新薬承認

オンスイク注ミリオペン総量1500単位を承認 2型糖尿病に週1回の新たなインスリン治療選択肢

記事公開:承認日:

薬の概要

販売名
  • オンスイク注ミリオペン総量1500単位
一般名
  • インスリン エフシトラ アルファ(遺伝子組換え)
効能・効果
  • インスリン療法が適応となる2型糖尿病

注目ポイント

2型糖尿病は、血糖が高い状態が続く病気です。長く続くと、目や腎臓、神経、心血管系に合併症が起こるおそれがあります。インスリン療法は血糖を下げる大事な治療ですが、毎日の注射は患者さんの負担になりやすいです。 オンスイク注は、週1回皮下注射で使うBasal(basal:基礎)インスリン製剤です。インスリン エフシトラ アルファは、ヒトインスリンにIgG2のFc領域をつなげた融合タンパク質で、体内で分解されにくくする工夫により、作用が長く続くよう設計されています。PMDAは、2型糖尿病患者を対象にした第III相試験で、HbA1c(hemoglobin A1c:糖化ヘモグロビンA1c)の改善が、既存の基礎インスリンであるインスリン デグルデクやインスリン グラルギンに対して非劣性であることを確認したとしています。 一方で、この薬は使い方が通常の毎日打つインスリンとかなり違います。初回だけ投与量を大きく設定する場面があり、切り替え時の用量設定や投与忘れ、重複投与が起こると、低血糖や一時的な高血糖につながるおそれがあります。承認審査では、1型糖尿病では低血糖リスクが高く、本剤は2型糖尿病に限定するのが妥当と判断されています。


注意点

【用量・投与方法】 ・本剤は成人に週1回皮下注射します。 ・初期は通常1回30~140単位です。 ・他のインスリン製剤を併用することがあり、維持量は通常1週間あたり30~560単位です。 ・必要により、この範囲を超えて使うことがあります。 ・投与量は空腹時血糖値を見ながら調整します。 【インスリン未治療の2型糖尿病患者】 ・初回は通常300単位、2回目は100単位が目安です。 ・低血糖のリスクが高い患者や、体重60kg以下、または開始時HbA1cが7.5%以下の患者では、初回150単位、2回目50単位を検討します。 ・3回目以降は目標血糖に応じて調整します。 【他の基礎インスリンから切り替えるとき】 ・本剤開始前の基礎インスリン1日量の7倍量を目安にします。 ・切り替え直前の空腹時血糖値が120mg/dLを超える場合は、初回のみその3倍量を用いる設定です。 ・ただし、3倍量は初回のみで、2回目以降は繰り返しません。 ・切り替え後の数週間は、血糖モニタリングを特に丁寧に行う必要があります。 【低血糖】 ・臨床試験では、重症低血糖は少数でしたが、対照薬より低血糖の累積発現がやや多い傾向がありました。 ・食事摂取が不十分な患者、低血糖を繰り返す患者、無自覚低血糖が疑われる患者では、投与適否を慎重に確認する必要があります。 ・低血糖時の対応方法を、患者にも具体的に説明することが重要です。 【高血糖・ケトアシドーシス】 ・切り替え時に初回の増量設定が適切でないと、一時的に血糖が上がることがあります。 ・血糖測定に加え、必要に応じて血中または尿中ケトン体も確認します。 ・口渇、多飲、多尿、悪心、嘔吐、腹痛、倦怠感などがあれば、速やかな受診を説明します。 【注射部位・過敏症】 ・注射部位反応、脂肪肥大症、硬結などが報告されています。 ・注射部位は毎回変え、硬結や腫瘤のある部位は避けます。 ・発疹、そう痒、蕁麻疹などの過敏症にも注意します。 【特定の患者】 ・1型糖尿病には使用しません。 ・インスリン分泌能が著しく低下した2型糖尿病では、適用可否を慎重に判断します。 ・重い腎機能障害や肝機能障害の患者では、低血糖に注意して慎重に投与します。 ・高齢者では生理機能低下を踏まえ、より慎重な観察が必要です。 ・妊婦または妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましく、授乳中は授乳しないことが望ましいとされています。


まとめ

オンスイク注ミリオペン総量1500単位は、2型糖尿病に使う週1回投与の基礎インスリン製剤です。毎日打つインスリンに比べて注射回数を減らせる一方、初回投与量の設定や切り替え時の確認が重要で、低血糖と投薬過誤への注意が特に必要です。


詳細は審査報告書をご確認ください。

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