新薬承認

オラデオ顆粒分包を承認 2歳以上12歳未満のHAEに経口の発症抑制薬

記事公開:承認日:

薬の概要

販売名
  • オラデオ顆粒分包72mg / オラデオ顆粒分包96mg / オラデオ顆粒分包108mg / オラデオ顆粒分包132mg
一般名
  • ベロトラルスタット塩酸塩
効能・効果
  • 遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制

注目ポイント

遺伝性血管性浮腫(HAE: hereditary angioedema)は、手足、腹部、のどなどに突然むくみが出る病気です。発作を繰り返すのが特徴で、特にのどに起こると窒息につながるおそれがあるため、発作を起こしにくくする治療が重要です。 今回承認されたオラデオ顆粒分包は、血漿カリクレイン(plasma kallikrein:血漿カリクレイン)を阻害するベロトラルスタット塩酸塩の小児用製剤です。HAEでは、補体C1エステラーゼ阻害因子(C1-INH: complement 1 esterase inhibitor:補体C1エステラーゼ阻害因子)が低下し、ブラジキニンが過剰に増えて血管が広がりやすくなります。ベロトラルスタットは、この流れの上流を抑えることで、発作の発症抑制をねらう薬です。 注目点は、2歳以上12歳未満の小児に使える経口の発症抑制薬として承認されたことです。審査では、海外第III相試験(第III相試験:有効性と安全性を確認する段階)で、発作頻度の低下が確認されました。対照群を置かない非盲検試験(非盲検:薬の内容を隠さない試験)ではありますが、成人や12歳以上の小児で得られていたデータと、今回の小児で得られた曝露量(体内に入る薬の量)が概ね合うことを踏まえ、小児にも有効性が外挿できると判断されています。 従来、12歳未満で承認されていた発症抑制薬は皮下注射製剤のみでした。そのため、経口で継続しやすい選択肢が増えた点に臨床的な意義があります。一方で、症例数は限られており、特に日本人小児での投与経験はないため、市販後も安全性情報の収集が重要とされています。


注意点

■ 用量・投与方法 - 2歳以上12歳未満の小児に、1日1回、食後または食事とともに経口投与します。 - 体重別の用量は次のとおりです。 - 15kg以上24kg未満:72mg - 24kg以上32kg未満:96mg - 32kg以上40kg未満:108mg - 40kg以上:132mg - 体重により用量が決まるため、処方時は最新の体重確認が必要です。 ■ 安全性で確認したい点 - カプセル剤で重要な特定されたリスクとして、肝機能障害とQT延長(QT間隔延長:心電図上の異常)があります。小児試験では新たな懸念は示されませんでしたが、同様の視点で確認が必要です。 - 肝機能障害関連の有害事象としては、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、肝酵素上昇が挙げられています。 - 服薬開始後は、肝機能異常を疑う症状や、動悸・ふらつきなど心電図異常を示唆する訴えがないか確認するとよいです。 ■ 併用・背景患者での注意 - HAEの発作時治療薬は別に必要になるため、発作予防薬と急性発作治療薬を区別して指導することが大切です。 - 審査資料では、2歳以上12歳未満の小児で成人と同様の安全対策を前提にリスク管理する考え方が示されています。 - 本剤は医薬品リスク管理計画(RMP: Risk Management Plan:医薬品リスク管理計画)の対象です。市販後は、処方患者の把握と副作用情報の収集が重要になります。


まとめ

オラデオ顆粒分包は、2歳以上12歳未満の遺伝性血管性浮腫に使える経口の発作発症抑制薬です。体重別に用量が決まるため、処方監査では体重確認が重要です。安全性では、肝機能障害とQT延長を念頭に置き、服薬指導と市販後の情報収集を意識する必要があります。


詳細は審査報告書をご確認ください。

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