ドラッグストア薬剤師の辞めたい理由は、売場の仕事・勤務の時間帯と場所・仕事の中身の3つに分かれます。2週間書き出して一番多い理由を決め、社内で動かせるかと、移り先の求人で確かめる条件を解説します。
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読者からの相談調剤併設のドラッグストアで働いて4年目の薬剤師です。調剤の途中でも品出しやレジに呼ばれて、遅番の日は閉店まで帰れず、最近は別の店への応援の話も来ます。辞めたい気持ちは強いのに、何が一番嫌なのか自分でもはっきりしなくて、調剤薬局に移れば解決するのかも分かりません。
📌この記事のポイント
- ドラッグストア薬剤師の辞めたい理由は3つに分かれ、一番多いもので移り先の条件が決まる
- 社内で動かせるかは、まず労働条件通知書の「業務・就業場所の変更の範囲」で確かめる
- 動かせないなら、業態名ではなく売場業務の有無・遅番の人数・処方の幅で求人を絞る
まず結論:ドラッグストアを辞めたい理由は3つの出どころに分かれ、一番多い出どころで移り先の条件が決まる
今日は、調剤併設のドラッグストアで4年目の相談者さんからじゃ。品出しやレジに呼ばれる、遅番で閉店まで帰れない、応援の話も来る。辞めたいのに、何が一番嫌なのかが分からん、という相談じゃな。
全部が少しずつ嫌、という感じなんですね…。一つひとつは我慢できても、重なると「もう辞めたい」になりそうです。
先に答えを言っておこう。ドラッグストアの薬剤師が辞めたいと感じる理由は、売場の仕事、勤務の時間帯と場所、薬剤師としての仕事の中身の3つのどこかから来ておる。どれが一番多いかで、次の職場で確かめる条件が変わるんじゃ。
理由の出どころで、移り先の条件が変わる…。「調剤薬局に移れば全部解決」とは限らない、ということですか?
そうじゃ。調剤薬局にも閉局の遅い店や、薬剤師が少ない時間帯はある。業態の名前では決まらん。
業態を変えるだけでは足りないとなると、何から手をつければいいのか、余計に迷いそうです。
手順は3つじゃ。まず2週間、辞めたいと思った場面を書き出して、一番多い出どころを1つ決める。次に、それが社内で動かせるかを契約書類で確かめる。動かせなければ、その出どころが消える条件で求人を絞る。
書き出す、確かめる、絞る…。辞めるかどうかを決める前にできることなんですね。少し気が楽になりました。
一つ断っておく。ドラッグストアに限らず、薬剤師という仕事そのものを続けたくない気持ちが強い人は、今日の話より先に整理しておくことがある。
ドラッグストアの職場ではなく、薬剤師という仕事そのものを続けるか迷っている方は、先にこちらの記事を読んでください。
あわせて読みたい薬剤師を辞めたいけど資格がもったいない|続けるか辞めるか迷ったときの考え方
辞めたい気持ちが職場から来ているのか、薬剤師という仕事そのものから来ているのかを整理し、続けるか辞めるかを考える手順を解説します
ドラッグストアの薬剤師に売場の仕事や遅番がどこまで回ってくるかは、法律より会社の配置で決まる
手順に入る前に、なぜ薬剤師に売場の仕事や遅番が回ってくるのかを見ておこう。ドラッグストアでは、調剤室と売場で、法律が求める資格者が違うんじゃ。
同じお店の中なのに、場所によって決まりが違うんですか?
