薬剤師2年目で仕事ができないと感じ、同期や後輩と比べて焦る方へ。教わっていない業務が残るだけでは遅れとは決まりません。業務を3つに分けて書き出し、教わる予定を上司に聞いて、今の職場で教わるか、別の職場を探すかを考える方法を紹介します。
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読者からの相談調剤薬局で働く2年目の薬剤師です。在宅の同行はまだ教わっていなくて、鑑査も一部はまだ先輩の確認が入ります。別の店舗にいる同期はもう一人で鑑査をしていると聞き、上司は忙しそうで、何をいつ教わるのか聞けていません。2年目なのに仕事ができない自分は、遅れているのでしょうか。
📌この記事のポイント
- 2年目で仕事ができないと感じても、教わっていない業務が残るだけでは遅れとは決まらない
- 担当業務を「一人でできる・教わったが確認が入る・教わっていない」に分けて書き出す
- 教わる予定を上司に聞き、その答えで今の職場で教わるか、教わる職場を探すかを決める
まず結論:2年目で同期に遅れていると感じても、教わっていない業務があるだけでは遅れとは決まらない
今回は、2年目で「仕事ができない」と悩んでいる薬剤師さんの相談じゃ。先に答えを言っておこう。2年目でまだ教わっていない業務があっても、それだけでは遅れとは決まらん。次にどうするかは、その業務を教わる予定が立つかで決まるんじゃ。
同期はもう一人で鑑査をしていると聞いたら、焦りますよね…。2年目になると「まだ新人だから仕方ない」と見てもらえる場面も減りそうですし。
その焦りは自然じゃ。ただ、薬局の新人研修は、教える時期も順番も薬局ごとに違う。同じ2年目でも、教わった業務がそろわないことはあるんじゃ。
同期と同じ順番で教わっているとは限らないんですね。同期とは、教わる業務や時期が違ったのかもしれません。
そうじゃ。だから明日やることは2つだけ。担当業務を3つに分けて紙に書き出すこと。そして、教わっていない業務を1つ選んで、いつ・誰から教わる予定かを上司に聞くことじゃ。
書き出して、1つ聞く。それなら忙しい日でもできそうです。
まだ1年目で、業務全般を覚えている途中の方は、以下の記事のほうが合います。
あわせて読みたい新卒1年目の薬剤師が「無能でついていけない」と感じたら|原因の切り分けと立て直し方
1年目で業務全般を覚えている途中に「ついていけない」と感じるときの考え方と、仕事に早く慣れるための工夫をまとめています。
眠れない・出勤前に涙が出るなら、仕事の遅れを考えるより先に受診と休養を優先する
本題に入る前に、1つ確かめてほしいことがある。眠れない、出勤前に涙が出る、食欲がない。こうした状態が続いているなら、遅れかどうかを考えるより先に、受診と休養を優先するんじゃ。
2年目だと「せめて○○ができるようになるまでは休めない」と思ってしまいそうです。
実際、2年目の薬剤師の相談(Yahoo!知恵袋・2022年)には、医師に休職を勧められても、鑑査ができるようになるまでは休めないと考えて働き続けている、という声があった。体が先に限界を知らせておるときは、仕事を覚える話はいったん後回しでよい。
覚えるのが先、じゃないんですね。どこに相談すればいいんでしょう。
症状が続く、悪くなっておる、生活に響いておるなら、医療機関にかかる場面じゃ。職場に産業医がいるなら、そこでも相談できる。
そういうときは外の窓口が使える。厚生労働省の「こころの耳」電話相談は0120-565-455で、平日17時から22時、土日10時から16時に受け付けておる。祝日・振替休日・年末年始は休みで、受付は終了10分前までじゃ。
もう1つ、地域産業保健センターでは、労働者が50人未満の職場の事業者や労働者を対象に、原則無料でメンタルヘルスを含む健康相談に応じておる。利用のしかたは、各センターに確かめておくれ。
