼む 4 頼んだ連勤の上限が翌月のシフトに反映されない、ずれた休みを翌月までに取れないなら、連勤の少ない職場へ移っていい 連勤のきつさは、我慢する理由にはならん。まずはシフト表を出して、最長何連勤だったかを数えるところから始めてほしい。
体力がないせいだと思っていた相談者さんにとって、人数と並びの問題だと分かるだけで気持ちが軽くなりそうです。数えるところからなら、明日できますね。
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