調剤室は「薬局」じゃ。医薬品医療機器等法(薬機法)第7条で、薬局には薬剤師の管理者を置くことになっておる。売場を店舗販売業の許可で営業しておる店なら、第28条で店舗管理者を置く。こちらは薬剤師か登録販売者じゃ。
売場の責任者は、登録販売者さんでもいいんですね。それなら、薬剤師が売場に出なくても回りそうな気がします。
ところが、売場の薬のうち第一類医薬品は薬剤師が販売すると、第36条の9で決まっておる。第二類・第三類は登録販売者も販売できる。
第一類を置いている売場なら、売っている時間帯には薬剤師がいないといけない…。営業時間の長いお店で遅番が薬剤師に回ってくるのは、そのためなんですね。
理由の一つじゃな。そのうえで、調剤室の薬剤師を売場の品出しやレジにどれだけ回すか、遅番を何人で回すかは、会社が決める配置の話じゃ。条文が薬剤師に品出しを求めておるわけではない。
相談者さんの「調剤の途中で呼ばれる」も、要領が悪いからではなく、お店の配置の組み方から来ている、ということですか。
その見方でよい。配置の問題なら、社内で動かせる余地もある。じゃからこそ、どこから来るつらさなのかを先に見分けるんじゃ。
辞めたいと思った場面を2週間書き出し、3つの出どころのうち一番多いものを1つ決める
辞めたい理由を1つに絞ると、次の職場で確かめることが決まるでは手順の1つ目じゃ。今夜から2週間、「辞めたい」と思った場面をスマホのメモに1行ずつ書いてほしい。何をしていたとき、何時ごろ、誰に何を言われたか。それだけでよい。
日記みたいにきちんと書かなくていいんですね。1行なら、疲れて帰った日でも続けられそうです。
週末に、書いた行を3つの出どころに振り分けて数える。どんな場面がどこに入るか、例を並べておこう。
!辞めたいと思った場面の例(出どころ別)
売場の仕事:調剤の途中で、品出し・レジ・発注に呼ばれた
売場の仕事:売上や会員登録の目標を言われた
勤務の時間帯と場所:遅番で閉店まで残った/休みの日に店から電話が来た
勤務の時間帯と場所:別の店への応援や異動を打診された
薬剤師としての仕事の中身:処方が毎日ほぼ同じで、覚えることが増えない
薬剤師としての仕事の中身:薬剤師が自分だけの時間帯に、判断を一人で抱えた
相談者さんの話を当てはめると、品出しとレジが売場の仕事で、遅番と応援は勤務の時間帯と場所ですね。数えると、時間帯と場所のほうが多い…。
そうやって数えると、ひとかたまりの「つらい」がほどけてくる。一番多い出どころを1つ決めるんじゃ。同じ数なら、「それが無くなれば残ってもいい」と思えるほうを選ぶ。
年収の不満はどこに入れればいいんでしょう。「これだけ働いてこの年収か」と思う人は多いと思います。
年収は、どれかの負担とセットで出てくることが多い。じゃから、どの負担のときにそう思ったかを、その行の横に書き添えておく。年収そのものの比べ方は、あとで別の記事を案内する。
年収を別枠にしないで、負担の側に付けておくんですね。そのほうが、何に見合っていないのかがはっきりしそうです。
もう一つ大事なことがある。肩や腰の痛みで眠れない、気分の落ち込みが続いている。そういう人は、書き出しより先に受診してほしい。
品出しがきつくて眠れない、という1年目の方の相談を知恵袋で見かけたことがあります。数えるのは、体を立て直してからでいいんですね。
そうじゃ。そのうえで一番多い出どころが決まったら、次はそれが社内で動かせるかを確かめる。
辞めたい理由の一番多い出どころを社内で動かせるかは、まず労働条件通知書の「変更の範囲」で確かめる
手順の2つ目じゃ。一番多い出どころが社内で動かせるかは、手元の労働条件通知書(雇用契約書)で確かめられる。見るのは「変更の範囲」という欄じゃ。
入社のときに受け取った書類ですよね。正直、細かく読んだ記憶がないです…。
「変更の範囲」とは、雇い入れた直後だけでなく、将来の配置転換などで変わりうる業務と就業場所の範囲のことじゃ。2024年4月から、労働契約を結ぶときに明示することになった。
業務と就業場所の2つがあるんですね。出どころによって、見る欄が変わりそうです。
その通りじゃ。売場の仕事が多かった人は、業務の欄に売場業務が含まれておるか。勤務の時間帯と場所が多かった人は、就業場所の欄がどこまで広いかを見る。
相談者さんは4年目なので、正社員なら契約を結んだのは2024年4月より前ですね。
よく気づいた。明示のルールは2024年4月1日以降に結んだ契約が対象で、それより前の契約書にはこの欄が無いことがある。ただし契約社員は、契約を更新すると新しく結んだ扱いになる。2024年4月以降に更新しておれば、更新後の書類に欄があるはずじゃ。確かめる先はこうじゃ。
- 2024年4月以降に結んだ契約(契約社員の更新を含む):労働条件通知書の「業務の変更の範囲」「就業場所の変更の範囲」
- 2024年3月以前に結んだ契約:就業規則の配置転換の条項と、採用時のコース(全国・エリア限定など)
欄が無くても、確かめる先はあるんですね。範囲が狭く書いてあったら、動かせそうだと考えていいんですか?