体調が崩れているときは、遅れかどうかはあとで考えればいい。まずそこを押さえておきたいです。
2年目に入っても教わっていない業務が残るのは、教える時期や仕組みが薬局ごとに違い、新人研修をしない薬局もあるから
では、なぜ2年目でも教わっていない業務が残るのかを見ておこう。いちばん大きいのは、どの業務をいつ・誰が教えるかが、薬局ごとに違うことじゃ。新人研修そのものをしていない薬局もある。
病院だと新人研修の流れを決めているところもありますけど、薬局は職場ごとにかなり違いそうですね。
国の調査では、新人研修をしていない薬局の常勤薬剤師は平均2.4人で、毎年新人が入るとは限らない
国の調査事業(令和6年度)のアンケートを見てみよう。回答した薬局のうち、新人研修を実施していない薬局は316件。その薬局の常勤薬剤師は平均2.4人じゃった。
平均で2〜3人…。その人数で店を回しながら新人に教えるのは、たしかに大変そうです。
研修を実施していない理由で最も多かったのは、毎年新人が入らないことで、57.9%じゃ(複数回答)。この調査は無作為に選んだ薬局の調査ではないから、全国の薬局の割合としては読めん。
全国の数字ではないとしても、新人が毎年来ない店なら、新人研修の仕組みを作ろうという話も出にくそうです。
そういう職場で教わっていない業務が残るのは、本人の能力だけの問題とは限らんのじゃ。少ない人数で店を回しておる分、教える時間を取りにくい。小さい薬局が悪い職場、という話ではないぞ。
同じ2年目でも、いる店によって教わる順番が違うなら、同期と比べて自分が遅れているかを判断するのは難しいですね。
国の研修の指針でも、研修は1年以上が最低限で、1年で終わるとは限らない
もう1つ、国の指針も見ておこう。薬剤師臨床研修ガイドラインとは、免許を取ったあとの薬剤師の研修のやり方を、厚生労働省が令和6年3月に示した指針じゃ。病院や薬局など、臨床現場で働く薬剤師全てが対象になっておる。
国がそういう指針を出していたとは、知りませんでした。研修の長さはどう書かれているんですか?
研修期間は「原則として1年間以上」で、これは最低限の期間とされておる。すでに行われている2年間などの研修も否定しておらん。
1年が「最低限」なら、1年で全部が終わるとは限らないんですね。
在宅訪問は、その研修の中でも後のほう、研修後期(10〜12か月目)に置くのが望ましいとされておる業務じゃ。
研修の後のほうに教わる業務なら、相談者さんも、在宅同行をいつ教わる予定か上司に聞いてみるとよさそうです。
そうじゃな。ただし、指針は義務ではなく、薬局ごとに研修の組み方は違う。それでも国の指針では、研修期間は原則として1年間以上で、それが最低限とされておる。2年目に入って教わっていない業務があっても、それだけでは遅れとは決まらんのじゃ。
「1年たったら全部できているはず」は、相談者さんが自分で作った物差しだったのかもしれません。
明日、担当業務を「一人でできる・教わったが確認が入る・教わっていない」の3つに分けて書き出す
「できない」と感じる業務がいくつもあると、何から手を付ければいいか分からなくなるじゃろう。そこで、紙1枚と10分で、担当業務を3つに分けて書き出す。分けてみると、上司に聞く業務の候補が見えてくるんじゃ。
担当業務の分け方と、次にすること
| 分け方 | どんな状態か | 次にすること |
|---|
| 一人でできる | 確認なしで任されている | そのまま続ける |
| 教わったが、まだ確認が入る | 教わったが、先輩の確認や差し戻しが入る | いつ・どうなれば確認が外れるかを、確認してくれている先輩に聞く |
| 教わっていない | まだ教わる機会がない | いつ・誰から教わる予定かを上司に聞く |
「次にすること」まで決まっていると、書いたあとに迷わずに済みそうです。書く業務の例があると、もっと始めやすいかも。
