ビレーズトリ14.4エアロスフィアを承認 喘息にICS/LAMA/LABA配合の新たな選択肢
薬の概要
- 販売名
- ビレーズトリ14.4エアロスフィア56吸入、同14.4エアロスフィア120吸入
- 一般名
- ブデソニド/グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物
- 効能・効果
- 気管支喘息(吸入ステロイド剤、長時間作用性吸入抗コリン剤及び長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)
注目ポイント
気管支喘息は、気道に慢性的な炎症が起こり、発作的に気道が狭くなる病気です。息苦しさ、喘鳴(ぜんめい:ヒューヒューという呼吸音)、咳、胸苦しさが繰り返し起こり、重いと救急受診や入院が必要になります。 今回承認されたビレーズトリ14.4エアロスフィアは、吸入ステロイド薬(ICS:inhaled corticosteroid、吸入ステロイド薬)のブデソニド、長時間作用性抗コリン薬(LAMA:long-acting muscarinic antagonist、長時間作用性抗コリン薬)のグリコピロニウム臭化物、長時間作用性β2刺激薬(LABA:long-acting β2 agonist、長時間作用性β2刺激薬)のホルモテロールフマル酸塩水和物を1つにした吸入製剤です。気道の炎症を抑えつつ、気道を広げる作用を組み合わせるため、中用量または高用量のICS/LABAでもコントロール不良な患者で、さらにLAMAの追加が必要な場合の選択肢になります。 審査では、成人と12歳以上の小児を対象にした国際共同第III相試験で、BUD/GLY/FM 320/28.8/9.6群は比較薬のBUD/FM 320/9.6群に対して、肺機能指標の改善で上乗せ効果が示されました。重度の喘息増悪についても、併合解析では発現率が低い傾向がみられています。12歳以上18歳未満の小児では症例数が少なく解釈に注意が必要ですが、成人と大きく異なる傾向は示されていません。 本剤はすでにCOPDで使われている同系統の配合吸入剤と同じ吸入器を使いますが、喘息では新しい適応です。PMDAは、喘息の長期管理で使う薬であり、急性症状の頓用薬ではないこと、そして既存のICS/LABAから切り替える際にはICS量が過少または過量にならないよう注意が必要だと整理しています。
注意点
【用法・用量】 成人および12歳以上の小児では、通常、ビレーズトリ14.4エアロスフィアを1回2吸入、1日2回吸入します。できるだけ同じ時間帯に吸入することが求められます。 【処方監査で見るポイント】 - 対象は「ICS、LAMA、LABAの併用が必要な気管支喘息」です。急性増悪の治療薬としては使いません。 - 既存のICS/LABAから切り替える場合は、前治療のICSの種類と用量、喘息コントロール状態、増悪歴を確認します。 - 本剤ではICS量が変わるため、切り替え後にICSが不足または過量にならないかを確認します。 - 12歳以上の小児では、高用量ICSに相当するため、成長への影響を含めて長期的な観察が必要です。 【主な安全性の注意】 - ICSに関連して、口腔・咽頭カンジダ症、嗄声(させい:声がれ)などの局所副作用に注意します。吸入後のうがいが基本です。 - LAMAに関連して、口渇、排尿困難、尿閉などの抗コリン作用に注意します。前立腺肥大や緑内障がある患者では特に確認しやすいです。 - LABAに関連して、動悸、振戦、不整脈などの症状に注意します。 - ICSの全身作用として、副腎機能抑制、骨への影響、眼への影響が重要な検討事項に挙げられています。長期使用例では、必要に応じて症状や検査値の変化を確認します。 - 肺炎や心血管系事象も重要な安全性検討事項です。息切れや発熱、胸痛、動悸の変化があれば受診につなげます。 【運用上のポイント】 - 本剤はRMP(risk management plan:医薬品リスク管理計画)の対象です。 - 12歳以上の小児では臨床試験成績が限られるため、使用後も有効性と安全性の情報収集が継続されます。 - 吸入手技が不十分だと効果が落ちやすいため、吸入確認は服薬指導の重要ポイントです。
まとめ
ビレーズトリ14.4エアロスフィアは、ICS、LAMA、LABAを1つにまとめた喘息治療薬として承認されました。中用量または高用量ICS/LABAでコントロール不良な成人と12歳以上の小児に使う薬で、急性症状の頓用薬ではありません。実務では、切り替え時のICS量、吸入手技、口腔カンジダ症や口渇、動悸などの副作用確認を押さえることが重要です。
詳細は審査報告書をご確認ください。
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