狭く書かれておれば、社内で取りうる配置の目安にはなる。ただ、実際に異動を命じられるかは、就業規則や勤務地・職種を限る取り決めとの関係で決まる。欄だけで決まるわけではないがな。動かせる見込みがあるなら、エリアマネージャーか人事に希望として一言出してみるとよい。「調剤室の専任にしてほしい」「応援の範囲を今のエリアに限る区分に移りたい」くらいで十分じゃ。
交渉というより、希望を伝えるところまで、ですね。それなら明日にでも言えそうです。
欄が広く書かれていて書類では分からんときも、希望を出したときの反応で見当がつく。範囲が広くて動かせない、または伝えても変わらなかったら、次の手順へ進む。
書類と、希望を出したときの反応の両方で見るんですね。欄の書き方は会社ごとに違いそうで、読むのに少し自信がないです。
欄の読み方と記載例は、別の記事でくわしくまとめてある。求人票で同じ欄を読むときにも使えるぞ。
「変更の範囲」の欄の読み方と記載例、求人票で同じ欄を読むときのコツは、こちらの記事で解説しています。
あわせて読みたい薬剤師のホワイトな職場の見分け方|求人票で読む4つと、面接で聞く4つ
求人票の「変更の範囲」欄の読み方と記載例、年間休日の内訳や固定残業代の読み方、面接で店舗の実態を聞く4つの質問を解説します
社内で動かせない辞めたい理由は、その理由が消える条件で移り先の求人を絞る
手順の3つ目じゃ。社内で動かせなかった出どころは、それが消える条件で移り先の求人を絞る。求人票で見る欄と面接で聞くことを、出どころごとに分けておこう。自分に当てはまるところだけ読めばよい。
出どころ別に、移り先の求人で確かめること
| 出どころ | 求人票で見る欄 | 面接で聞くこと |
|---|
| 売場の仕事 | 業務内容の欄(変更の範囲を含む)に品出し・レジが入っているか | 調剤室の薬剤師が売場に入る時間は1日どれくらいか |
| 勤務の時間帯と場所 | 勤務時間・閉店時刻と、就業場所の変更の範囲 | 遅番の時間帯に薬剤師は何人か・応援は月に何回か |
| 薬剤師としての仕事の中身 | 近隣の医療機関(診療科)・1日の処方箋枚数・薬剤師の人数 | どの科目の処方が多いか |
業態の名前では決まらんからじゃ。さっきも言ったように、調剤薬局でも閉局の遅い店や、薬剤師が少ない時間帯はある。じゃから業態ではなく、求人票と面接で条件を確かめる。
売場の仕事が理由なら、業務の範囲に売場業務を含まない調剤専任の求人かを確かめる
売場の仕事が一番多かった人は、求人票の業務内容の欄を、変更の範囲も含めて見る。品出しやレジが書かれていないかを確かめるんじゃ。
相談者さんの「調剤の途中で呼ばれる」がつらいなら、まずここですね。
ただ、求人票に書かれていなくても、店の忙しさで売場に入ることはある。面接で「調剤室の薬剤師が売場に入る時間は、1日どれくらいですか」と聞いておく。
書いてあることと、実際に回っていることを分けて確かめるんですね。辞める前に、今の職場で少しでも軽くできないか試したい人もいそうです。
その人には、品出しとレジの負担を今の職場で減らす手を整理した記事がある。管理薬剤師で店長の仕事まで兼ねておる人は、兼務の中身を分けて考える記事のほうが合う。
品出し・レジの負担を、まず今の職場で軽くしたい方はこちら。
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勤務の時間帯と場所が理由なら、閉店時刻と遅番の薬剤師の人数、就業場所の範囲を確かめる
勤務の時間帯と場所が一番多かった人は、求人票の勤務時間と閉店時刻、それに就業場所の変更の範囲を見る。
遅番の終わる時間は、閉店時刻でだいたい決まりますもんね。
そうじゃ。ただ、同じ閉店時刻でも、遅番の時間帯に薬剤師が何人いるかでしんどさは変わる。面接では「遅番の時間帯は薬剤師が何人ですか」「応援は月に何回くらいありますか」と聞く。