たとえば鑑査、在宅同行、吸入薬や注射薬の服薬指導、疑義照会、一人での閉局対応などじゃ。患者さんの名前や処方の中身は書かんようにな。
「教わったが、まだ確認が入る」の業務も、やっぱり気になってしまいます。
確認が入るのは、一人で対応する前の段階として、職場が先輩の確認を続けておるだけのこともある。気にしすぎなくてよい。いつ・どうなれば確認が外れるのかは、確認してくれている先輩に聞けばよいぞ。
確認が入る理由が、自分のミスの多さにあると感じる方は、以下の記事が参考になります。
あわせて読みたい薬剤師でミスが多くて落ち込む方へ|自分を責める前に確認したい原因と減らし方
1件ではなくミスが続いて落ち込んでいるときに、ミスが起きる状況を記録して、自分で対応できる範囲でミスを減らす方法をまとめています。
冒頭の相談者さんの場合、在宅同行は「教わっていない」に、鑑査の一部は「教わったが、まだ確認が入る」に入る。
相談者さんは2つとも「できない」とまとめていたけど、分けてみると種類が違いますね。
そうじゃ。確認が入る業務は、毎日そばにいる先輩に聞ける。教わっていない業務は、自分から聞かないと予定が立たん。だから在宅同行のほうから聞くんじゃ。

教わっていない業務を1つ選び、いつ・誰から教わる予定かを上司か管理薬剤師に聞く
上司が忙しそうで聞けない。これが相談者さんのいちばんの壁じゃろう。だから聞くのは1つだけでよい。教わっていない業務を1つ選び、上司か管理薬剤師に「この業務は、いつ頃、誰から教わる予定ですか」と聞くんじゃ。
1つだけなら、忙しそうな上司にも切り出せそうです。
選ぶなら、毎日の業務で出番が多いもの。または、同期が先に始めていて気になっておるものじゃ。聞き方の例を挙げておこう。
- 「在宅の同行を、いつ頃、どなたから教わる予定か教えていただけますか。準備しておきたいので」
- 忙しい時間帯を避け、閉局後や面談の時間に聞く
「準備しておきたいので」と添えるだけで、責めている感じがなくなりますね。
教わる時期を聞くのは、準備のための確認じゃからな。
上司の答えで、今の職場で教わるか、教わる職場を探すかを決める
上司の答えは、大きく3通りに分かれる。それぞれ、次にすることが決まっておるぞ。
上司の答えと、次にすること
| 上司の答え | 意味 | 次にすること |
|---|
| 時期と教える人が決まった | 今の職場で教わる道筋がある | 予定された時期まで待ち、今の職場で教わる |
| 「まだ決まっていない」 | 教わる予定がまだ決まっていない | 決まる時期を聞き、自分で期限を置いてもう1度だけ聞く |
| 教える人がいない・自分で覚えて | 今の職場で教わる道筋がない | 2年目からでも教わる職場を探し始める |
答えごとに次の一歩が決まっていると、聞いたあとに頭が真っ白にならずに済みそうです。
教わる時期と教える人が決まったら、その時期まで今の職場で教わる
「秋から○○さんに付いて在宅に行こう」のように、時期と教える人が決まったら、そのままメモに書いておく。時期が決まっていれば、それまでは今の職場に残って、教わるのを待つ理由になるんじゃ。
時期が分かっているだけで、待つ間の気持ちがだいぶ違います。
残って教わるのも、職場を変えるのと同じくらい大事な選択肢じゃ。教わる道筋がある職場を、焦りだけで離れる必要はない。
決まったなら、まずは今の職場で追いつけばいい。焦って動かなくて済みます。
教わる時期が「まだ決まっていない」と言われたら、決まる時期を聞き、自分で期限を置いてもう1度だけ聞く
「まだ決まっていない」と言われても、すぐに職場の問題だと決めんでほしい。国の調査では、新人研修を実施していない薬局のうち、理由に「人の余裕がない」を挙げた薬局も38.9%あった。忙しい薬局では、上司がその場で時期を答えられんこともある。