相談者さんの遅番と応援の両方を、この2つの質問で確かめられますね。応援や転勤の範囲が狭い求人に絞れたら、それだけでずいぶん楽になりそうです。
ただ、転勤の範囲を狭く限った採用区分は、同じ会社でも年収が低めに設定されていることがある。年収の比べ方は、このあとの仕事の中身の節で案内する記事で確かめてほしい。
場所を選ぶと年収に跳ね返ることもある、と先に知っておけると安心です。時間帯がつらい理由が、家庭の事情という人もいそうですね。
就学前の子どもがいて遅番が回らん人には、育児の制度で勤務時間帯を動かす手順をまとめた記事がある。休みの日の店からの電話がつらい人には、その対処をまとめた記事じゃ。
就学前の子どもがいて、遅番が回らない方はこちら。
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薬剤師としての仕事の中身が理由なら、処方箋の科目の幅と1日の枚数を確かめる
薬剤師としての仕事の中身が一番多かった人は、求人票の近隣の医療機関、1日の処方箋枚数、薬剤師の人数を見る。
中身の悩みといっても、人によって違いそうです。毎日同じ処方で物足りない人もいれば、一人で判断するのが怖い人もいますよね。
よく分けたな。物足りない人は、近くの医療機関の診療科を見て、科目の幅を確かめる。一人で判断するのが怖い人は、薬剤師が自分だけになる時間帯があるか、薬剤師の人数を確かめる。面接では「どの科目の処方が多いですか」と聞いておく。
同じ「中身」でも、見る数字が違うんですね。自分がどちらなのかを先に分けておかないと、求人票を見ても迷いそうです。
そうじゃな。ここで、年収の不満が理由に混ざっておる人にも触れておこう。今の年収と求人の年収は、同じ条件に揃えてから比べる。揃え方は、ドラッグストアの年収を扱った記事にまとめてある。
揃えてからでないと、高いか低いかも言えないんですね。調剤薬局に移りたくても、ドラッグストアでの調剤経験が通用するのか不安な人もいると思います。
その不安には、調剤経験の中身を数えて確かめる記事がある。
ドラッグストアでの調剤経験で、調剤薬局に移れるか不安な方はこちら。
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3つのどれでも、確かめる条件が決まったら、それをもとに合う転職サイトを絞れる。重視することは、勤務の時間帯と場所なら「残業や休みを見直して無理なく働きたい」、売場の仕事や中身なら「スキルアップ・キャリアを伸ばしたい」が近い。
決めた条件が、そのまま入力に使えるんですね。ただ、まだ辞めると決めてもいないのに、転職サイトを見ていいのか迷います…。
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まとめ:辞めたい理由の出どころを1つに絞ってから、社内で動かすか移るかを決めよう
この記事のまとめ
- 1ドラッグストアを辞めたい理由は、売場の仕事・勤務の時間帯と場所・仕事の中身の3つに分かれる
- 22週間書き出して、一番多い出どころを1つ決める
- 3社内で動かせるかは、まず労働条件通知書の「変更の範囲」で確かめる
- 4動かせないなら、業態名ではなく出どころが消える条件で求人を絞る
辞めたい気持ちが強いときほど、つらさはひとかたまりに見える。まず出どころを1つに絞る。社内で動かすか、移るかは、そのあとで決めればよい。
「調剤薬局に移れば解決するのか」という相談者さんの迷いも、出どころが決まれば、移った先で何を確かめればいいかに変わるんですね。今夜の1行から始められそうです。
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