答えがないことと、教える気がないことは別なんですね。でも、そのまま待ち続けるのも不安です。
そこで「いつ頃決まりそうですか」と、決まる時期を聞く。答えが「次の面談で」「○月に」のように、教わる予定がいつ決まるか分かったら、その時期まで待って確かめればよい。
そのときは、自分でもう1度聞く期限を決める。たとえば次の面談か、1か月後じゃ。その時にもう1度だけ聞いて、それでも決まらなければ、教わる職場を探すことを考えるんじゃ。
期限を自分で決めておけば、ずっと宙ぶらりんにならずに済みます。
教える人がいない・自分で覚えてと言われたら、2年目からでも教わる職場を探し始める
「教える人がいない」「自分で覚えて」と言われた。あるいは、そもそも聞ける相手がいない。この場合は、今の職場では教わる道筋が見えておらん。2年目で教わる機会がない職場なら、移って教わるほうが早いこともある。
2年目で移ると逃げたように見えないか、気にする人は多そうです。
職場を移るのは逃げではない。薬剤師を続けるために、教わる環境を選び直すことじゃ。今すぐ辞める必要もない。在職中に、次の職場を探し始めればよい。
辞めると決める前に、探し始めるだけでもいい。そう分かると、動き出しやすくなる人もいそうです。
2年目で職場を移ると不利にならないかが気になる方は、以下の記事が参考になります。
あわせて読みたい薬剤師の転職は何年目がいい?経験3年・5年は転職しても通算される
中途採用の応募条件や、経験年数が求められる仕事を見て、何年目で転職すると不利になるのかを確かめられます。
教わる職場を探すなら、2年目で入った人が何をいつ教わったかを面接で聞く
次の職場でも同じことにならないか、不安になるじゃろう。求人票の「研修あり」だけでは、2年目で入った人が何を教わるのかは分からん。転職エージェントに聞くか、面接で次の1問を聞くんじゃ。
- 「2年目で入った人は、どの業務を、いつ頃、どなたから教わりましたか」
研修の「ある・なし」より、2年目で入った人が実際に何をいつ教わったかのほうが、ずっと参考になりそうです。
そうじゃ。具体的な業務名と時期で答えが返ってくる職場は、どの業務をいつ教えるかが決まっておる。
面接で聞くことが1つ決まっていると、職場を比べやすくなりそうです。でも、そもそもどこで求人を探せばいいのか迷いそうです。
探し始めると決めたら、まず転職サイト診断で、自分に合う転職サイトを絞っておくと動きやすい。
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まとめ:2年目の「できない」は、教わっていない業務を書き出して、教わる予定を聞くところから
この記事のまとめ
- 12年目でまだ教わっていない業務があっても、それだけでは遅れとは決まらない
- 2担当業務を3つに分けて書き出し、教わっていない業務を1つ選ぶ
- 3教わる予定を上司に聞き、その答えで今の職場で教わるか、教わる職場を探すかを決める
同期と比べて焦る気持ちは、2年目なら誰にでも起こりうる。ただ、比べる前に、自分がまだ教わっていない業務を1つ見つけてほしい。
同期と比べて落ち込んでいた人も、先にやることが1つあると分かれば、少し落ち着けそうです。
明日は、教わっていない業務を1つ選んで、いつ・誰から教わる予定か聞くところからで十分じゃ。
相談者さんなら、明日の閉局後に、上司へ在宅同行の予定を1つ聞くところからですね。
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明日の一歩は、教わっていない業務をいつ・誰から教わる予定か、1つ聞くことです。そのうえで、教わる職場を探すときに店の処方の幅も確かめたい方は、こちらも参考になります。
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